ケーブル船

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KDD丸 1975頃 横浜港 山下埠頭

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KDDオーシャンリンク 1994.3.12 横浜港 大桟橋

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KDDパシフィックリンク

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すばる 2007.2.25 長崎港

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NTT-WE すばる

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黒潮丸
2001.9.10 長崎

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光進丸 2002.3.25 門司

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Maersk Recorder 2001.2 横浜港 山下埠頭

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WAVE VENTURE 2007.9.17 横浜港 本牧沖

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ケーブル敷設船 CS Global Sentinel 2023.3.22 横浜港/瑞穂

ケーブル船は、敷設船とも呼ばれ、海底線を敷設、維持管理する為の、特殊な船舶です。
衛星通信が発達しましたが、IT時代を迎え、益々の通信線需要が有り、世界中で活躍しています。
最近では、工事需要に応える為、他の船種より改造され敷設専門の船舶として活躍している船も有ります。
敷設する線は、古くは電線でしたが、現在では光通信ケーブルとなっています。
敷設方式も、昔は海底に置くだけで這わせる方式でしたが、昭和45年4月に実験後、昭和46年9月以降、現在では埋設する方式となっています。
水深1,500mまでの海底には、漁業などによる障害を防ぐために、曳航式埋設機を使って、海底に1〜3mの溝を掘り、敷設と同時にケーブルを埋設します。
曳航式埋設機を使えない場合や、ケーブル障害を修理した後に再埋設する場合には、海底を自走あるいは浮遊するロボットを使います。これらのロボットはケーブルを1〜1.5mの深さに埋設します。

ケーブル船の構造は、船首や船尾にケーブルシーブ(滑車)を備え、船内に大きなケーブルタンクを持っています。
ケーブルは、ケーブルタンクより引き出され、ケーブルエンジンと呼ばれる装置により繰り出され、ケーブルシーブ(滑車)により海底に送られます。


KDDIオーシャンリンク
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船首
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船橋
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CCR ケーブルコントロールルーム
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船尾
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ブイ
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潜水ロボット
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船首ケーブルドラム
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船尾ケーブルエンジン
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敷設方法
1) ケーブル陸揚げ
沖合から海岸に向け、ケーブル陸揚げを行います。このとき、ケーブルは損傷を防ぐためにバルンブイで海中に浮かせた後に、ブイから切り離して海底に沈めます。
大型ケーブル船が浅海部で作業できないので、陸揚側からのケーブルをブイに付けて本船側のケーブルとつなぐという工法をとる場合があります。日本国内では陸揚側からほとんど埋設するようにしています。埋設できない底質の場合は鋳鉄管と呼ばれる鋳物と鉄の中間のものを使いパイプのようにして防護します。
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2) ケーブル敷設
続いて沖合に向け、ケーブルを敷設します。
ケーブルオーナーによって埋設する深度を指定され、深海部では埋設しません。現在では1000mまで埋設するようオーダーがあることもあります。その他は無外装ケーブルをそのまま海底に垂らします。
尚、ケーブルはケーブルエンジンによって繰り出す方式であり、海底を引きずってケーブルタンクから引き出されるものではない。
また、従来は船首のケーブルシーブが基本であったが、最近では、船尾のケーブルシープが主流になりつつある。
尚、搭載するケーブルだけで海を渡らせることはできないので、何度か洋上で繋ぎながらの作業となります。
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3) 接続
「1) ケーブル陸揚げ」と同様の方法で、あらかじめ敷設をすませた陸揚局側浅海部分のケーブルの端と接続します。
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4) 埋設
最終接続を終わらせ、ケーブルを海底に沈めます。
作業途上のケーブル長さの都合(単純な話、船上で接続作業をする場合、海底から船上まで、両側のケーブルで合計数百メートルは有る。)から、本来のケーブルルートから外れてループ状になってしまいますが、その区間は水中ロボットで埋設をすることができます。
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曳航式埋設方法
1) 埋設機降下
ケーブル船を停船させ、Aフレームで、埋設機を船外に吊り下げます。ケーブル、曳航索、フロートの付いたアンビリカルケーブルを繰り出し、埋設機を降下させます。
2) 埋設機着底
さらに、ケーブル、曳航索、アンビリカルケーブルを繰り出して埋設機を海底面 に着底させます。
3) 定常的埋設状態
埋設機着底後は、船を微速で前進させながら、ケーブル、曳航索、アンビリカルケーブルを繰り出し、安定して埋設作業が行われる定常的埋設状態をつくります。
4) 埋設開始
テレビカメラ、前方障害物探知ソナーにより前方を監視しながら、アンビリカルケーブルを通して船上の制御室で遠隔操作し埋設を行います。


埋設機の種類にもよるが、埋設と言っても、基本的に溝に落し込むだけで、自然に埋まるのを待ちます。
昭和30年代にはすでに埋設機はありました。


修理方法
1) 探線
障害地点付近の海底ケーブルの切断・保持を行う探線機を降ろし探線します。
敷設方式が現在のような埋設方式となる以前は、想定地点に探線錨を降ろし、微速で海底を引きずって探していました。ケーブルに引っかかれば、錨を引く力が変化すると言う方式でした。
埋設深度が1m程度であれば長爪の錨で探線しています。現在も探線の主流は錨によるものです。水中ロボットの磁気センサーによって埋設されたケーブルの探査も可能です。
2) 引き揚げ
探りあてたケーブルを海中で切り、一方のケーブルの端を船上に引き揚げます。
(このとき、引き揚げたケーブルに障害部があれば、取り除き、修理します。)
ケーブルを海中で切るのは、ケーブル長にさほどの余裕がないため、繋がったまま海上にはき上げることができないためである。
3) 探線
引き揚げたケーブルの先端にブイをつけ、いったん海底に沈め、他方を探線します。
4) 修理
引き揚げた他方のケーブルから障害部を取り除いた後に、予備ケーブルを接続し、ブイに向かって敷設します。
5) 接続、埋設
ブイのついたケーブルを再び引き揚げ、予備のケーブルと接続します。両陸揚局間での試験完了後、海底に沈めます。


水中ロボットによる修理方法
1) 水中ロボット降下〜探査
障害点付近に停船したケーブル船から、水中ロボット(ROV)を降下させ、水中カメラ、ケーブルファインダを使って、ケーブル障害点を発見します。
2) 掘出〜切断〜引き揚げ
掘り出したケーブルの障害点をカッターで切断し、一方のケーブル端にグリッパを取り付けます。 次に、船上から降ろしたロープを、マニピュレータを使ってグリッパに引っかけて、ケーブルを船上に引き揚げます。このとき、もう一方のケーブル端付近に、目印としてトランスポンダを設置します。
3) 探査〜掘出〜引き揚げ
回収したケーブルにブイをつけて一旦沈め、トランスポンダをたよりにもう一方のケーブル端を探査し、掘出します。その後、2)と同じ手順でケーブル船上に引き揚げ、障害点を除去します。

4) 割入れ修理
ブイをつけて沈めたケーブル端を再び船上に引き揚げ、接続(割入れ修理)した後、海底に沈めます。
5) 再埋設
海底に沈下したケーブルを、ジェットツールを用いて再埋設します。


故障頻度
単純に頻度を予想することはできないのですが、日本国内のケーブルの故障件数は大体年間5,6回程度でしょうか。
底曳き網等によりケーブルが全断されるケースは少なくありません。船舶の錨等で巻き上げられてしまうこともあります。


故障個所の特定方法
故障の際、ケーブル全区間の内のどの辺りか、どうやって分かるのでしょうか。
近年の海底ケーブルのほとんどが光ケーブルになっていますが、外側に電気が流れる導体で包まれています。陸揚局から電圧をかけて抵抗値でおおよその故障区間を特定します。
光中継機が途中にあればその区間までなのか、その先なのかが分かります。


ケーブル船


光ケーブルによる太平洋線の敷設は、1988年 KDD丸による、第3太平洋横断ケーブル(TPC-3:Trans Pacific Cable-3)敷設工事(工事ケーブル長:3,834km)が最初である。
TPC-3そのものは、13,300km(千倉-グアム-ハワイ-米国) 560Mbps

2001年には、日本テレコム、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)、KDDIなど世界44の通信事業者が参加して建設を進めてきた大容量光海底ケーブル「第2アジア・太平洋ケーブルネットワーク(APCN2)」が、運用を開始している。
当初の回線容量は80Gbps(ギガビット、電話回線換算で約96万8000回線)だが、02年中には160ギガビット(同約193万6000回線)に拡張する計画。最新のWDM(光波長多重)技術利用で2.56Tbps(テラビット、電話回線で約3100万回線)まで拡張できるという。


光海底ケーブル
左から、汀〜水深50m、水深50m〜水深1000m、水深1000m〜水深3000m、水深3000m〜水深8000m用。
Dcim5063/DSC_3527. Dcim5063/DSC_3525. Dcim5063/DSC_3526. Dcim5063/DSC_3528.

ケーブル船 情報募集 (2002.1.5)
世界中の海底線敷設の為の船舶について、資料を集めております。
船の種類
名前
国籍、会社名、所属、所在地、定係港
大きさ 寸法、トン数
就役年月
など、ご存知でしたら、教えて下さい。
もちろん、一部でもかまいません。
パンフレットや写真なども、頂けると嬉しいです。
この場合のお返しは、こちらの写真などで。
連絡先
当方へのご連絡は、こちらまで。


参考
KDDIオーシャンリンク



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新規作成日:2002年1月5日/最終更新日:2023年3月23日