Jpn 護衛艦 DDH141 はるな 型 JpnE



ヘリ空母を押さえて建造された海上自衛隊初の対潜作戦の中枢艦
護衛艦 DDH141 はるな (DDH141はるな型)
我が国初のヘリコプター搭載護衛艦。大型ヘリコプター(HSS-2/SH3)3機を搭載する艦艇は、世界でも珍しい存在。
対戦作戦を中心と考える我が国にとって、広範囲をカバーする洋上航空機部隊の配備は念願であったが、空母に対する内外の情勢から、世界的にも珍しいヘリコプター母艦となった。
計画当初、護衛艦隊でのヘリの運用をめぐり、ヘリ空母の案も有ったが、1つの部隊でのヘリコプターの所要数は6機(作戦機4機、バックアップ2機)とされ、被害分散の見地から、2隻でこの所要数を満たす方式が取られた。当時は、ヘリ搭載艦2隻、対潜護衛艦5隻、対空誘導弾搭載護衛艦1隻をもって、1個護衛隊群を構成される計画で、「はるな」型「しらね」型の計4隻により、2個護衛隊群の近代化が達成された。この後、ヘリの機数は6機では不足とされ、8機を所要数とし、対潜護衛艦にもヘリ各1機を搭載して汎用化し、8隻8機をもって1個護衛隊群を構成する、いわゆる八八艦隊計画へと移行されていった。
本艦設計当初、フランスのヘリコプター母艦「ジャンヌ・ダルク」や、カナダの駆逐艦を参考にしたとされるが、艦型と言うより、その運用と装備に付いての事と思われる。
本型では、各船室、装備、その他必要なスペースを積み上げて設計する、スペースベースにより設計された為、それ以前の艦より、格段に余裕のある艦内配置となっている。
従来の艦では、まず艦の大きさが定められ、それを必要な部分に割り振る方式が取られていた。
大型の格納庫にヘリを3機格納する都合から、狭い艦内容積をやりくりする都合で、煙突は、艦の中心線上より、やや左舷よりに配置されている。
煙突の排気管が、「しらね」゛は2本の筒としているのに対し、「ひえい」では、「たかつき」型のようになっているのが、識別点である。
5インチ砲を艦首に2基、背負式に搭載している艦は、今日では珍しく、威容を誇っている。
ヘリコプターの発着艦を安定させる為、船体の横揺れ(ローリング)防止の為、ビルジキールと共に、フィンスタビライザーを設け、着艦、格納を迅速に行う為、ベアトラップ(着艦拘束装置)も装備されている。ベアトラップは、旧輸送艦「しれとこ」で装備試験を実施した上で採用されている。
「はるな」「ひえい」ともに艦齢途中において、FRAM近代改装が実施され、機器増設などの為、艦橋が巨大化した。海上自衛隊の艦艇で、このように、外見を大幅に変更する改造工事は極めて珍しい。この改装で、CIWS(Closed In Weapon System)や、短SAM(シースパロー)など、近接対空能力も飛躍的に強化されている。
この時、リンク11、リンク14など、西側最先端の、戦術データ交換システムを、搭載している。
現在、いわゆる八八艦隊の旗艦として、「しらね」型と共に各護衛隊群に1隻づつ配属されている。
代替艦がどうかなるかが、注目されるところである。
「はるな」は、1999年3月の日本海での不審船追跡において、5インチ砲による威嚇射撃などを行った。
また、2002年2月11日-2002.8.7インド洋派遣部隊の第三陣として「さわかぜ」「ときわ」の3隻で、インド洋に派遣された。
「ひえい」は、2001年5月16日〜8月3日「ちょうかい」「さみだれ」P3C 5機などと共に、派米訓練を行っている。
「ひえい」は、2002.9.7インド洋派遣部隊として派遣されている。
艦名の「はるな」は、群馬県の「榛名山」に因んで命名されているが、二番艦「ひえい」の「比叡山」と同様、言うまでもなく、連合艦隊の高速戦艦の艦名であり、話題を呼んだ。護衛艦への山岳の名称の命名は、本型が初めてである。
DDH とは Helicopter Destroyer の略号。

同型艦
護衛艦 DDH141 はるな 昭和48年2月22日 第3護衛隊群 直轄 舞鶴 三菱長崎 S43
護衛艦 DDH142 ひえい 昭和49年11月27日 第4護衛隊群 直轄 呉 石播東京 S45

基準排水量:4950t / 満載排水量:6500t
主要寸法 全長153m×幅17.5m×深さ11.0m×喫水5.2m
主機:蒸気タービン2基2軸, 出力:70000PS, 速力:約31kt
船型:長船首楼型, 乗員:約370名
主要装備:  5インチ54口径単装速射砲:2基
 高性能20mm多銃身機関砲(CIWS):2基
 短SAM シースパロー8連装発射機:1基
 アスロック(ASROC)8連装発射機:1基
 3連装短魚雷発射管:2基, 哨戒ヘリコプター:3機
電子装備:  OPS-20 航海レーダー
 OPS-28C 対水上レーダー
 OPS-11C 対空レーダー
 FCS-1 射撃指揮装置1型
 FCS-2 射撃指揮装置2型12(SAM管制用)
 NOLQ-1 電子戦装置(ESM/ECM)
 ORN-6C TACAN
 OE-82C 衛星通信アンテナ
 スーパーバード衛星通信アンテナ
 インマルサット衛星通信アンテナ


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DDH142 ひえい(97.10.22事前訓練)




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新規作成日:2001年11月27日/最終更新日:2003年1月23日