第一次大戦期の極東の海洋力
第一次世界大戦、太平洋、インド洋の参加戦力
[ドイツ]
ドイツ東洋艦隊
根拠地:青島 巡洋艦3隻、砲艦数隻、駆逐艦、水雷艇
根拠地:膠州湾 砲艦4隻、駆逐艦2隻、オーストリア巡洋艦1隻
仮装巡洋艦 「ヴォルフ」「メーヴェ」「ゼーアドラー」
装甲巡洋艦2隻、軽巡5隻、砲艦4隻。−別資料−
East Asia Squadron (Vice Admiral Graf Spee)
装甲巡洋艦「Scharnhorst」(Flagship)、「Gneisenau」
軽巡「Emden」「Leipzig」「Nurnberg」
砲艦「Iltis」「Jaguar」「Tiger」「Luchs」
河川砲艦「Vaterland」(Nanking)、「Otter」(Nanking)、「Tsingtau」(Canton)
水雷艇「S 90」
旧式巡洋艦「Cormoran」(laid up)
補助巡洋艦「Prinz Eitel Friedrich」「Cormoran」(ex Rjasan) converting.
支那海、インド洋方面 巡洋艦「エムデン」、武装商船1隻
巡洋艦「シャルンホルスト」、「グナイゼナウ」 青島を脱出し南陽群島方面に有るらしい情報(当時)
巡洋艦「ニュールンベルグ」は、「ライプチヒ」と交代して青島に帰港中との情報(当時)
1914/8中旬 マリアナ群島、マーシャル群島方面を行動。サモア、タヒチなどを経てチリ沿岸に進み、1914/11/1コロネル沖で英艦隊支隊と遭遇、撃滅
1914/8河川砲艦「Tsing-tao」「Vaterland」中国港湾にて抑留。
1914/9/28ドイツ駆逐艦「TAKU」青島にて自沈(Scuttled)。1898ドイツ製の中国艦で、1900ドイツに捕獲。
1914/10/17水雷艇「S90」号 巡洋艦「高千穂」撃沈
1914/10/28「エムデン」ペナン島沖でロシア軽巡「Jemtchug」を撃沈。
1914/11/4砲艦「Luchs」「Tiger」「Iltis」「Jaguar」青島にて自沈。
1914/11/9「エムデン」 ココス島において豪州巡洋艦「シドニー」に捕捉撃沈。
1914/12/8 巡洋艦「ニュールンベルグ」 フォークランド沖で、イギリス巡洋艦「ケント」により撃沈。
1915/3中旬 巡洋艦「ドレスデン」 南米沿岸で、イギリス巡洋艦「ケント」により撃沈。
[イギリス]
China Station 支那海の根拠地: ペナン、シンガポール、香港、
英国支那艦隊
旧式戦艦「Triumph」 (in reserve) −日本軍の青島攻略に参加−
装甲巡洋艦「Minotaur」「Hampshire」
巡洋艦「Newcastle」「Yarmouth」
駆逐艦「Chelmer」「Colne」「Jed」「Kennet」「Ribble」「Usk」「Welland Otter」「Fame」
潜水艦「C 36」-「C 38」
香港
砲塔艦「Wivern」
輸送艦「Tamar」
スループ「Rosario」
最新鋭巡洋戦艦2隻、1914/11/下旬 フォークランド島方面に到着。
1914/12/8英独艦隊交戦、ドイツ艦隊全滅。
イギリス装甲巡洋艦「Good Hope」1914/11/1チリ沖にて「シャルンホルスト」「グナイゼナウ」と交戦、沈没。
East India インド洋の根拠地: アデン、コロンボ、モーリシャス、
戦艦「Swiftsure」
巡洋艦「Dartmouth」「Fox」
Royal Indian Marine
カラチ、カルカッタ、ボンベイ
輸送艦8隻、病院船2隻、測量船1隻、河用艇15隻
NEW ZEALAND
巡洋艦「Psyche」「Pyramus」「Philomel」
「Wallaroo」 (used as a guard ship)
AFRICA
(Cape Verde Islands)
5th Cruiser Squadron
装甲巡洋艦「Carnarvon」 (f), 「Cornwall」「Cumberland」「Monmouth」
(Cape of Good Hope)
巡洋艦「Pegasus」「Hyacinth」「Astraea」
SOUTH AMERICA (Falklands?)
巡洋艦「Glasgow」
MELBOURNE
旧式戦艦「Nelson」
砲塔艦「Cerberus」
[オーストラリア]
Commonwealth of Australia
根拠地:Cockatoo Island、Garden Island
巡洋戦艦「Australia」
軽巡「Melbourne」「Sydney」「Brisbane」「Adelaide」、「Psyche」「Pioneer」、「Philomel」
駆逐艦12、「Anzac」1、「Admiralty"S"」5、「Suan」3、「Parramatta」3
教導艦「Marksman」
潜水艦「J7」、「J1」〜「J5」
艦隊型掃海艇「Geranium」「Marguerite」、「Mallow」
測量艦「Una」、「Fantome」
砲艦「Protector」、「Gayundah」
潜水母艦「Platypus」
給油艦「Bioela」、「Kurumba」
武装哨戒艦「Coogee」、「Gannet」、「Moorilyan」、「Sleuth」
練習艦「Franklin」、「Tingira」
支援船「Nusa」、「Sumatra」
[ニュージーランド]
Dominion of New Zealand
根拠地:Auckland、Port Chalmers
スループ「Firebrand」
砲艦「Amokura」
ヨット「Hinemoa」
ケーブル船「Tutanekai」
[カナダ]
Dominion of Kanada
根拠地:Esquimault、Halifax
巡洋艦「Niobe」
軽巡「Rainbow」
潜水艦「H14」「H15」、「CC1」「CC2」
潜水母艦「Shearwater」
スループ「Algerine」
武装哨戒艦「Canada」、「Florence」、「Hochelaga」、「Margaret」、「Premier」、「Seagull」、「Stadacona」、「Starling」
[アメリカ]
太平洋、アジア
根拠地:サンパウロ、
Asiatic Naval Station
根拠地:マニラ湾、スービック
既に両用艦隊として、太平洋艦隊が有り、約半数の艦艇が配備されているが、真珠湾への配備は太平洋戦争直前であり、西太平洋への大規模な配備はないもよう。
[フランス]
根拠地:サイゴン
装甲巡洋艦
「Descartes」 - West Indies (Martinique)
「Dupleix」 - Far East
「Montcalm」 - South Pacific
駆逐艦
「D'Iberville」「Mousquet」-- Penang
砲艦
「Kersaint」-- Far East dispatch boat
「Suprise」-- Cameroons
「Decidee」-- Indochina
「Zelee」-- Tahiti
フランス駆逐艦「Mousquot」 1914/10/28ペナン島沖で「エムデン」と交戦、沈没。
フランス駆逐艦「D'Iberville」 1914/8ペナン島沖で「エムデン」と交戦?。
フランス砲艦「Zelee」 1914/9/22タヒチ島沖で「シャルンホルスト」「グナイゼナウ」と交戦、沈没。
[**]
ロシア河川砲艦「Pistolet」
ロシア駆逐艦「Pistolet」
共に実在するも、所属不明。
[オランダ]
根拠地:スラバヤ、バタビヤ、サバング
[ロシア]
根拠地:ウラジオストク、
駆逐艦14隻、砲艦1隻、敷設艦4隻、
アムール川小艦隊18隻+6隻
戦艦、巡洋艦の大艦隊は、黒海、バルト海のみに配備
シベリア配備の巡洋艦「Askold」「Zhemchug」、輸送艦護衛に従事。「Askold」は大西洋で英仏艦隊と共同作戦の可能性大。
ロシア軽巡「Jemtchug」 1914/10/28ペナン島沖で「エムデン」と交戦、沈没。
[中華民国]
巡洋艦6隻
河川砲艦19隻
砲艦2隻
水雷砲艦3隻
駆逐艦3隻
[シャム王国]
王室ヨット「Maha Chakri」
砲艦4隻
巡洋艦「Sriya Monthon」
駆逐艦2隻
水雷艇4隻
[ペルシャ王国]
砲艦「Persepolis」
王室ヨット「Selika」
[日本]
根拠地:横須賀、呉、佐世保、舞鶴、大湊、旅順、大連、鎮海
第一艦隊 東シナ海、黄海の航路保安と通商保護。
第二艦隊 陸軍の輸送護衛、上陸援護、膠州湾の封鎖、青島攻略。
第三艦隊 香港以北の通商保護。大正6年末頃、戦艦「石見」、「朝日」をウラジオストクに派遣、陸戦隊も揚陸。
第一南遣支隊 巡洋戦艦「鞍馬」、「筑波」、装甲巡洋艦「浅間」、第16駆逐隊(海風、山風) マリアナ、カロリン、マーシャル方面のドイツ領南洋群島海域を巡航、索敵。大正4年2月役務解除。
第二南遣支隊 戦艦「薩摩」、巡洋艦「平戸」、「矢矧」 西カロリン群島方面、マラッカ海峡方面の警戒、豪州航路の安全に任ずる。大正4年2月役務解除。
特別南遣支隊 巡洋戦艦「伊吹」、巡洋艦「筑摩」、 英国支那艦隊に共同してドイツ巡洋艦「エムデン」の追跡
(増派)装甲巡洋艦「春日」、第四戦隊、装甲巡洋艦「常盤」、「八雲」
遣米支隊 装甲巡洋艦「出雲」、「肥前」 カナダ、エスカイモルトを根拠地 北米西岸の海上交通保護。
消息不明のドレスデンに備える。
(増派)装甲巡洋艦「浅間」
陸戦重砲隊 陸軍の攻撃協力
水上機2機 偵察、爆撃 水上機母艦「若宮」
第一特務艦隊 インド洋、南支那方面に派遣作戦中の支隊により編成。
うち、巡洋艦「対馬」、「新高」を南アフリカ方面に分遣。
第二特務艦隊 巡洋艦「明石」、駆逐隊2(駆逐艦8) 根拠地をマルタ。地中海方面 連合軍の船団護衛、対ドイツ潜水艦作戦。
第三特務艦隊 豪州、ニュージーランド方面
第一南遣支隊、遣米支隊は、メキシコ沿岸で集結、豪州艦隊と合流し、南下、ドイツ艦隊を捜索。
第二特務艦隊 に駆逐隊2(駆逐艦8)を充てた為、内地の駆逐艦が不足する事から、臨時軍事費の勅裁支出により、2等駆逐艦6隻を建造、大正7年4月30日までに受領。
尚、日本の、巡洋戦艦、装甲巡洋艦の艦艇については、巡洋戦艦、装甲巡洋艦、一等巡洋艦、海防艦、などの精査が必要です。
参考資料
Jane's FIGHTING SHIPS Of World War T
CONWAY’S ALL THE WORLD'S FIGHTING SHIPS 1906−1921
海軍 (誠文図書) W 太平洋戦争への道
日本の海軍 下 (至誠堂)
NAVIES of WORLD WAR 1
http://www.naval-history.net/NAVAL1914-18.htm
World War One - The Maritime War
http://www.ukans.edu/~kansite/ww_one/naval/n0000000.htm#flt
Menueleiste Kaiserliche Marine
http://www.deutsche-schutzgebiete.de/menueleiste-marine.htm
Royal Navy Hulks Overseas, 1800-1976
http://www.ukans.edu/~kansite/ww_one/naval/rnhulks.htm
Russia1917
http://www.neva.ru/EXPO96/book/chap11-4.html
Scharnhorst & Gneisenau
http://meltingpot.fortunecity.com/melwood/118/ScharnhGneis.htm
http://meltingpot.fortunecity.com/melwood/118/index.html
この内容の一部は、歴史群像(学研)2002.4 No.52 の、"軽巡「エムデン」の戦い"に関する記事に、整理利用されたものです。
新規作成日:2002年2月1日/最終更新日:2002年2月1日