海上自衛隊 速力信号

2ちゃんねるで話題になっているようなので、図の掲載はちょっとはずしておきます。

以下の本に掲載されているので、そちらをご参照ください。(^_^)

海上自衛隊パーフェクトガイド. 海上自衛隊パーフェクトガイド2002. 海上自衛隊パーフェクトガイド2005.


艦艇速力表示
通称速力マークと呼ばれ、海上自衛隊では、艦隊運動時などにおいて、各艦の速力表示に使用している。
速力信号標により、基本速力が示され、回転信号標(赤黒)により、プラスマイナスの微調整が行われ、細かい速力表示が行われる。
尚、この速力表示は、その時点のスピードを現すものではなく、艦の意志として速力をこの表示値に設定した事を示すので、加減速時などは、実際の速力とは異なる。
また、速力信号標では、表示位置により「原速」「強速」などの呼び方は同じだが、速力は、艦の大きさなどにより異なる。(同じ原速でも、輸送艦、掃海艇などは10ktなど)
また、後進の場合は、かご状の網を、下側に下げる。
観艦式や体験航海などでは、艦橋の指示で信号員が忙しく駆け回って表示をしている姿が見られる。
夜間には、速力信号灯を用いる。

この速力表示方法を用いているのは、旧日本海軍と海上自衛隊のみで、他の海軍では使用されていない。
旗艦からの速力指示は、無線などの他の通信手段を用いても良いが、無線封鎖時の問題もあり、何より、指示が正しく認識されているか、常時、相互に確認できるメリットがある。

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DDG174 きりしま 速力信号標
艦首側より撮影。
右舷のPの小旗が、回転信号標「黒」。 左舷のRの小旗が、回転信号標「赤」。

速力信号標 / 通称速力マーク

速力信号標は、網でできたかご状のもので、艦橋後部で手作業で表示される。左右両舷に各1個備えられており、ヤードから張られたロープにより、空中へ掲揚される。その高さの組み合わせにより、下図のようなパターンを構成し、速力を表示する。


回転信号標 / 通称赤黒

実際の速力表示では、更に、回転信号標(赤黒)も使われる。回転信号標(赤黒)も、同じ位置の別の索に設けられている。左舷に赤小旗、右舷に黒小旗、各2枚用意されている。回転信号標(赤黒)では、回転数を 赤小旗はマイナス、黒小旗はプラスで現し、10回転=1ktの調整になる。回転信号標(赤黒)の指示は、赤5、赤10、赤15、赤20、赤25、赤30、赤35、赤40、黒5、黒10、黒15、黒20、黒25、黒30、黒35、黒40、などの組み合わせがあり、プロペラの回転数を示している。速力信号標の、基本速力とあわせて、0.5ktごとの表示が可能となっている。
それぞれ、30を超えると、速力信号標の指示と重複するが、これは、こまめな微調整をしやすくする意味もある。
また、速力信号は、艦長の裁量権だが、回転信号は、航海長に裁量権が委ねられている。


速力信号灯

速力信号灯は、赤と青の灯火で、艦橋のスイッチで表示される。ヤード左右両舷に各1個備えられている。その色と点滅の組み合わせにより、下のようなパターンを構成し、速力を表示する。また、青の代わりに赤を使用する場合は後進を表す。

赤 点灯
停止 0kt

青 1回点滅
微速 6kt

青 2回点滅
半速 9kt

青 3回点滅
原速 12kt

青 4回点滅
強速 15kt

青 長点灯+1回点滅
第一戦速 18kt

青 長点灯+2回点滅
第二戦速 21kt

青 長点灯+3回点滅
第三戦速 24kt

青 長点灯+4回点滅
第四戦速 27kt

青 点灯
最大戦速



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新規作成日:2002年2月17日/最終更新日:2003年10月26日