ノー・ウォー美術家の集い横浜・ニュース 2014年12月号(2014/12/12)


秘密保護法施行に断固抗議する

安倍政権の「戦争する国づくり」に厳しい審判を

2月10日、特定秘密保護法が施行されました。昨年末、圧倒的世論が反対するにもかかわらず 安倍政権は国会議員の数を頼んだ強行採決でこの法案を成立させました。この特定秘密は、防衛、外 交、スパイ活動防止、テロ防止の4分野55項目からなり国家安全保障会議(日本版NSC)、外務省、 防衛省、警察など19分野の長(大臣など)が秘密情報を指定し、その情報を洩らした公務員、民間 人に最高懲役10年の刑を科すというものです。

報道機関などが秘密を知ろうとすること自体を処罰の対象にするという報道の自由、国民の知 る権利を著しく制約する憲法違反の法律です。そもそも、4つの分野からなる“国家の機密”そ れ自体がいわば内閣の思惑でその範囲を拡大できる危険を持っています。秘密指定は5年ごとに延長が可能で、30年を超える場合は内閣の承認が必要、原則として60年 までとされていますが、武器、暗号、「政令で定める重要情報」など7項目は例外」と際限なく 延長される危険があります。しかも、秘密保護法違反に問われても「何が秘密なのか」「なぜ 逮捕されたのか」も明らかにならず、弁護士が弁護できない事態まで予想されています。

現代の戦力は武器、弾薬、兵器、兵員にとどまらず、科学と化学、資源、情報などあらゆるもの が戦略に組み込まれていますから、「国家機密」を「枠」で縛ること自体が無理なのです。言い かえれば国家の都合で国民の生活すべてに「国家機密」が及ぶ可能性が大なのです。憲法に保障された国民の知る、知らせる権利は人々の暮らしの絆です。この社会のネットを断 ち切られ、知り、知らせることに怯えを感じながら文化・芸術は生きていけません。先のアジア・ 太平洋戦争で繰り広げた侵略戦争、日本国民300万人、アジア・太平洋2千数百万人の犠牲、そこ から生まれた数限りない悲劇は知ること、知らせることを国民が奪われたことから始まりました。

「この道しかない」と安倍首相は繰り返し叫んでいます。その道を阻止しようと立ちはだかる国民 を「国家秘密保護法」という道具で排除した先に見えるのはなにか? 一内閣の閣議だけで憲 法解釈を変え、立憲主義を踏みにじって集団自衛権を行使する=海外でアメリカと一緒に戦争 する国です。歴代自民党政権でさえ認めてこなかったそれを強行し、日本を戦前に戻そうとする 最も危険な政府です。

国家秘密保護法が制定された12月10日、国会周辺で悪法廃止の声が響き渡りました。全労連、 日本新聞労働組合連合、日本出版労働組合連合会、日本民間放送労働組合連合会、全日本民主医 療機関連合会、国民救援会、秘密保護法廃止を求める環境市民団体全国ネットワーク、「映画人の 会」、「牧師の会」などがあいつで抗議声明を発表、東京、大阪、名古屋、徳島、高知、全国 各地でこの悪法廃止の声が急速に広がっています。

ノー・ウォー美術家の集い横浜も秘密法廃止に向けて大いに声をあげたいと思います。
安倍政権の「戦争する国づくり」にノーの審判を下しましょう。文責(ふ)