北朝鮮潜水艇撃沈 の考察

98.12.18 北朝鮮の小型潜水艇が、韓国南岸領海へ進入し、韓国海軍の捕捉攻撃を受け、公海上で、撃沈された。

たまたま、イラク攻撃の時期と重なり、日本ではうやむやになったようだが、問題を考察してみたい。

最近、北朝鮮は、小型潜水艇を積極的に活用し、韓国への活動を強めている。
日本では、戦争の危険など微塵も感じていないが、朝鮮半島は臨戦態勢である。

私も、なにも公海上で撃沈しなくても、領海退去や、浮上臨検、拿捕、程度で済みそうな気もする。
しかし、それだけ、かの国朝鮮半島は、戦時体制なのである。

なぜ今か。アメリカの神経が、イラクに向いているこの時期を狙ったのだろうか。

さて、実は、我が国にも、非常に大きな問題が含まれている。
今回、公海上で事が終了したから良いが、位地は日本に極めて接近していた。
すなわち、小型潜水艇が、我が領海に接近したらどうするか。 それを、韓国海軍が攻撃継続していたらどうなるか。 国際軍時に疎い我が国としては、非常に問題の多い局面となる。

手順としては、潜航状態なら浮上を要求し、領海退去、戦闘停止を、求めるであろう。
海上保安庁か、海上自衛隊か、警察か、外務省か・・・
受け入れてもらえれば問題はない。しかし、現場では「戦争」を遂行しているのである。 しかも、軍艦と言う特殊な物が国益を代表して動いている。 我が国の主張と食い違う論理で、続行される可能性は強い。
そして、この先、撃沈が我が領海内だった場合や、入港上陸してきた場合、あるいは我が艦船を巻き込んでの交戦となってしまった場合・・・。
現段階では、現場の職員はおろか、日本政府も想定外の局面ではなかろうか。
むしろ、外交問題でオロオロしている方が、安全かもしれないと言う、主権国家として情けない状況が容易に想定される。

また、この時、海上保安庁の航路標識測定船「つしま」が、現場に居合わせ、状況を目撃しているが、この際の通報時間がかかっていると一部ではいわれている。
もちろん、連絡を密にする必要は有るのだが、茶の間で後に色々な情報をもとに報道されている内容を知る我々と違い、現場の一局面しか見えない時、平和な日本で戦闘など思いもよらない日本人として、果たして、かかる事態を想定できうるかを考えると、やむを得ない状況と思われる。
むしろ、世界はかかる危険な状況に有る事を理解させない国内状況(教育を含め)が、潜在的慢性的な問題である。



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新規作成日:1998年12月20日/最終更新日:1998年12月20日