海上保安大学校

本項は 「海上保安庁パーフェクトガイド」掲載用として整理したものをもとに掲載しており、更新なき場合、2005年3月のデータにもとずいています。
また、掲載出版内容と異なる部分も多々あります。
新規作成日:2005年5月7日以前を最終更新日としているものは、準備資料のまま内容の更新がないことを示しています。


海上保安大学校

海上保安大学校は、「海上保安庁の幹部職員に必要な学術及び技能を教授し、心身の錬成を図るとともに、これらについて研究する」ことを目的とした教育機関として、昭和26年に設置された。
当初、深川越中島の仮校舎で開校したが、翌年、呉に移転している。
大学校の名称を使用してはいるが、文部科学省所管の大学ではなく「大学校」の名称としている。
従来は海上保安庁の中での幹部養成機関であり、学校関連法規による大学校ではなかったが、近年、本科卒業生には一般大学と同様の資格が付与されるようになっている。
近年の海上保安業務は、複雑・多様化、国際化、かつ高度情報化が一段と進展し、幹部職員には、従来にもまして、幅広い知識と技能が要求されており、これらに的確に対応できる人材を育成するために、教育理念として、「人格の陶冶とリーダーシップの涵養」、「高い教養と見識の修得」、「強靭な気力・体力の育成」の3点に重点をおいた教育訓練を実施している。
現在、本科、専攻科、特修科、研修科がおかれている。
定員は、本科は1学年45名、専攻科は45名、特修科は30名である。
本科は一般学生を対象としたもので、本科卒業後は専攻科に進学し、約3ヶ月の巡視船PL21「こじま」による遠洋航海実習などにより、実務に必要な知識技能を修得し、三等海上保安正として現場に配置される。

特修科は、既に海上保安官となっているものが、部内試験により進学し、特修科卒業後は、将来の幹部海上保安官として現場に配置される。
研修科では、高度化、国際化する業務に対応するため、潜水技術や外国語(ロシア語、中国語、韓国語など)などの、高度な研修を実施している。


教育期間は本科4年、専攻科6カ月の合計4年6カ月。
本科の教育課程は「基礎教育科目」、「専門基礎科目」、「専門教育科目」、「訓練科目」、「実習科目」から編成されている。
「基礎教育科目」は本科1年次と2年次で、「専門基礎科目」は4年間を通じて、「専門教育科目」は2年次から学ぶ。
現在、本科のカリキュラムは、「大学設置基準」に準じており、平成4年3月卒業生以降、本科卒業者に対し大学評価・学位授与機構から、学士(海上保安)の学位が授与されているほか、本科の卒業者は、大学院の入学資格が付与されている。
専攻科においては、各専門科目、遠洋航海実習及び海上保安業務に関する実務教育が実施される。

本科学生は、海上保安庁職員(国家公務員)となり、毎月138,800円 (平成15年11月1日現在)の給与が支給されるほか、6・12月には、期末手当、いわゆるボーナスが支給される。
また、国家公務員共済組合員として医療制度、年金制度等の保障が受けられる。
入学金、授業料、学生寮費等は不要で、制服、寝具等は貸与されるが、教科書代、食費などは自己負担である。

全寮制で、学生は全員、学生寮(三ツ石寮・麗女寮)に起居し、班を編成して規律ある団体生活を送る。

卒業後の進路
海上保安大学校本科を卒業し、専攻科を修了すると、初級幹部として巡視船等に乗り組み、海難救助、海上環境の保全、海上にお ける犯罪の予防、海上交通の安全の確保等の海上保安業務に従事する。
その後、本庁・管区本部等の陸上勤務となり、海上保安行政の 企画・立案あるいは各省庁等との協議・調整等の職務に従事する。
以後、海上勤務、陸上勤務を経験しながら、海上保安官として のキャリアを身につけ、管区海上保安本部、保安部及び大型巡視船などの長として、海上保安行政を担ってゆく。

[以下の文章は紙面都合で順次省略可]


日課表
06:30 起床(整列・体操・掃除)
07:10 朝食
08:20 課業整列
08:40〜11:55 授業(午前)
12:00 昼食
13:00〜17:00 授業(午後)・サークル活動
17:00 夕食・入浴・外出許可
19:00〜22:15 自習時間
22:15 帰校門限
22:30 消灯

取得する資格(本科)
◆学士(海上保安) ◆大学院入学資格 ◆司法試験第一次試験免除 ◆一級小型船舶操縦士などのほか、技能に応じて次のいずれかの資格を取得する。
・第一群(航海) 三級海技士(航海)(筆記試験免除)
・第二群(機関)  三級海技士(機関・内燃限定)(筆記試験免除)
・第三群(通信)  第一級海上無線通信士(無線工学の基礎、電気通信術、英語免除)、第一級陸上無線技術士(無線工学の基礎免除)、航空無線通信士


[写真は数点]

正門
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本館
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先代の練習船PL21「こじま」のスクリュー

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50年記念碑
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総合実習棟
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図書館
一般にも開放されている。
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講堂・体育館

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学生寮(三石寮)
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学生寮(麗女寮)
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海上保安大学校 スクールバス
海上保安大学校学生の団体移動などに利用される。全寮性のため、通学用に使用されるわけではない。
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新規作成日:2005年5月7日/最終更新日:2005年4月12日