ウォルトディズニーは戦争賛美者?

2009.2.11 mixiのとあるコミュへ、「戦争賛美者のウォルトディズニーが作ったディズニーランドはホントニ夢の国か?」というトピがたった。
戦争は子供をも殺してしまう悲惨なもので、戦争賛美者が作ったディズニーランドは、まやかしだと言う。

コミュの主旨、トピ立てのルールに反することから、トピそのものが削除となったが、幾つか気になる要素は残った。

まずは、ウォルトディズニーは戦争賛美者なのか??
どうも、太平洋戦争中に、映画会社としてのディズニーが国策映画の製作を行った事がそれに当たるようだ。
戦争中の国策映画は、当然のことながら、自国の正当性を主張し、対戦国の戦争行為を否定し、自国の防衛戦争を正当化する。
そしてまた、戦争に勝つために、国家国民の動員を助長する。

同様のことはわが国でも同じで、東宝映画の円谷栄治監督(後にウルトラマンで有名)は、、戦後槍玉に上がった。

したがって、これをして、ウォルトディズニー個人が戦争賛美者と言う論法はいささか早計である。
ウォルトディズニーが戦争賛美し、戦争を好む人物だとか、そういう発言があったとする声も少なくないが、伝聞や噂だけで、実際の発言録などがないと証明にはならない。

mixiでの書きこみの起こりは、とある大学の先生の発言によるものらしいが、太平洋戦争中には、全国の大学が、学徒動員として、戦争に協力している。
その先生の大学が、当時存在していたなら、戦争賛美と言うことになる。
過去を未来永劫引きずるつもりなら、その大学に在籍していることも、忌み嫌われるべきだろう。

戦争賛美者が作ったディズニーランドは、夢の国でもなんでもなく、血に塗られた虚像だと言うなら、日産、トヨタはじめ、諸外国の自動車メーカーも、戦争中は、戦車や戦闘機を作って戦争に加担したわけで、車に乗るのはおかしいと言うことになる。

はたまた、インターネットも、そもそも米軍の通信手段として開発されたもので、それを利用するのはいかがなものか。


戦争と言うものは、人や物を破壊しつくす。
その行為が、無条件に賛美されることはないだろう。
しかし、起きた戦争に対しては、勝たなければなるまい。
(ここで、どちらが先にはじめたかと言う、戦闘行為の後先は目先のことで、経緯も重要である)
勝つためには、国家国民を一丸としなければならない。
それに対して国策映画があるわけだ。

その意味では、戦争に勝つことは必要悪であろう。

それを戦争賛美と言うなら、外敵には無条件に屈するしかない。

戦争は、起きないように努力すべきだが、起きてしまったら、終わらせることも考えなければなるまい。

「痴漢や暴漢に襲われたときに、抵抗すれば相手が怪我をするかもしれないから、無抵抗で」などと考える人はいるだろうか。
戦争とは、そういう要素のものである。




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新規作成日:2009年2月12日/最終更新日:2009年2月12日