Jpn 船舶消火、油防除 MSA



本項は 「海上保安庁パーフェクトガイド」掲載用として整理したものをもとに掲載しており、更新なき場合、2005年3月のデータにもとずいています。
また、掲載出版内容と異なる部分も多々あります。
新規作成日:2005年5月7日以前を最終更新日としているものは、準備資料のまま内容の更新がないことを示しています。


船舶の災害、とりわけ、大型タンカーや石油コンビナートの災害においては、大量の油流出による、海洋汚染などの損害は、大きいものである。

海上保安庁では、船舶火災に備えて、消防船FL01「ひりゆう」型、消防艇FM01「よど」型などの消防船艇や、巡視艇PC51「よど」型などの消防能力強化型巡視艇などに加えて、各巡視船艇にも消火能力を持たせている。

また、油流出災害に対しては、油防除艇OR01「しらさぎ」型、オイルフェンス展張艇OX01「M101」型により、オイルフェンスが展張され、油流出の拡大が防止し、油防除艇OR01「しらさぎ」型や、油回収艇OS01「つるみ」型により、流出油を回収するとともに、油回収装置を格納したコンテナを海上防災基地などに配備することにより、災害発生時に巡視船に搭載、展張して、油回収を行う体制をとっている。

加えて、PM89「たかとり」型などのように、消防能力や、オイルフェンス展張、油回収能力をもあわせもつ、災害対応型の巡視船も配備されている。

大量の油が流出した場合、出動可能な巡視船艇航空機より、油処理剤が散布されるとともに、巡視船艇より油回収マットの散布による、油回収も行われる。

また、こういった災害に対するノウハウを集積した機動防除隊が展開することにより、迅速な対応を可能としている。

これらの事態に対しては、海上保安庁の総力を挙げても、対応には限界があるため、専門の組織である、海上災害防止センターや、近隣消防組織との連携も、欠かすことはではない。

そしてまた、広義には、災害が起こらない体制の構築、損傷しても油流出が起きないダブルハルタンカー化、初期対応能力を持った現場乗組員の育成、衝突事故等の起こらない海上交通安全体制の構築、海難を回避しうる気象情報の伝達など、直接的な災害対策のみならず、広く海上の安全のための取り組みが必要である。

尚、油処理には、人力によるもの、油回収機器によるもの、薬剤を使用するもの、油吸着剤によるもの、回収ネットによるものがある。




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新規作成日:2005年5月7日/最終更新日:2004年12月16日