アメリカ海軍 用語集
本項は「アメリカ海軍図鑑」掲載の用語集として整理したものを、校正前の状態で掲載しています。
そのため、細部の修正等については、追跡していません。
最新の解説は艦船の用語等をご覧ください。
(一般用語): (General terminology) :
艦艇: Naval vessels : 海軍所属の船舶を一般に艦艇と言います。細かくは、その中で、正面・外洋で働くものを指します。対して後方・基地で働くものは、支援船、艦船 等と言います。
艦: Ship : 一般に艦艇を指す。
船: Ship : 一般に船舶を指す。
艇: Boat : 艦船のうち、比較的小型のものを指す。
舟: Boat : 艦船のうち、かなり小型のものを指す。
(船体形状): (Hull form) :
平甲板型: Flash deck style : 船首から船尾まで、平らな形。
船首楼型: Bow tower style : 船首が一段高くなっている形。凌波性を良くする。
長船首楼型: Long bow tower style : 船首楼を船体後半まで、そのまま延長した形。元来の上部構造物を囲い込み、風圧側面積を増さずに、船内容積を増加させことができる。
遮浪甲板型:__________: 長船首楼型を更に船尾まで延長した形。本来は、強度甲板の上に、全通の甲板が一層乗った形を言う。見た目、平甲板型。
中央船楼型: Central ship tower style : 船体中央に船楼を設けた形。元来の上部構造物を囲い込み、風圧側面積を増さずに、船内容積を増加させことができる。
三島型: Three Island style : 船首、中央、船尾に、独立した船楼を設けた形。貨物船に多い。
船尾楼型: Stern tower style : 船尾に船楼を設けた形。
凹甲板楼型: Three island: 船首と、船尾に船楼を設けた形。補給艦などに多い。
涙滴型: Tears drop style : 潜水艦の形の一つ。滴のような形で、水中での推進抵抗が少ない。
葉巻型: Cigar style : 潜水艦の形の一つ。涙滴型をずんぐりした形で、艦内容積を増すとともに、水中での運動性に優れる。
双胴船: Catamaran : 船体が2つ並行に並んでいて、甲板が橋渡しになっている形。船体の3倍程度の広大な幅の甲板を備える事が出来、船としての安定性も良い。
ウェーブピアサー: Wave piacer: 高速船型の一つ。双胴船型の発展型。
水中翼船: Hydrofoil : 船体の下に翼を取り付け、高速航行時には、この翼の作用で船体を浮揚させ、高速航行を可能とするもの。
船楼(せんろう):__________: 船体の上にある、船体構造に連結した構造物。舷側鋼板のみを延長したブルワークとは異なり、閉囲された箱となっている。
ブルワーク: Blue work : 船首の舷側鋼板を甲板上に延長し、船首の深さを大きくさせ、凌波性を向上させるもの。
凌波(りょうは)性:__________: 波きりの性能。波きりが悪い=甲板に波が打ち上げる=海に突っ込むわけで、推進効率が悪いばかりでなく、危険でさえある。
ハル: Hull : 船体そのもの。
(船首形状): (bow form) :
クリッパー型: Clippers bow: くちばしの尖ったような形。
エンクローズド・バウ(ハリケーン・バウ): Enclosed bow: 空母の飛行甲板と、主船体の間を、鋼板で覆った形。台風などの時化でも、凌波性を確保し、かつ飛行甲板を波の打ち上げから保護できる。
バルバス・バウ(球形船首):__________: 船首の直下に、おおきな球を装備し、わざと波を起こす事により、通常発生する波との合成波で打ち消し、推進抵抗を減らそうとするもの。
ナックルライン: Knuckle line : 船首舷側に、やや張り出す線を設けたもの。波をこのラインではじき、甲板への打ち上げを減らそうとするもの。
バウ: bow: 船首の意味
(船尾形状): (Stern form) :
巡洋艦型: Cruiser stern: どんぶりの様に丸い形。
カウンタースターン: Counter stern: 横浜にある氷川丸のような、船尾が海面上にテーブルのようになっている形。
トランサムスターン:__________: 最近の艦艇に見られる、ばっさり切ったような艦尾。
スターン: stern: 船尾の意味
(搭載機関): (Installation organization) :
蒸気タービン: Steam turbine : ボイラーで蒸気を作り、それをタービンに送って軸を動かすエンジン。 大型高速船や、艦艇で多用される。
内燃機関: Internal combustion engine : 経済効率を優先される。これも、ピストンを動かす、レシプロです(航空業界でレシプロと言えばこれを指す)。ディーゼルエンジンやガソリンエンジンがこれだが、船の場合は、ディーゼルも重油で動かす。
原子力タービン: Atomic power turbine : 原子力で蒸気を作り、それをタービンに送って軸を動かすエンジン。俗に言う原子力エンジン。 艦艇、特に潜水艦で多用される。
ディーゼル・エレクトリック: Diesel electric : ディーゼルで電気を作り、それでモーターを回して軸を動かすエンジン。木目の細かい推力調整が利点。 砕氷船、調査船に多用される。
電動機: Electric motor : 蓄えた電気でモーターを回して軸を動かすエンジン。 潜航中の潜水艦に多用される。 ディーゼル・エレクトリックとの相違は、畜電器を必須で介していること。
ガスタービン: Gas turbine : タービンに直接燃料を送り、燃焼させて軸を回す。 ジェットエンジンそのもので、最近の艦艇で多用されている。
複合機関: Complex organization : 各種機関の利点を有効活用する為に、複数の機関を組み合わせて使用するもの。
COSAG: Conbined Steam and Gusturbine: 巡航時 蒸気タービン、高速時 蒸気タービン+ガスタービン
CODOD: Conbined Diesel or Diesel: 巡航時 ディーゼル、高速時 高速用ディーゼル
CODAD: Conbined Diesel and Diesel: 巡航時 巡航用ディーゼル、高速時 巡航用ディーゼル+高速用ディーゼル
CODAG: Conbined Diesel and Gusturbine: 巡航時 ディーゼル、高速時 ディーゼル+ガスタービン
CODOG: Conbined Diesel or Gusturbine: 巡航時 ディーゼル、高速時 ガスタービン
COGAG: Conbined Gusturbine and Gusturbine: 巡航時 巡航用ガスタービン、高速時 巡航用+高速用ガスタービン
COGOG: Conbined Gusturbine or Gusturbine: 巡航時 巡航用ガスタービン、高速時 高速用ガスタービン
などがある。:__________:
(船体の構造): (The structure of the hull) :
バルジ(ビルジ):__________: 主船体の舷側に張り出させた部分。:
竜骨(キール): keel (Kiel) : 船体の背骨。最近はプロック建造なのであまり見られない。:
スケグ:__________: 船尾船底に有って、入渠時に、船体をドックの上で支えるもの。ビルジキール: 船底の舷側に設けられた長い板。船の横揺れを軽減する。
喫水: Draught : 船体の水に浸かっている部分の深さ。:
喫水線(ウォーターライン): water line: 船体の水に浸かっている部分の艦の全長に渡る線。:
艦橋 ブリッジ: Bridge: 艦艇の操船、指揮を執るところ。通常、艦長、指揮官が集まっている。:
アイランド: Island : 航空母艦の艦橋を指す。空母の平らな甲板に、ぽっこり島のように乗っかっている事からこう呼ばれる。上構(上部構造物): 船体の上に備えられた艦橋などの船室。
舷窓: Porthole : 艦の舷側にある窓。昔の艦は艦内照明が乏しかったので明かり窓が必要だったが、窓が割れると浸水するので、最近の艦艇では少ない。:
舷側: Ship's side : 艦船の船体側面。:
マスト: Mast : 艦上に備えられた柱。元来は帆船の帆柱であったが、以後、見張り櫓、アンテナの支柱、現代では、各種電子装備の装備位置となっている。:
ラティマスト:__________: 柱をクロスした棒で連結されたマスト。近代艦艇のマストの主流。:
ヤード: Yard : 戦艦などの檣楼の頂部から水平に張り出した桁。信号旗を掲げる索などを張る。:
ガンネル:__________: 上甲板と舷側の接合部。:
スポンソン(張り出し):__________: 上甲板を舷側の外側まで拡張し、甲板面積を広げたもの。:
グレーチング構造:__________: 甲板の構造の一つで、板に一定間隔の隙間を空けているもの。波の直撃に強く、滑り止めの機能も果たす。平たく言えば「すのこ」のような物。:
バーベット:__________: 砲塔基部。大砲の砲塔の回転する台座の部分。:
ラダー: Ladder : 舵。船尾船底の、スクリュー後方に取り付けられている。
戦闘通路: Battle path : 露天甲板上の通路帯。滑りにくくする為、砂を混ぜた塗料で塗られている。
舷外通路: Path out of the side : 舷側の外に張り出して設けられた通路。上部構造物が、船体幅いっぱいに設けられていた場合等、乗員の交通の為に設けられる。
スキュードプロペラ: スキュード propeller : 近代科学の粋を集め、キャビテーションによるノイズやロスを最小限に収める形のスクリュープロペラ。昔のスクリューは扇風機の羽根のような形だったが、翼端が流れるような形をしている。
ハイスキュードプロペラ: ハイスキュード propeller : スキュードプロペラをさらに高性能化したもの。著しく細く反り返った形をしている。
(艦船の装備品): (equipments of the vessels) :
スタビライザー: Stabilizer : 船の横揺れを軽減させる装置。
マック: Mack: マスト+スタック(煙突)の造語。現代艦艇は、レーダーなど、マストに装備する兵器が多数に上り、重量が増す事から、強度が必要とされる。そこで、煙突と合体させる事により、強度性を高めている。
フィンスタビライザー: Fin stabilizer : ビルジキール付近に設置され、船体の横揺れに応じて羽根を動かして、動揺を押さえる装置。
フェアリーダー: Fair leader : 船体に付属しているもので、係船用のロープを通したりする。
ウィンドラス: Windlass: 係船用のロープを巻き取る機械。
艦首旗: Bow flag : 諸外国の艦艇は、海軍独自の艦首旗を掲揚する。自衛隊は国旗。
艦尾旗: Stern flag : 一般船舶は国旗、艦艇は軍艦旗を掲揚する。
ラッタル:__________: 艦上に装備されているはしご。
舷梯: Gangway ladder : 艦と岸壁の間に掛けられるタラップ(はしご)。
舷門: Side gate : 停泊中の艦船の正式な出入り口。艦艇の場合、衛兵が詰めている。軍人は、乗艦下艦のおり、艦尾の軍艦旗に対して敬礼をして出入りするのが慣例。
LSO:__________: 護衛艦などのヘリ甲板に有って、ヘリ発着艦の指揮をする所。
キャットウォーク: Catwarlk: 航空母艦の飛行甲板の周囲に備えられた回廊。
空中線: Antenna : 艦のマスト間に水平張られた電線で通信用の架線。アンテナその物も指す。
CIC: Combat Information Center: 戦闘情報センター。艦艇の戦闘指揮を一元的に行える作戦室。各種コンソールや表示板が並び、すべての情報を集中させ、作戦立案、指揮が、迅速に行える機能を持つ。
主錨: Main anchor : 艦首に装備されている錨。
副錨: Subanchor : 大型艦の艦尾などに搭載されている錨
ボラード:__________: 甲板上に設置された、係船用ロープの巻き付け用突起。
信号旗桁: Signal flag column : 信号旗を掲げる索のヤード。
信号探照灯: Signal searchlight : サーチライト。
測距儀:__________: 自艦から、目標までの距離を計る装置。レーダー出現まで、海戦の最大の戦闘情報手段。現在でも、艦隊運動の場合には艦橋で使用されている。
ダビット:__________: 搭載艇を艦に積載係止し、揚げ下ろしさせる為の装置。
デリック・ポスト:__________: デリック型クレーンの柱。
プロペラガード: Propeller guard : 艦尾水面下のスクリープロペラを、他の船舶の接触から守る為の鉄柵。艦尾水線上に取り付けられている。
ホースパイプ: Hose pipe : 艦首錨を、艦首直下のバウソナーに接触させない為に、パイプ状のものを張り出しているもの。
ムアリングパイプ:__________: 艦首甲板に開けられた、係船用ロープを通す穴。
ボートコンテナ: Boat container : 救命筏の入ったコンテナ。艦船が沈没し、このコンテナが着水すると、自動的に展開され、脱出する乗員らがこれに乗って逃げる。通常、片舷分で乗員数以上の脱出が可能なように搭載されている。
カタパルト: Catapult : 航空機を発艦させる装置。
着艦拘束索(滑走制動装置):__________: 空母の飛行甲板に張られ、着艦する航空機のフックをこれに引っかけ、強引に制止させるもの。
着艦制動索(着艦拘束索):__________: 空母の飛行甲板に張られ、着艦する航空機のフックをこれに引っかけ、強引に制止させるもの。
着艦標識: Wear ship mark : 航空機を狭い艦艇の甲板に安全に着艦させる為の支援標識。
FLOLS(ミートボール): FLOLS (meatball) : 米空母に多用される、着艦誘導装置。飛行甲板横に備えられ、パイロットはこのランプの組み合わせを最適に見えるように飛行すると、安全に飛行甲板に到達できる。
クラッシュ・バリア: Crash barrier : 航空母艦に備えられ、通常の着艦方法では安全に降りられないときに、これを展張し、飛行機は、これをめがけて飛び込んできて、クモの巣のように受け止めてもらう。
遮風装置:__________: 艦橋ウィングや、艦橋上部のパネルに、隙間を空けて取り付けられた板で、艦首からの風が、この隙間を吹き抜ける事により、風のカーテンが出来、艦橋上で作業する人の風当たりを和らげるもの。
対空識別標識: Antiaircraft distinction mark : 航空機から艦船の識別が用意となるように、甲板上などに記載される記号。護衛艦しらね「43」、旧海軍祥鶴「シ」、太平洋戦争中の米空母サラトガの煙突の「縦線」など。
ベアトラップ:__________: ヘリコプターを狭いヘリ甲板に安全に降着させる為の装置。ヘリから拘束索をおろしてこれに引っかけ、艦側から巻き取る事により、確実に降着出来る。
ヘリコプター格納庫: Helicopter hangar : 通常、艦艇の後部に設置されている、搭載ヘリの格納庫。
ヘリコプター甲板: Helicopter deck : ヘリ発着艦の為に、最近の艦艇では、艦尾の甲板が当てられている。
カッター: Cutter : 搭載艇の一種。機関を搭載せず、乗員がオールで漕ぐ。
スライディングパッド・アイ: Sliding pad ai : 洋上補給装置のキングポストに組み込まれ、ハイライン作業を支援する。
絡車(リール): reel : 各種のロープを巻き取る為の用具。
レセス:__________: (錨、VDSなどを)格納する窪み(場所)
(艦艇の兵器): (The weapon of naval vessels) :
艦砲: Naval gun: 艦艇に搭載する大砲。構造上は榴弾砲ではなく、主としてカノン砲。
両用砲: Gun for both : 対水上、対空ともに対応できる砲。
機銃(機関銃): machine gun: 旧海軍では、口径20ミリ以上のものを機関砲と呼んでいました。
口径: Aperture : 大砲の砲口の直径。「5インチ54口径」と言った場合は、口径(砲口直径)が5インチで、砲身の長さが口径の54倍と言う。
CIWS(シウス): Close-In Weapon System: 近接対空防御火器。6連装の20mmバルカン砲と、レーダー管制装置を連動させ、自動的に、接近するミサイルなどを迎撃する事も可能。
魚雷発射管: Torpedo discharge pipe : 魚雷を発射する為の装置。
水雷: Torpedo : 海上で使用する、爆発物兵器の総称。魚雷、爆雷、機雷など。主として船体を破壊して撃沈せしむる物
魚雷: Torpedo : 魚の形をした水雷。
ホーミング魚雷: Homing torpedo : それ以前の魚雷は撃ちっぱなしで発射後は真っ直ぐ進むだけで前に目標がいないと当たらないが、ホーミング魚雷は、目標に向かって自分で進路を定めて進んで行く。Home going。
短魚雷: Short torpedo : 昔の魚雷に比べて、長さが短い事からこう呼ばれる。現代の西側艦艇の標準装備で、対潜用のホーミング魚雷。
長魚雷: Long torpedo : 在来型の魚雷。海上自衛隊で、短魚雷に対して長さが長いのでこう呼ばれる。
爆雷: Depth bomb : 対潜用の兵器。艦艇航空機から発射され、海中の潜水艦を攻撃するもの。あらかじめ爆発すべき深度を設定し(調定深度)その水深まで潜るか、何かにぶつかったら爆発する。艦尾から転がり落とすか、爆雷投射機で、投げ落とす。
機雷: Mine : 機械水雷。海中に設置され、航行する艦船に被害を及ぼすもの。初期のものは触角を備え、触角に触れると爆発するものだった。以後発展を遂げ、航行する艦船を(水圧、磁気、推進音 などで)感知し、爆発するものになっている。最新のものはキャプターと言う、魚雷複合のもので、海底で待ち受け、艦船を感知すると、魚雷として向かって行く物もある。最近のものはこのセンサーの寿命(電池寿命)が兵器の寿命となっている。また、掃海から逃れる為、最初の何回かの感知を無視するカウント型もできていて、対応が難しい。
係維機雷: mine : 海底に置いた重りにつながれている機雷。接触して始めて爆発する。
感応式機雷: Sensor mine : 航行する艦船を水圧で感知する機雷。
磁気機雷: Magnetism mine : 航行する艦船を磁気で感知する機雷。
音響機雷: Sound mine : 航行する艦船を推進音で感知する機雷。
対潜前投兵器:__________: 文字どおり、対潜用の投げる兵器。爆雷投射機、ヘッジホッグ、ボフォース対潜ロケット などがこれに当たる。
ヘッジホッグ:__________: 爆雷を20発程度組み合わせて連続発射し、目標海面に円を描いてばら撒くもの。いずれか1つヒットすると、他の20発も連鎖的に爆発し、確実に仕留めるもの。
ミサイル: Missile : ミサイルは元来、弾など飛翔体その物一般を指しているが、日本では誘導弾の意味となっている。
ロケット: Rocket : 日本では、ミサイルに対して、無誘導の推進弾を指している。ソ連・ロシアでは、ミサイル一般をロケットと言う。
イージスシステム: Aegis system: アメリカの巡洋艦タイコンデロガ級で初めて搭載された、画期的艦隊防空システム。
対空誘導弾スタンダード: Antiaircraft guided missile standard : ターターを改良したスタンダードシステム(SM1-ER)であるが、ランチャーなど基本的構成に大差はない。
シー・スパロー: Sea Spalow: 西側主要の近距離用艦対空誘導弾。対艦ミサイルの防御として装備される、個艦防御用近接対空兵器。航空機発射のスパロー空対空ミサイルの艦載型である。
ハープーン: Harpoon: アメリカの艦対艦ミサイル。アメリカで開発された対艦ミサイルで、発射後、海面付近の低空を慣性誘導で飛行し、目標付近でホップアップ後、突入する。水上艦のみならず、潜水艦、航空機からも発射が可能である。
DASH(ダッシュ):__________: Drone Anti Submarine Helicopter。二重反転式の無人ヘリコプターで、短魚雷2本を抱え、ソナーなどの索敵データーに基づき目標上空で魚雷を投下するというもで、アスロック(ASROC)と比較して約12倍の距離まで攻撃可能と言う兵器であった。
ASROC(アスロック):__________: Anti Submarine Rocket。対潜魚雷を付けたロケットを飛ばせ、目標潜水艦付近にパラシュートで落下着水した後、対潜魚雷として攻撃するもの。
VLS(垂直発射システム): Vertical Launch System : 従来のミサイルは、弾庫からミサイルをランチャーへ装填し発射していたが、次弾発射のリアクションタイム短縮と、ランチャーの残存性向上のため、弾庫とランチャーが一体化して船体内に埋め込まれて装備されている。
電探: Radar : 電波探知機/電波短信儀。広くレーダーも指すが、現在は、主として相手のレーダー電波を逆探知するものを指す
ESM(電波探知装置): Electronic Support Measures: 相手の発信する電波(レーダー波)を探知し、電子偵察活動を指す場合もある。
レーダー: Radar : 電波で周囲の状況を監視する装置。
3次元レーダー: Three dimension radar : 普通のレーダーが平面を監視するのに対し、高度も同時に測定できるタイプ。
機械捜引方式: Machine 捜引 method : 通常レーダーは機械的に回転して360度を監視している。
電子的捜引方式: Electronic 捜引 method : 電子的に処理して、天空を捜引し、一挙に監視するもの。3次元レーダーは、機械的に回転すると同時に、水平から高度を電子的に捜引している。フェーズドアレイレーダーは、固定された平板で、天空を一挙に電子的に捜引している。
電子戦: Electron warfare: 文字どおり電波とコンピュータの戦い。妨害電波を出して相手の監視やミサイルを欺き、対してその妨害を除去し、更には別の妨害で再び対応する。
ECM: Electronic Countermeasures: 対ミサイルジャミングの一例。アクティブ誘導のミサイルは、目標確認用の電波を出している。ミサイルから発射されたこの電波は、目標に跳ね返ってミサイルに戻ってくる。ここで、ジャミング側は、この電波パターンを解析し、若干の操作を加えて、タイミング良く電波を発射する。ミサイルは電波の往復時間の間隔を解析して目標までの距離を解析しているから、思ったより僅か早く電波が帰ってくると、目標接近と誤解する。このパターンをうまくこなすと、目標のはるか手前に、焦点を移動する事ができる。
ECCM: Electronic Counter Countermeasures: ECM動作を感知すると、すばやく探索パターンを変化させ、相手のECMから逃れ、だまされない様に対処する事。ECM側は、更にECMで対抗する。電波の騙しあいだ。
ソナー: Sonar : 音で周囲の状況を監視する装置。
アクティブソナー: Active sonar : 超音波を出して周囲の状況を監視する装置。
パッシブソナー: pacive sonar : 音波探知器。周囲の状況を耳で監視する装置。
バウソナー: bow sonar : 船首直下に設けられたソナー。球状船首と兼用できる形を工夫されている。
ハルソナー: Hull sonar : 船首そのものに装備するのではなく、船首船体の下に装備されているもの。艦内(船体内)に引き込み収容格納できるものと、固定式のものがある。
VDS(可変深度ソナー): Variable depth sonar: 海水には海流の温度差により、ソナー音波伝播を妨げる場合が生じ、深海の潜水艦を探知できない。そこで、ソナーを深く潜らせ、的確な探知を可能とさせたもの。
TASS: Towed Array Sonar System : 水中曳航式ソナーシステム。
SURTASS 広域捜索曳航ソナー: Surveillance Towed Array Sensor System/ large regions search tow sonar : 800メートルのアレイ・ソナーを、約2000メートルのケーブルで曳航する物で、最近では、地球観測にも転用されている。
チャフ:__________: ミサイル攻撃を受けた場合、アルミ箔片を撒き散らし、レーダー反射のターゲットを誤認させてミサイルの目標を欺き、攻撃を逸らせる為の物。
フレア: Flare : 赤外線誘導のミサイル攻撃を受けた場合、熱源を撒き散らし、赤外線誘導の感知するターゲットを誤認させてミサイルの目標を欺き、攻撃を逸らせる為の物。
レスキューチェンバー: Rescue chamber: 釣鐘状の対圧カプセルで、潜水艦の脱出ハッチに接続し、乗員を乗り移らせ、海面上へ引き上げ、救助する。
DSRV : Deep Submergence Rescue Vehicle : 深海救助艇。対圧カプセルを連結した小型深海潜水艇で、海中を自航し、潜水艦の脱出ハッチに接続し、乗員を乗り移らせ、救助する。効率的かつ、多局面での救難を可能としている。
(艦艇の種類): (The kind of naval vessels) :
水上戦闘艦: Surface war ship: 戦艦、巡洋艦、駆逐艦、フリゲートなど、空母以外で、大洋で作戦可能な水上艦艇。
戦艦: Battleship: 主として1900-1945前後に、大砲を主兵器として、最大の攻撃・防御力を求められた艦。強力な装甲を備え敵の砲撃にも耐えうる艦。艦艇一般を指していわれる事があるが、これは「戦闘艦艇」などと呼ぶべきである。古くは「戦列艦」や、往時の主力艦を指す場合もある。
巡洋戦艦: Battle cruiser: 戦艦の攻撃力と、巡洋艦の航洋力を兼ね備えた艦。敵の巡洋艦は簡単に撃破出来るが、戦艦とは危険で渡り合えない。
航空母艦: The aircraft carrier: 空母。航空機を主力として作戦する艦艇。
巡洋艦: Cruiser: 元来、単艦で哨戒行動を中心とする艦。近代では戦艦に次ぐ戦力の艦。現在は、駆逐艦より大きい艦。
重巡洋艦: Heavy cruiser: 概ね1万トン以上の戦艦の補助とされる艦。
軽巡洋艦: Light cruiser: 概ね1万トン以下の巡洋艦。
駆逐艦: Destroyer: 発生当初は、水雷艇駆逐艦と言い、敵の水雷艇から見方の艦隊を守る艦であった。その後水雷艇の任務を兼ね備え、現代では、各種作戦の主力となっている。
フリゲイト: Frigate: 駆逐艦より小型の艦を指す。昔のアメリカでは、旗艦用駆逐艦を指していた時期が有った。帆船時代の艦種から来ている。
コルヴェット: Corbet: フリゲイトより小型の、主として近海で行動する艦艇。
潜水艦: Submarine: 水中で作戦する艦艇。
攻撃型潜水艦: Attack submarine: 魚雷を主兵器として、敵の艦船(潜水艦を含む)を攻撃する艦。
戦略型潜水艦: Strategy submarine: 戦略ミサイルを搭載し、通常密かに行動し、万一本国が攻撃を受けた場合、反撃報復する。
戦略ミサイル艦: Strategy missile ship: 戦略ミサイルを主兵器とする艦艇。その隠密性から、潜水艦である場合が多い。
機雷戦艦艇: Mine warfare ship: 機雷敷設、掃海を主任務とする艦艇。
哨戒艦艇: Patrol vessel: 港湾、海峡など、局地的に警備守備する、主として小型の艦艇。
両用戦艦艇: Amphibious warfare ship: 水陸両用作戦艦艇。輸送艦、上陸支援艦 など。
支援艦艇: Support vessel: 艦隊に随伴し、艦艇に燃料物資を補給する補給艦艇。主として後方で母艦任務に当たる各種母艦。救難艦などがある。
港内支援船艇: Harbor support ship: 基地など港湾で、各種支援任務に当たる。
(運用): (Application) :
ヴァートレップ: Vartrep: ヘリを用いた艦船に対する洋上補給。
入渠: Dock in: 艦船が工事などのために船渠に入る事。
(その他): (The others) :
SLEP(スレップ):__________: 現アメリカ海軍の航空母艦の、近代化計画。米空母の多くは、建造後20年を超えて使用されており、近代戦闘に耐えられるように、システムの近代化を図っている。
FRAM(フラム/Fleet Rehabilitation And Modernization):__________: アメリカ海軍の水上艦艇近代化計画。旧式化した艦艇を改造し、近代戦に耐えるようにしたもの。費用対効果の関係から、最新艦を作るほうが効果的な場合もある。
通船: Piece ship : 桟橋が足りないとか、水深が浅く、沖合いに停泊した場合、艦と陸を往復させる船。搭載艇がこの任に当たったり、商業港では、通船業者が運行する。
キャビテーション:__________: スクリュー表面に発生する渦巻。推進効率を落とし、ノイズの発生の原因ともなる。
VTOL: vertical takeoff and landing : 垂直離発着機
STOL: short takeoff and landing : 短距離離発着機
ハイライン: High line: 洋上における、艦艇間での人員物資移送作業
AAM: Air to Air Missile: 空対空ミサイル
ARM: Anti-Radar Missile: 対レーダーミサイル
ASM: Air to Surface Missile: 空対艦(空対地)ミサイル
ATM: Anti-Tank Missile: 対戦車ミサイル
CIC: Combat Information Control: 戦闘情報センター
CIWS: Close-In Weapon System: 近接防御火器
COD: Carrier Onboard Delivery: 艦上輸送機
CODOG: Combined Diesel or Gasterbine: CODOG
COGAG: Combined Gasterbine and Gasterbine: COGAG
COGOG: Combined Gasterbine or Gasterbine: COGOG
ECCM: Electronic Counter Countermeasures: 対電子対策(対電波妨害装置)
ECM: Electronic Countermeasures: 電波妨害装置
ELF: Extremely Low Frequency: 超長波
ELINT: Electronic Intelligence: 電磁情報
ESM: Electronic Support Measures: 電波探知装置
FAST: Fast Automatic Shuttle Transfer: 高速洋上補給装置
FCS: Fire Control System: 射撃指揮装置
IFF: Identification of Friend and foe: 敵味方識別
MIRV: Multiple Independently Targeted Re-entry Vehicle: 多弾頭個別誘導ミサイル
NASA: national aeronautics and space administration: 米航空宇宙局
SAM: Surface to Air Missile: 艦対空(地対空)ミサイル
SAM: Self-Propelled Acoustic and Magnetic: 自航式音響/磁気掃海具
SLBM: Submarine Launched Ballistic Missile: 潜水艦発射弾道ミサイル
SLCM: Surface Launched Cruise Missile: 水上艦発射巡航ミサイル
SLCM: Submarine Launched Cruise Missile: 潜水艦発射巡航ミサイル
SLEP: Ship Life Extension Program: 艦齢延長計画
SSM: Surface to Surface Missile: 艦対艦(地対地)ミサイル
SUM: Surface to Underwater Missile: 水上発射対潜ミサイル
SURTASS: Surveillance Towed Array Sonar System: 広域捜索曳航ソナー
SWATH: Small Waterplane Area Twin Hull: 半没水双胴船
TACAN: Tactical Air Navigation: 航空機誘導装置(タカン)
TACTASS: Tactical Towed Array Sonar System: 戦術曳航ソナー
TASS: Towed Array Sonar System: 曳航ソナー
USM: Underwater to Surface Missile: 水中発射対艦ミサイル
UUM: Underwater to Underwater Missile: 水中対水中ミサイル
V/STOL: Vertical/Short Take-off and Landing: 垂直/短距離離着艦機
VDS: Vertical Depth Sonar: 可変深度ソナー
VLF: Very Low Frequency: 超長波
VLS: Vertical Launch System: 垂直発射機
新規作成日:2003年2月15日/最終更新日:2003年2月15日