2014年ノー・ウォー横浜展を振り返って 2014年12月29日

[前置き] 2014年ノー・ウォー横浜展は、会場の神奈川県民ホールの耐震改修工事のため8月 に開催できず、会期を10月21日〜26日としました。例年通り県民ホールギャラリー全室使用、出 品者118人(うち初出品者20人)、出品作品数約240点、会期中の来場者数約1000人でした。

[概要] 今回展は、安倍政権が集団的自衛権行使容認を閣議決定し、国民の多くが反対する「戦 争する国づくり」へと暴走する中で準備され、安倍政権への怒りや「憲法守れ」の世論が展覧会 にも強く反映されました。しばらく不参加だったが黙ってはいられない、友人に声をかけられ喜ん で参加したなどの声もあり、若い世代の参加も例年を上回りました。また今回は参加者の要望 もあり、会期中会場に、安倍政権の暴挙に抗議の意思を表す「集団的自衛権を許すな」と「憲法 九条を守ろう」の横断幕を第5室回廊の手すりに掲げました。

[特別企画] ゲルニカシアター(ビデオ映像)/映像作家・小林はくどう氏が、NPO法人「市民がつ くるTVF」の入賞作品から「ノー・ウォー横浜展」のコンセプトに相応しい8作品(1作品20分以内) を選び 120分のエンドレスに編集、毎日連続して上映しました。絵画や彫刻と違って鑑賞に時 間を要しますが、ご覧になった方々、いかがでしたか。

[初日のプログラム]
○会場めぐり=出品者と来場者が一緒に会場を巡り、出品者の自己紹介と「作者の一言」は 好評でしたが、90分間では不十分。作品の横に出品者が「制作の意図などを文章にして張り出す」な どの提案も実行委に出され、検討することになりました。
○パフォーマンス=人体表現、パフォーマンスは出演者も多く、好評。しかし予定時間 を超過する人が多く、時間割の工夫や出演者間の密な打ち合わせも必要と思われます。
○詩の朗読=詩作品が増えて、実行委員会では「詩作品のコーナー」を設けました。その場所 で朗読会をする筈が、当日は広い展示場の中央に集まって順番に始められました。それが良か ったか、否か? 又、出品者以外の飛び入り参加に「それって有り?」と疑問も出されました。
○弦楽二重奏=神奈川フィル所属の杉本正さん(コントラバス)と泉恵子さん(ビオラ)による、 第5室でのクラシック演奏は好評。今後もこういう企画に期待する声が多くありました。

作品の展示作業…など
○今回3、4室の壁面に少し「空き」が出来、良くないというご意見がありました。必要なかった 「移動パネル」を例年通り複数引き出して使ってしまったことが原因と考えられます。実行委では 展示前に出品者の部屋割りをし、全作品が揃ってから配置を決め、作業に掛ればそういう事に ならない筈が、100名を超える参加者の中には、遅刻者、搬入日を間違える人、早く来て勝手に 自分の場所を決め貼り付けて帰ってしまった人など、間違いや違反者も幾人かいました。
○反対に、回廊(第5室1階部分)は作品間の隙間が狭いとの苦情的意見もありました。本展では 出品者に展示室6室のうち一つを選ばせる方法を取っていて、大半は「どこでも可」と事務局任せに なりますが、回廊だけは人気があり、予定人数を超えます。話し合いで決めるといっても誰も引き 下がらないと間隔を詰める結果になります。事務局としては黙認していますが…。
○搬入日の展示責任者は事前に詳細打ち合わせが必要。各室毎の展示に助言や決定をする 責任者を決めていますが、事前のミーティングに出られなかったりして実行委会の方針が徹底しな かった反省から、次回は必ず出席または代理人を参加させること(実行委の自戒)。

その他…
○鑑賞者と出品者の交流の工夫=「感想箱」や「アンケート」の提案あり。
○オープニングパーテイ―=会場が遠かった。進行にもっと工夫をしてほしい。
○宣伝・メディア対策=宣伝はA4版のポスターとDMハガキのみでは効果が弱く、もっと広範囲 なメディアの利用を工夫しないと展覧会自体をPRできない、との意見あり。今回も実行委からメディア へ例年と同様ご案内はしましたが、ニュースになりませんでした。会期が10月で、夏のように原爆や 終戦などの記念日もない時期とはいえ、反省しなければなりません。
○WEBの積極的活用=ホームページへのアクセス数を毎月中ごろにカレンダーに記録していますが、 最近6ヵ月の月平均で620人ほどです。「賛同者の展覧会」は知り得た情報は洩れなく掲載しています。 「みんなの伝言板」はお気軽にご利用ください。
○展覧会の内容、作品のレベル・質はどうなのか?=という質問もありました。
出品者や来場者(の眼力)によって評価も異なるでしょうが、本展の主旨は個々の作品の芸術的価値の 評価や、出品作家全体の平均的レベルの評価でもありません。「護憲・反戦」とともに表現の自由を 願う美術家たちが、同じ意思を示そうと集まった結果です。とは言え、個々の美術家たちはそれぞれ 自分の美を求め、作品を提示します。そこで作品に共感し、新たに理解者に出合ったりする楽しみも 有ったりするのは珍しいことではありません。

来年は戦後70年 すでに様々な分野で“反戦・平和を希求する 年”、“改憲暴走ストップ年に”と取り組みが始まっています。第13回ノー・ウォー横浜展(2015年8月11日〜16日)も、大い に奮闘したいと思っています。この総括をお読みになっての、皆さんからのご感想ご意見を心から お待ちしています。今後の展覧会を充実させたいと思いますので。尚、できれば Eメールか活字で、 手書きの達筆は誤読、判読に悩まされますので「楷書」でお願いします。(無学輩)