救急患者のたらいまわし

救急患者のたらいまわし、すなわち、119番通報で救急搬送される患者が病院をたらいまわしにされ、治療が遅れ、時によっては命を落とすという問題である。

2007末あたりからクローズアップされているが、実は大昔から問題となっている。

当初は、通報で駆けつけた救急車が病院に搬送し、そこで断られて別の病院へ向かうという、まさに物理的な「たらいまわし」にされていた。
これでは移動に無駄に時間がかかるということで、病院を確保してから搬送するという方式に変わった。
これでたらいまわしはなくなる、、、というのは、図上の事だった。
確かに、移動時間は無駄に使わなくてよくなった。。。

しかし、救急車で乗り付けても、電話で確認しても、対応してもらえない病院の数には代わりがない。
まして昨今では医師不足。
対応可能な病院の数が減ってゆくから、電話段階でのたらいまわしは増えてゆく。

救急対応の病院は指定されているようだが、救急患者がその日に唯一であれば問題ないようだが、時として集中する。
先行する患者があれば、ちょっと待ってとなるのも致し方ない。

ただ、良くわからないのは「ベッドが足りない」という理由。
手術室が使用中、ならまだわかるが。。。
入院することになった場合に病室がない、ということらしい。

しかし、これほどたらいまわしが問題になっていれば、緊急を要する患者を、まず診察、応急措置するのに、入院のベッドのことなんか考えなくてもいいだろう。

救急車としては、一回の搬送で作業を完了したいだろうから、応急措置の後別の病院に搬送する手間は余分かもしれない。
しかし、完全な体制のある病院を探して、その間、患者の容態が待ってくれれば良いが、心停止の患者に二時間もお待ちいただければ、それは病院ではなく、火葬場に連れて行ってあげた方が早い。。。

病院、救急搬送、それぞれの部署で規制法律や職務範囲の壁もあるかもしれない。
しかし、救命救急という観点に立てば、そんなもの、後回しでも良いのではないだろうか。

子供の使いではないのだから、本来の目的を見極め、意味のある体制を構築すべきだろう。


この問題も、なかなか解決しないばかりか、起きるために痛ましい事件として取り上げる。
しかし、具体的解決策は??? 絵空事だ。
根底には医師不足、予算不足による、体制の欠陥がある。
昔は、総合病院一つで解決できていたが、今はそうでもないらしい。
では、緊急時には、それぞれ、できるところを分担すればよいのではなかろうか。
少なくとも「ベッドに空きがない」ところは診察と治療までは行い、その間、ベッドを探せばよい。
最悪、手術台でも、救急車のベッドでもよいだろう。
気分は悪いと思うが、霊安室というお部屋は大概空いている。
ここのベットを使ったら何かまずいのだろうか。
霊安室が満室なら。。。その人がそれまで使っていたベッドは空いているはずだ。
救急医療というのは、まず命を救うことだ。




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新規作成日:2008年1月20日/最終更新日:2008年10月23日