警視庁 機動隊
警視庁機動隊のあゆみ
警視庁機動隊の沿革
戦後の混乱期における集団犯罪、労使紛争等の続発に伴い、これに対処するため機動性をもった集団警備部隊として、昭和23年5月25日、警視庁予備隊が創設されました。
その後、組織機構の改革に伴い幾多の変遷を経たのち、昭和32年4月1日、警視庁機動隊と改称され、第一から第五機動隊が設置されました。
昭和44年、極左暴力集団の武装闘争がェスカレートし、警備に明け暮れる激動の年を迎え、機動隊の充実強化のため、第六から第九機動隊及び特科車両隊の5個隊が新たに設置され、現在の1O個隊体制が確立され平成14年で54周年を迎えました。
任務等
警視庁機動隊は、従来、治安警備、災害警備等を主任務として活動してきましたが、警察を取り巻く社会・治安情勢が著しく変化していることなどから、その任務に国際組織犯罪対策などの都民に身近な治安問題を加え、新た准任務を遂行していくのため多角的運用部隊を編成し、各種犯罪の防圧・検挙活動や交通指導取締り等に積極的に従事しているほか、専門的技能を有す山岳レンジヤー部隊、機動救助部隊、水難救助部隊による救出救助活動や爆発物処理・化学防護部隊による爆発物の処理等、広範囲にわたる首都の治安維持活動にあたっています。
また、国内で大規模な災害が発生した場合に備えて広域緊急援助隊が、国外における地震災害等に対しては、国際緊急援助隊がいつでも出動できる態勢を整えています。
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警視庁機動隊の編成
現在、警視庁には、第一機動隊から第九機動隊、特科車両隊の10隊の機動隊(1個機動隊は大隊編成)が置かれている。
- 分隊 
 隊員7〜8名で1個分隊を編成。
 分隊長は巡査部長。
 暴動に対する時は1個分隊に1丁ガス銃が配備される。ガス銃担当は、撤退のときも最後まで残ることになるので、かなり危険が伴うといわれている。
 
 
- 小隊 
 警備実施時の小隊単位は小隊長+伝令+通信+3個分隊が基本。
 小隊長は警部補。
 1個小隊は23〜25名。通常は1個小隊でバス1台配備。
 行動の基本的な単位となっている。
 
 
- 中隊 
 中隊は3個小隊+中隊長から編成
 中隊長は警部。
 1個中隊は約70名編成。
 
 
- 大隊 
 1個機動隊(大隊)は6個中隊+隊本部 (第一機動隊には、他に特科車両中隊)
 機動隊長は警視。
 1個機動隊の定員は約320名(第一、第六機動隊と特科車両隊は除く)。
 隊本部には、庶務・会計・教務・警備・特務・技術の各係がある。
 会計係は1機と6機のみに存在する。1機は警視庁機動隊の中枢として、6機は六科中の存在(重要事案対策部隊)の性質がある為。
 操車係は、警視庁機動隊については独立した係はなくなった。
 特務係は警備実施の時、事前に私服で現場を踏査(偵察)する隊員で構成されている。
 
 
- 機動隊長 
 警視。
 第一機動隊長だけは警視正があたる。
 第一機動隊長は、大規模な警備実施があるときは、他の機動隊長を指揮下に入れて、複数の部隊指揮を行うこともある。第一機動隊は、通常は主席管理官(警視)が指揮を行う。
 
 
- 機動隊の運用 
 大規模な警備のときは、警視庁(本庁)の警備一課長(警視正)がとる。
 1個機動隊程度が出動するようなときは、各方面本部の指揮下に入る。
 1個中隊程度が出動するときは、各警察署の現地警備本部(本部長は署長か副署長)の指揮下に入る。
 
 
- 常備中隊 
 常設隊は1〜4中隊・武道小隊になっていて、特機(方機)は5・6中隊になっている。
 各機動隊では4個中隊で毎日当番中隊を決めて、4交代制の勤務についている。
 また、1個機動隊が警備出動する事案に備えて、毎日、第一機動隊から特科車両隊まで交代で当番隊を定め、当番隊の機動隊長は夜間でも即応待機になる。
 
 
- 特別機動隊 
 第五中隊から第六中隊までは通称、「特別機動隊」と呼ばれる。
 各警察署から指名された警部補、巡査部長、巡査が、毎月1回の訓練や大規模な警備実施のときに召集されて編成される部隊である。
 ただし、中隊長は専任中隊長で、訓練や実際の警備実施のときの指揮を担当し、通常は、隊員が所属している警察署との連絡事務などを行っている。
 
 
警視庁機動隊の各隊の概要
1機:近衛、旗本
2機:かっぱ
3機:ほこり
4機:鬼
5機:学、精強
6機:潮
7機:若獅子
8機:忍、蜂
9機:若鷹
特車:技術
かつて警視庁のマル機はナンバー順に弱いと言われていた。
- 1機:近衛、旗本
 警視庁儀杖隊は警視庁第一機動隊の隊員で編成されている。儀仗隊はもと近衛兵。
 
 第1機動隊歌
 
 千代田の森の一角に 熱血たぎる若人が
 破邪顕正の意気高く 都民の守り担うなり
 おお我ら第1機動隊
 
 胸に輝く桜花 昇る旭に照り映えて
 健児のひとみ 清らかに 精鋭ここに集いたり
 おお我ら第1機動隊
 
 千代田の濠に影映す 歩武堂々の足並みは
 都民の期待双肩に 治安の使命果たさなん
 おお我ら第1機動隊
 
 
- 2機:かっぱ
 墨田区荒川の近くに隊本部があるせいか2機にはボ−ト部がある。
 日本の警察で最初にアクアラング小隊(水難救助隊)ができた。
 浅間山荘事件のときは隊長の内田警視が殉職している(殉職後、警視長に昇任)。当時、機動隊の指揮官はヘルメットに目立つ指揮官章を付けていたので犯人に狙われてしまったらしく、以後、機動隊ではヘルメットの目立つ指揮官章は外している。
 
 
- 3機:ほこり
 隊本部が渋谷の近くの駒場にあり、都内の大きな事件ではよく目にする。
 ほこりのニックネ−ムは、隊本部が砂埃がよくたつので、誇りの字にひっかけたもの。
 3機にはラグビーチームがあるが、関東社会人1部まであともう少しらしい。
 
 
- 4機:鬼
 10年くらい前に市ヶ谷から立川の広域防災基地に移設。
 学生運動が盛んな頃は精強を誇っていたので、このニックネ−ムがついた。
 日本ダービーのとき東京競馬場を警備している。
 現在は警視庁航空隊多摩飛行センターに隣接しているので、ヘリによる緊急展開が素早く行なえる。
 自衛隊の立川駐屯地に隣接しているため、土地が広く、充実した施設がある。このため、4機にもSATができるという噂がある。テレビニュースで、テロリストが建造物に籠城したときのためのSATの施設がここにできるといっていた。
 フェンシングの日本オリンピック代表チームの監督は4機所属。4機のフェンシングチームはかなり強い(全国レベルの選手が多い)。
 
 
- 5機:学、精強
 昇任試験の合格率が高いらしい。
 4機と同様に学生運動の鎮圧に出動したことが多かった。
 特車隊と一緒に市ヶ谷に駐屯。
 サッカ−部があるようだが、強いという話はきかない。
 
 
- 6機:潮
 東京城南地区・羽田空港の護り手。
 SATも配備されている。
 羽田空港によくいる(空港警備の機動隊としては、千葉県警新東京国際空港警備隊、大阪府警第3機動隊などがある)。
 空港の大規模警備実施のときは、他に3機と特車隊が交代で応援にくる。
 オウム事件のとき、小銃が密造容疑の「清流精舎」捜索には必ず6機が警備についていた。教祖を逮捕するとき、最初にサティアンの中に入っていった機動隊も6機。おそらくそのときはSATも同行していたと思われる。
 レスリング部がある。
 
 
- 7機:若獅子  多摩の護り手。レンジャー小隊が置かれていた。よく青梅警察署の山岳救助隊と一緒に山岳救助合同訓練を行なっていた。レンジャー小隊は浅間山荘事件のときも出動したという。
 昭和44年1月10日に第1機動隊1個中隊を基幹とする、計2個中隊から構成される第7機動隊が新設された(第6機動隊も同日)。
 初代隊長は池田勉警視、時に僅か27歳。この年齢で警視という事は、勿論上級職採用者である。と言う事で、初代隊長の若さをイメージさせる「若獅子」をシンボルマークとしたという。
 バスケ部がある。
 
 
- 8機:忍、蜂
 副都心の護り手。
 ※昭和62年三宅島NLP騒動
 三宅島に米軍の夜間発着場を建設するため、防衛施設庁の職員らが調査や測量に行ったが、この護衛として8機が同行した。しかし反対派の住民に押し戻されてしまう。
 怒った8機は、今度は出動服姿に大楯装備の完全装備で住民を鎮圧しようとしたが、その日は気温が30度近く、完全装備の8機の隊員は次々と熱射病で倒れていった。それを見て、反対派の住民はかわいそうになり、水をやったりして助けたという。
 結局、この騒動は、その後応援派遣された4機によって鎮圧された。
 相撲部がある。
 
 
- 9機:若鷹
 隊本部は江東区。
 浅間山荘事件では、隊長を失った2機に変わって最後に犯人グループを取り押さえた。
 海の近くに隊本部があるため、2機のように水難救助部隊がある。9機の水難救助部隊の水陸両用車は、4輪駆動車にスクリューが装備されている。水上を走るときは小型船舶の運転免許が必要。
 アメリカンフットボール部がある。愛称の「イーグルス」から考えると、ニックネームは「若鷲」かも。9機のアメフト部のタックルはすごく強い。相手チームのクオーターバックから恐れられているという。
 
 
- 特車:技術
 徒歩機動の機動隊を装甲車や放水車などで援護するために、特科車輌中隊として発足。機動隊の機甲部隊と呼ばれた時代もあった。
 浅間山荘事件のときは、放水車などで2機や9機を援護したが、中隊長を犯人による狙撃で失っている。その後、1個大隊に拡張されました。
 特科車輌の装備数は他の機動隊より多い。ただ、最近は他の機動隊と同じように重防警備などについたり、徒歩による雑踏警備もやっている。他の機動隊とどこが違うのか? 特科車輌は他の機動隊も装備しているので、現在ではほとんど名前だけのようだ。1個小隊あたりの定員は他の機動隊より若干少ない。
 バレーボール部がある。
 
主な車輌
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指揮官車、投光車、輸送車、待機車、放水車、など、機動隊の主力をなす車輌です。(写真は、一部、警視庁以外の同型車輌を含む)
しかし、現在の機動隊の任務は多岐に渡り、これ以外にも、数多くの種類を装備しています。
⇒ 警察車両(特殊車両/警備) 
⇒ 警察車両(特殊車両/災害対策) 
出動の歌
[1]
熱血に 誓いも固き
四千の 希望は踊る
雪白の 輸送車こそは
警視庁 鎮めの先駆
おお
都路の 治安の華ぞ
ああ
正義 われら機動隊
[3]
ふしぎなる えにしの糸に
結ばれて 友と相呼び
共に練り 友に学びて
永遠の 真理求むる
おお
くろがねの 契りも固き
ああ
光り われら機動隊
警察関連
警察の機動隊
 

新規作成日:2002年5月21日/最終更新日:2002年5月21日