港区のエレベータ事故

2006.6港区のエレベータで、乗降中にエレベーターが動き出し、死傷する事故が発生した。
その後の対応を含めて、メーカーであるシンドラー社に対する風当たりが強くなっている。
が、いくつかの問題も指摘される。

エレベーターの保守管理は、シンドラー社以外が行っている。
一般入札などによって、価格の安いところが請け負うのだろう。
既に二回、業者が替っている。毎年入れ替わるのだろう。
それはそれで、価格面ではよいかもしれない。
しかし、作業には品質が求められる。
価格が安くて同じ性能であればよいが、価格も割引、性能も割引では困ってしまう。
価格2割引、性能2割引ならまだしも、価格2割引、性能半額ではお話にならない。
保守管理業者は、メーカーから情報開示がないという。
しかし、メーカーには、直営の保守体制があり、本来ここで対応させたいものだ。
目先の安さを売り物にする業者を、全面的に支援するわけがない。
人の命が懸かっているのにと、メーカーを非難する前に、目先の安さを追及する業者と発注元にも刃が向けられるべきだ。
保守のための詳細情報が必要なら、メーカーに有償で求めればよく、それが対価である。
これを含めた価格が本来であり、必要なコストを削って、入札を取る制度が本来おかしい。

また、自転車に乗ったままエレベーターに乗降するのは安全なのだろうか。
この状態が、事故の原因ではないにしろ、とっさの動きを鈍くした感は否めない。

事故後になってはじめて、以前からの問題を指摘する。
鬼の首を取ったように、かつての事例を羅列する。
ならばなぜ、当初から明確に指摘し、きつく対応させなかったのだろうか。
怠慢な部署があったかもしれない。
しかし、それを許容したということは、その後の結果も許容したのと同じである。
事故後に騒ぐ半分、事前に騒いでいれば、悲しみも起きない。




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新規作成日:2006年6月16日/最終更新日:2006年6月16日