大西洋の海戦
ラプラタ沖海戦
Battle of La Plata
1939(昭和14)年12月13日
1939(昭和14)年8月21日 第2次世界大戦開戦に先立ち、ドイツ海軍ポケット戦艦「アドミラル・グラーフ・シュペー」(艦長ハンス・ラングスドルフ大佐)がヴィルヘルムスハーフェンを出港
- 9月3日 イギリス、フランスがドイツに宣戦布告(この時点で「グラーフ・シュペー」はアゾレス諸島南方沖を航行中)
- 9月24日 通商破壊戦の開始を許可。
これ以後、「グラーフ・シュペー」は南大西洋、インド洋で商船9隻5万89総トンを撃沈
- 12月2日 イギリス船「ドーリック・スター」が「グラーフ・シュペー」の位置を無電で発信(「ドーリック・スター」は「グラーフ・シュペー」の砲撃で撃沈)
- 12月12日 イギリス海軍G部隊(H・ハーウッド准将 重巡「エクゼター」(艦長ベル大佐)、軽巡「エイジャックス」(旗艦)、軽巡「アキリーズ」)がラプラタ川沖に集結
- 12月13日0552 「グラーフ・シュペー」見張り員が右舷前方31000mにマストを発見
- 0600 ラングスドルフ大佐、「戦闘配置に付け」を下令。敵艦隊へ接近
- 0609 G部隊旗艦「エイジャックス」、北東水平線上に煙を発見。ハーウッド准将はこれを確認するため、「エクゼター」を分派
- 0610 ラングスドルフ大佐、敵艦隊を重巡洋艦1隻、軽巡洋艦2隻と確認
- 0614 「エクゼター」、敵がドイツ海軍ポケット戦艦であることを確認。G部隊は「グラーフ・シュペー」を挟撃するため、「エクゼター」は西へ急転回、「エイジャックス」「アキリーズ」は北方へ向かう
- 0617 「グラーフ・シュペー」、距離17600mで「エクゼター」「エイジャックス」への砲撃を開始
- 0620 「エクゼター」、距離17000mで「グラーフ・シュペー」への砲撃を開始
- 0621 「アキリーズ」射撃開始
- 0623 「エイジャックス」、距離175000mで「グラーフ・シュペー」への砲撃を開始
- 0625 「グラーフ・シュペー」、射撃を「エクゼター」に集中させる。「エクゼター」は至近弾で右舷魚雷発射管員が戦死、艦内通信装置故障、水上機2機損傷・海中に投棄。「エクゼター」は艦首B砲塔に直撃弾を受け、砲塔は沈黙。破片で艦橋が破壊されベル大佐は後部指揮所に移動
- 0632 「エクゼター」は「グラーフ・シュペー」に接近、雷撃するが命中せず。「エイジャックス」「アキリーズ」は「エクゼター」支援のため「グラーフ・シュペー」を執拗に攻撃
- 0636 「グラーフ・シュペー」は煙幕を展張し、北西へ変針。「エイジャックス」「アキリーズ」は追撃のため北から西へ全速で変針
- 0637 「エイジャックス」は水上偵察機を射出
- 0638 「グラーフ・シュペー」は同航戦で「エクゼター」に2発の命中弾を与え、艦首A砲塔を破壊。中央部に命中した弾が火薬庫火災を発生させる。電気回路の損傷で艦内コンパスが使用不能となったため、搭載内火艇のコンパスで航行
- 0650 「エクゼター」は煙幕を展張し、戦場からの離脱を図る(この時点で「エクゼター」は浸水のため艦首が7度沈降)
- 0704 「エイジャックス」は「グラーフ・シュペー」に向けて距離8000mで53.3cm魚雷を発射。「グラーフ・シュペー」は130度に変針し魚雷を回避。「エイジャックス」は「グラーフ・シュペー」の砲撃で後部砲塔を損傷
- 0710 「エイジャックス」「アキリーズ」は「エクゼター」支援のため「グラーフ・シュペー」に接近
- 0716 「グラーフ・シュペー」は距離10000mで主砲の目標を軽巡に変更(それまで「グラーフ・シュペー」は副砲で軽巡を攻撃していた)
- 0725 「エイジャックス」に「グラーフ・シュペー」の主砲弾が命中「エイジャックス」は後部の2砲塔を損傷
- 0725 「エイジャックス」は距離8500mで魚雷4本を発射「グラーフ・シュペー」は魚雷を回避
- 0730 「エクゼター」、浸水のため動力を失う 後部砲塔使用不能
- 0740 「エクゼター」、時速10ノットでフォークランド諸島へ向かう。「エイジャックス」「アキリーズ」は煙幕を展張し東方へ反転。ハーウッド准将は昼戦の継続を断念。「グラーフ・シュペー」も時速25ノットで戦場を離脱。ハーウッド准将は戦場離脱を中止し「エイジャックス」「アキリーズ」で「グラーフ・シュペー」の25km後方からを追跡。「グラーフ・シュペー」はイギリス艦隊に砲撃を加えるが被害無し
- 12月14日0500 「グラーフ・シュペー」はウルグアイ(中立国)の首都モンテビデオに入港。ウルグアイ政府は「グラーフ・シュペー」の損害を調査し、72時間の寄港を認める。ハーウッド准将は「エイジャックス」「アキリーズ」でラプラタ川を封鎖。フォークランドにいた重巡「カンバーランド」を呼び寄せた。イギリス軍は巡洋戦艦「レナウン」、空母「アークロイヤル」が集結中との偽情報を流す。「グラーフ・シュペー」砲術長は港外に「レナウン」を発見(誤認)。「グラーフ・シュペー」は戦闘要員約700名はドイツ油槽船「タコマ」に移乗 負傷者は病院に収容
- 12月17日1800 「グラーフ・シュペー」は「タコマ」とモンテビデオを出港。公海上でラングスドルフ大佐以下の乗員(航海科・機関科の約150名)は脱出し、アルゼンチン海軍海防艦「ベルタッド」に救助され、ブエノスアイレスに連行される
- 1928 「グラーフ・シュペー」は艦内に仕掛けた爆薬の爆発で沈没擱座浅海のため上甲板は海上に浮かんでいた「タコマ」はウルグアイの練習巡洋艦「ウルグアイ」に抑留される
- 12月20日 ラングスドルフ大佐、ピストル自殺
タラント空襲
1940(昭和15)年11月11日
イギリス海軍、空母「イラアストリアス」艦載機・ソードフィッシュ21機がイタリア海軍の基地タラント軍港を空襲した戦い
リスター少将が具体的なプランを立案
訓練中、空母「イラストリアス」の格納庫でスパークによる火災が発生、7機が破損
空母「イーグル」も攻撃に参加させ、30機で攻撃を行う計画であったが、以前受けた至近弾によってガソリンタンクに亀裂が生じ、参加を断念
「イーグル」搭載のソードフィッシュ5機、搭乗員8名を「イラストリアス」に移している
当初、10月21日夜に攻撃を行う計画だったが攻撃実施日は10月30日、11月11日と2度延期された
カニンガム中将麾下の東部地中海艦隊はアレキサンドリアを出撃
イギリス軍兵力 戦艦「ウォースパイト」(旗艦)、「バーラム」 空母「イラストリアス」 巡洋艦「バーウィック」「グラスゴー」 駆逐艦 他
1800 リスター少将、作戦発動 作戦名「Operation Judgement」
イタリア海軍の損害は 沈没、戦艦「コンテ・デ・カブール」 大破、戦艦「リットリオ」「カイオ・デュリオ」 爆弾命中(不発)、重巡「トレント」 駆逐艦「リベッチオ」
タラント在泊の残存艦艇はナポリへ退避
作戦牽制のためカニンガムがアドリア海に分派したイギリス軽巡「エイジャックス」「オライオン」「シドニー」はオトラント海峡で水雷艇と仮装巡洋艦に護衛されたイタリア船団4隻と遭遇
護衛艦を追い払い4隻(計1万7000トン)を撃沈
ターラント空襲
新規作成日:2002年2月26日/最終更新日:2002年2月26日