デジカメ(D100)RAW



Nikon D100 には、RAWデータによる出力が可能である。
Nikon D100の持つ、最高画質での出力とともに、撮影後において、諸条件の変更が可能なものだ。

が、難点は、
・記録サイズが極端に大きい。通常約9MB、ロスレス圧縮で約4.5MBである。
・それに連動して、メモリ容量を必要とする。
・また、撮影時の記録時間がロスレス圧縮では「分単位」で必要となり、連続撮影に向かない。
バッファ容量分の連写は可能であるが、その枚数分、メモリへの転送時間を必要とする。
・撮影後「現像」処理を必要とする。
・「現像」処理に専用ソフトを必要とする。
・サイズが大きいため、「現像」処理にパソコンの性能が要求される。

ということで、今まで使用してこなかった。
が、各種モードは、試行の要素でもあり、機会を見て確認してゆきたいと思っている。

基本的に、RAWで撮影しても、最終的にJpegにしてしまえば同じようなものではあるが・・・。
1枚のRAWで撮影したもので、各種モードによる変化を確認し、良好な設定条件を通常の撮影時にカメラに設定すればよいわけである。

ただ、RAWの場合は、12bitでの保存となり、Jpeg等の8bitより、階調表現は良くなることがメリットではある。
しかし、実際問題、12bitでも8bitでも、それに応じた出力環境(印刷や表示)がなければ、特に有効とはならない。
また、画質を追求する場合、フィルムとの対比が究極の課題であり、デジタル処理の迅速性を除けば、フィルムに軍配だが、それに応じた出力環境(印刷や表示)がなければ、やはり同じことである。

RAWデータの処理には、専用ソフトが必要である。
デジカメ(D100)付属の「Nikon View」でも、画像の表示や、Jpeg変換出力は可能であるが、RAWデータの特徴である、撮影モードの調整が限定される。

また、デジタルデータである以上、フィルムのような「現像」は必要とはしないのだが、RAWデータの処理によって、Jpeg出力するなどの作業が必要であるため、Nikonでは、便宜上「現像」と呼んでいる。

Nikon View 5 では、
「追加RAW調整」
・露出補正(-2EV 〜 +2EV)
「簡易ホワイトバランス調整」
が可能である。

Nikon Capture 4 では、
「追加RAW調整」
・露出補正(-2EV 〜 +2EV)
・輪郭強調(しない、弱、やや弱、ノーマル、やや強、強)
・階調補正(コントラストLow、ノーマル、コントラストHight、ユーザーカスタム)
・カラー設定(モードT(sRGB)、モードU(Adobe RGB)、モードV(sRGB))
・色合い調整(-9 〜 +9)
・彩度補正(0 〜 +9)
「ホワイトバランス調整」
・色温度設定
・グレー点の設定
などが可能である。

・露出補正(-2EV 〜 +2EV)は、撮影時の状態を0EVとして、擬似的に前後に2EV補正できるものである。
この機能は、撮影結果に対する微調整のほか、撮影現場において、「撮像感度を上げたくない、シャッター速度を稼ぎたい」などという場合に有効で、撮影時点で-2EVの露出補正を掛けても、この機能により、想定値に戻せるのである。

また、RAWデータの場合、撮影時の情報は直接変更されていないので、いつでも何度でも、原版からの修正が可能である。
もっともこれは、原版を別に保管してあれば特にどのように壊しても問題がないことではあるが。

Nikon Capture 4



RAWデータは、画質が最良である反面、データサイズが大きく、為に書き込み時間がかかり、容量を食うことが問題だ。
ただ、いくつかの点を見極めると、撮影しておく価値のあるモードではある。

D100の場合、バッファに約4枚蓄えることが出来、これを超えると撮影すら出来ない。
そして、バッファからメモリへ書き込み中は、モードの切り替えも出来ないし、スイッチを切ると書き込み待ちの残りのデータは消えてしまう。
短時間に多数の写真を写したいという場合には致命的である。
が、撮影条件が限定されている場合や、撮影間隔にゆとりがある場合は、あまり問題がなかろう。

例えば夜景撮影。
三脚を立ててのスローシャッターは、1枚毎の準備時間が大きいため、さほど連写性能は要求されない。
位置決めをしているうちに、十分書き込みが終わってしまう。

何枚も写していても、「おそらくこれが最後の一枚」ということはあるだろう。
このときに、モードをRAWに変えれば、後続の為の問題は基本的に存在しない。
もちろん、直後に予期せぬシャッターチャンスが現れるかもしれないのだが、フィルムでも最後の一枚を写し終わった直後には撮影が出来ないわけで、実質的な差異はなかろう。

連続撮影はするものの、その枚数が数枚程度の場合。
全コマ書き込みに数分かかるのだが、この間に次の撮影を必要としないのであれば、問題はないだろう。

連続撮影はするものの、例えば複数のカメラを使用するなど、1台あたりの短時間連写にはならない場合。
1枚の書き込みに分単位の時間がかかるとしても、1枚づつばらばらに写してゆくなら、合計約4枚のバッファ蓄積は可能であるから、案外継続した撮影は可能だ。
仮に書き込みに60秒かかるとしても、50秒ごとに1枚写すなら、4枚目を写した150秒後時点には、既に、2枚目までの記録は120秒時点で終了しているので、その分の蓄積は可能ということだ。
13枚目を写し終わった600秒後時点でも、既に10枚は書き込みが終わっているから、次の一枚は写せる計算が成り立つ。

ただ、これらの場合、メモリの記憶容量が問題となる。
メモリの記憶容量を超えての撮影は出来ないので、撮りきってしまうと、メモリの交換が必要となり、一旦すべてのバッファ分を書き出す必要があり、継続した撮影が出来ない。
従って、大容量のメモリを使用する必要がある。



注意
掲載写真は(縞状の)色むらが激しい部分が有るが、サイズ縮少により発生しているもので、原版ではこのような事は有りません。

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新規作成日:2003年12月17日/最終更新日:2004年3月10日