金融機関におけるキャッシュカードの危機管理の認識の程度

キャッシュカードはもはや日常に欠かせない物となっている。
しかし、発生当初はカードや磁気等、特殊な装置がなければ製造不可能であったものが、最近では比較的簡単に複製可能な時代となっている。
これに対して、金融機関の危機意識は皆無に等しい。
あまっさえ、盗用などへの管理責任さえも預金者に押し付けていた。
が、よやく政府もこの甘さに対して、預金者の保護に乗り出した。
すなわち、盗難以外の手法によっても複製可能である以上、金融機関に責任を持たせると言うものである。

が、この期に及んでも、金融機関は認識が甘い。
例えば、暗証番号に、生年月日などを使用した場合は、責任を持たないと言う。
今後あらたに、暗証番号に使用する場合はいいだろう。
が、キャッシュカードが発生した当初は、覚えやすいものとして生年月日を推奨していた。
これに対して反省とお詫び、変更のお願いと言うものがあってしかるべきだろう。
それも、預金を重く思うのであれば、ダイレクトメールなどの横着ではなく、個別に訪問し、説明し、お願いするべきだ。

また、暗証番号は、金融機関サイドにおいて記録されている。
されば、顧客情報から、生年月日、住所、電話番号などの数字から、4桁の番号を生成し、登録暗証番号と合致するものに対して、警告することくらいは可能だろう。
犯人側では、あらゆる知恵をめぐらせて、暗証番号を破ろうと努力する。
これに対して、守るべき金融機関は無頓着だ。
これではお話にならない。
放置すると言うことは、事故に際して、全額補償の対象とすることを暗に承認したものと理解せざるを得ない。
預金者保護の為のコストをケチった損害は、預金者が負うべきものではなく、金融機関が負うべきものである。


また、2005.10には、UFJ銀行のATMに設置されたカメラの問題があった。
これに対して、カメラは暗証番号を読み取るためのもので、現時点でトラブルの話もなく、問題はない旨の発言があったようだ。
甘すぎる。
そもそも口座番号は取引明細にも記載されていて、捨てられたこの紙からカードが偽造された事件は過去のものだろうか。
そしてまた、カードの記載そのものを読み取るカメラもあったと言う。
最近のカードにはクレジット機能もあり、必ずしもカードそのものが手元になくてもネット決済もできる。
そういったカードへの切り替えも金融機関が勧めたものだ。
預金者にリスクを持たせるのもいい加減にしてもらいたい。
更に言えば、ATMの防犯カメラで、カメラの設置などの不審な行動をしたものをチェックできていないと言うのも大きな問題だ。
後で録画を見て「確かに犯人らしきものが来ていた」ということがわかっても大して面白くはない。
これでは、防犯装置を切られ、ATMの中の現金を奪われても、わかんないと言うことではないか。
馬鹿も休み休みにしてもらいたい。


さて、これに対して、三井住友銀行のオンラインバンキングでは、「暗証番号が長期間変更されていない」などというくだらないメッセージを出すようになった。
聞けば、3ヶ月間同じ暗証番号だと出続けるという。
「三井・住友」の字が入っているキャッシュカードだけでも3枚くらいあるだろう、銀行、信託銀行、証券、それに三井、三菱、みずほなどを掛け合わせれば20枚くらいは簡単に集まってくる。
これをいちいち3ヶ月ごとに変えさせられてはたまらない。
ご忠告はありがたいが、一度聞けば十分だ。
ちんけなホームページではないのだから、もっとシステム価値のある方式にしてもらいたい。
大体からして、暗証番号を変えたらどの程度安全なのだろうか。
番号に凝りすぎて、本人すら使えなくなるのが落ちだ、
にもかかわらず、盗用する側では、難なく破ることだろう。




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新規作成日:2005年10月21日/最終更新日:2006年1月5日