ノー・ウォー美術家の集い横浜・ニュース  2015年5月号 (2015/5/16)

平和憲法を守り、戦争法案を廃案に!

 5月14日、安倍自公政権は憲法破壊の集団的自衛権行使を機能させるための安全保障関連法 案を閣議決定しました。それは、戦争中の他国の軍隊を自衛隊が支援する新法の「海外派兵 恒久法(国際平和支援法)」と、過去20数年の派兵法制・有事法制10本を全て海外派兵に対応 した機能に塗り替える改定一括法(平和安全整備法)の2種類で構成されています。

 安倍首相は閣議決定後の記者会見で「国民の命と平和な暮らしを守る決意」で閣議決定した と述べましたが、その内実は、日本の国の「安全」とも全く無縁のもので、アメリカが世界で 行う戦争に際して、いつでも、どこでも、どんな戦争でも、自衛隊が支援・参加する戦争法案 になっています。しかも、戦後最大の憲法破壊法案を国会での一切の議論もないまま、まず米国 に誓約し、その後で閣議決定するというやり方でした。日本の独立と主権をないがしろにする 異常なアメリカ追随の姿勢を示したもので、そこからもこの法案が何よりアメリカの期待に応え たものであることが示されています。

 アメリカおよび外国軍の戦闘に自衛隊が参加する条件として法案は「わが国の存立が脅かさ れ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」があれば、可能だ、 としていますが、「根底から」とか「明白な」と言う抽象的な言葉が並ぶ自衛隊の参戦条件には 政権のさじ加減でどのようにでもなる、重大な危険が潜んでいます。
 かつて日本を破滅に追い込んだアジア太平洋戦争は、「守れ満蒙=帝国の生命線」から始まっ た中国侵略だったことを想起しないわけにいきません。

 しかも、集団的自衛権の行使や米軍や多国籍軍を地球規模で支援するための合わせて11本の 重大法案を一括して提案しています。この中には国民の生活に密着した港湾、飛行場、道路、医療 関係など兵站(たん)分野の改悪も入っています。
安倍首相はこの重大な憲法破壊法案を8月までに成立させると公言しています。法案の中身が明 らかになり、国民の反対が広がるのを恐れ、それ以前に国会の数の力で押し切ろうと言う狙いな のです。

 安倍首相は閣議決定後の記者会見で「戦争法などと言った無責任なレッテルは全くの間違い」と のべ、「安保条約を改定したときも、PKO協力法を制定した時も、『戦争に巻き込まれる』と 言った批判が噴出したが、そうした批判が全く的外れだった」と述べました。しかしこれも歴史 を偽る詭弁です。戦争に巻き込まれなかったのはアメリカの侵略戦争に反対し、協力させなかっ た国民の運動があったからであり、憲法9条の縛りがあったからこそ「戦わない」一線が守られて きたのです。

 美術関係者の皆さん、戦争は人命、財産だけでなく「文化」も破壊します。私たちは声を大に して訴えます。「憲法の平和原則を守ろう」と。この1点で、戦後民主主義のすべてが思想信条を 超えて力を合わせ、この最悪の憲法違反の法案を廃案に追い込もうではありませんか。
8月12日から始まる「ノー・ウォー横浜展」に集まりましょう。

第13回ノー・ウォー横浜展 実行委員会