雑感

私の主要被写体は、船や飛行機などの大規模な工業生産物だ。
が、ここ数年、柔らかいものも写すようになった。

関連行事などで彩を添えるお姉さんを手始めに、イベント会場などでも写す様になった。
と、当初は気がつかなかったことも、色々見えてくるようになった。

イベントコンパニオンという仕事がある。
展示会などのイベント会場で、各ブースのお手伝いをしているお姉さんたちである。
その昔は各企業の社員がやっていると思っていたが、それはイベントコンパニオンさんがやっている場合も多い。
「綺麗なだけで、そこにいて笑顔を振りまくだけ」と思っている人も多いがさにあらず。
事前のレクチャーなどにより、短期間の間に商品説明をこなすようになるのであるから驚きだし大変だ。
イベントコンパニオンさんにも、細かく分けると、イベントモデルといわれるショー出演の人、マイクを持って解説をする人、一般のイベントコンパニオンさんに分けられるらしい。

イベントコンパニオンさんは、狭く考えればそういう仕事だが、やはり容姿も売り物で、為に類似の仕事もこなす人が多い。
RQ レースクイーン、モデル、などなど。

さて、イベント会場では、カメラを片手にこれらのお姉さんを写しに群がる人も多い。
レースクイーンや、モーターショーなどの場合は、ある程度写真撮影を前提としたイベントであるから、撮影そのものについては問題も少ない。

が、展示会などのイベント会場では少々事情が異なる。
モーターショーなどの例外を除けば、本来は企業の展示会場であり、イベントコンパニオンさんはそのお手伝いなのである。
撮影したいと思っている人が一瞬のつもりでも、回りへの迷惑も考慮したいものだ。
そもそもがイベントのお手伝いなのであるから、ポーズをとっている時間や、お話している時間は、企業にとっては本来の業務外の時間となってしまう。
ましてや撮影の人だかりになれば迷惑だし、通路をまたいでの撮影は通行の邪魔にもなる。
モーターショーなどの場合は、それによって観客が集まることで知名度を上げる狙いがあるから、一般の展示会などとは事情が異なるのである。

イベントコンパニオンさんにもそれぞれの事情が存在する。
なにより本人の肖像権もある。
イベントコンパニオンさんの多くがカメラ慣れしているとは言え、イベントコンパニオンさんという職業が、=モデルというわけでもない。
写真に写されるのがいやな人がいてもなんら不思議ではない。
また、体調やお化粧ののりなどの事情で、今日は写されたくないって事もあるだろう。
企業側から、撮影されることを制限されている場合もある。
こいうった要素を考慮すれば、イベントコンパニオンさんが「オールマイティにイベント会場で撮影のモデルになってくれるのが当然」と考えることには大きな問題があるわけである。
写真を写されることによって、イベントコンパニオンさんが企業側から注意を受ける場合もある。
イベントコンパニオンさんにとっては迷惑この上ない話だ。

私は一応、撮影の可否を聞くことを心がけている。
ブースごとの事情や、イベントコンパニオンさん個人の事情は、勝手に推定しても意味が無い。
聞くこと自体、話しかけられて迷惑だということもあるだろう。
時と場合も選ばなければならない。

OKが出なかったとしても、不愉快になるのは見当違い。
有料のモデル撮影会ではないのだ。
イベント会場に入場料が必要だったとしても、それはイベント本体の料金であって、その中には、イベントコンパニオンさんの撮影料は含まれていない。
ましてや、一般のイベント会場では、撮影禁止とされているところも多いのだ。
撮影禁止の意味には何通りもあるようで、展示商品の保全のタメがメインだが、撮影による人だかりなどでのトラブルを防止する意味もある。
場内撮影禁止といいつつ、入り口でカメラの持込を容認し、あまつさえイベントブースで撮影を奨励する例もあったりするので一概には言えないのだが、考慮は必要だ。

OKが出たとしても、いくつものポーズに注文をつけるわけには行かない。
ポーズはイベントコンパニオンさんがやってくれる。
気のいい人は、いくつものポーズを決めてくれたりする。
撮影に関しては、手短にが原則。
また、通路などの人の動線も考慮し、周りへの迷惑が最小限となることを心がけるほうが、返って不必要なトラブルを生じることなく、撮影も出来るというもの。

写した写真はイベントコンパニオンさんへもプレゼントしたい。
イベントコンパニオンさんは、専属契約で無い限り、いくつものイベントに出ている。
最近は、ホームページを公開している人も多く、次の参加イベントがわかったりする。


私も、本業関係でのイベントでよく見かけるイベントコンパニオンさんがいたが、当時はそういった情報は無いから、たまたま再会して懐かしかったりしたものだ。
最近では、予定情報により、会いに行くと言うことも不可能ではなくなっている。

写した写真はホームページにも載せたくなるものだ。
が、ちょっと考えておきたい。
そもそも肖像権というものが存在している。
ましてや、モデルさんなどをやっている人にとっては、それは商品価値をも持っている。
不用意に他者が利用することは許されない。
撮影の了解と、配布や公開の了解とは、必ずしも一致していない。

私もちょくちょく見かけるイベントコンパニオンさんには名前を聞いたりしているが、個別の確認までいちいち取っていないので、だいぶ集まったので特定の人のページを作ろうかなと思ったときに、この問題に直面した。
「ま、いいや」という考え方もあるのだが、基本を押さえるに越したことは無い。
後で喧嘩になるよりは綺麗に収めたいものだ。

イベント全体として大勢集まっている場合は別にして、特定の人を集める場合には、改めて確認もしたい。
現状、みなさん快諾してくれているので、気持ちがよいが、それぞれに事情もあるので考慮しなければならない。

勝手にやってもバレナイと言う人もいるが、イベントコンパニオンさんも人間なので、相互の信頼関係はあるに越したことは無い。
仲良くなれるということは、撮影時のポーズもサービスがあるというものだ。



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新規作成日:2004年6月27日/最終更新日:2004年6月29日