船舶用電気機器の種類と概要
船舶用電気機器の種類
- 主機:(推進動力のこと)
- 補機:(主機以外の全ての動力)
巻上げ機類、ウインチ、キャプスタン、揚艇機、揚炭機、エレベーター、起重機、ホイスト
ポンプ類、復水機用、ボイラ給水用、消防用、清水用、海水(雑水用)用、注排水用、バラスト用、浸水汲水用、燃料油用、潤滑油用
送風機類、船室・船倉・機関室・ボイラ送風機、船内空気交換、扇風機
かじ取り機
圧縮機、冷凍用
発電機
- 照明 船内灯火、舷燈、信号灯、サーチライト
- 電子機器類 ジャイロ、レーダー、無線通信機、自動制御リモコンモーター、コンピューター、ビデオTV(船首尾、入出港用)
船舶用として特に必要な事項
- 耐湿性
陸上よりも 湿気、水滴、塩分が多い。
- 耐熱性
周囲温度が高いところが多い。
- 耐振性
振動が多い。
- 高信頼性、永続性
保守が簡単で信頼度が高く、長時日の連続航海に対して永続性が必要。
補機は連続使用が少ないから30分定格が普通
船舶用電源としての交流直流の優劣
- 交流の長所
高電圧化。容量が同じなら容積、重量を小さく出来る。大出力が有利。
陸上のものと同一の機器が使える。価格が安価、修理交換が有利。
変圧器を使用し容易に電圧を変えられる。機器を高圧、電燈を低圧にできる。
整流子が不要。火花が出がない。構造が簡単で防爆。
ブラシがないので火花による高周波がなく、通信機に雑音が出ない。
停泊中、陸上よりの交流受電可。
漏電しても、電解作用が少なく、船体腐食の原因とならない。
照明に蛍光灯が使用できる。
- 直流の長所
並行運転が容易。
取扱が容易。
配線が簡単(三相交流は、単相負荷の平均が面倒)。
速度制御がスムーズに行える。
発電機の電圧変動率が少。
電動機の発電制動、回生制動が優る。
(交流はM起動時に他の電気機器に悪影響を与える)
- 以上により、発電、船内電源は交流、動力用は直流が一般的。
原動機→AC-G→→船内電源(灯火等)
→整流→DC-M
-
DC 230V, 115V
AC 60Hz, 230V, 440V
電気推進方式
通常 動力源==変速装置==スクリュー
電気推進 動力源==発電機−−電動機==スクリュー
配電方式
- 環式
艦艇や大型船舶などに限られる。
.
- 枝式
.
潜水艦動力方式
.
水上航行中
クラッチを接続し、推進軸を駆動すると共に、発電機により発電、充電する。
.
水中(潜航中)
ディーゼル機関を停止、クラッチを開放し、バッテリーの電力により電動機で推進軸を駆動する。
.
凡例
G/E: 発電機
G: 発電機
M: 電動機
AC: 交流
DC: 直流
新規作成日:2006年6月3日/最終更新日:2006年6月3日