ボリビアのトトラボート

浜名湖花博会場内の国際庭園にある「ボリビア庭園」の帆船。

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帆船は「トトラボート」と呼ばれ、チチカカ湖に生えているトトラ(葦のなかま)を使って作られている。

トトラボートは、10〜12世紀くらいからチチカカ湖周辺で生活する住民によって作られ、町から町への移動や運搬、釣りなど、日常生活の一部として、現在も使われている。
形状はシンプルで、会場内に展示したボートのような装飾部分はなく、帆はあっても1枚だけだ。
大きさは、大きいものでも長さ約4メートル、幅1.2メートル程度。
ボートはチチカカ湖ではだいたい12〜18ヶ月間使用可能という。

会場内に展示したトトラボートに装飾が施されている理由
以前、デンマーク人のThorという人が、「アメリカ大陸にスペイン人が上陸する前に別の民族が上陸していた」という説をうちたて、先に上陸していた民族は
1.デンマーク人(バイキング)
2.アジア人
の2説を挙げた。
Kittin Muniozというスペイン人を中心に、20年程前からこの2説の検証が行われている。
その際、検証に使われたボートがこのトトラボートであった。
それというのもアジアにも似たようなスタイルの船が見られるからである。
そのボートの船首に、1度目はプーマ、2度目はコンドルの顔がついていて、1度目はペルーの海を南から北へ、2度目はタヒチからペルーへと様々なルートで行われ、計4度の航海が試みられたが、海水のためボートは1ヶ月で使用不可能になった。
この4度の航海に使われたトトラボートを製作した、製作者Paulino Estebanの一家はボリビアでも有名で、今回は浜名湖花博で展示するために製作している。
会場内のものにも同じようにコンドルの顔がついているが、この航海に実際に使われた船は長さ20メートル、幅6メートルの巨大なもので、帆も何枚もあったとのことだ。

ちなみに、ボリビアではコンドルは「夢と希望」を意味し、帆の模様は、ティワナコ文明に特徴的な左右対称の幾何学模様を模したもの。


財団法人 静岡国際園芸博覧会協会
浜名湖花博 インフォーメーションセンター
〒431-1207 浜松市村櫛町5342-1


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新規作成日:2004年7月10日/最終更新日:2004年7月10日