ノー・ウォー美術家の集い横浜・ニュース (2016/11/2)
自衛隊を南スーダンに送るな

 国会審議の途中で自公政権によって強行成立され、 多くの学者が憲法違反と言う安保法制(戦争法)によって自衛隊の海外での武力行使が現実的になっています。 陸自15万人のうち、300〜数百名が派遣される予定の陸自第九師団のある青森県で派遣反対集会(10/22)があり、 自衛官の息子をもつ母親も切実に訴えたとの新聞の切り抜きが事務局に送られてきました。 大手マスコミが殆ど伝えない内容ですので、ここに紹介したいと思います。


自衛官の息子をもつ母親も平和子さん(仮名)
 私の次男が自衛官で今の安倍政権に異議を唱えて行動して います。
 衆院北海道5区補選で息子の部隊が派遣対象になっている と聞き、びっくりして安保法制に反対する候補を応援演説した のが今の活動の発端です。
 収入が安定するとして自衛隊に“就職”した息子からは、「母 さん、首になるから、お願いだから活動をやめてよ」と言われ ていました。本名を出さず、無関係にすればいい。考えた末、 息子の部隊での立場が悪くなると思い、絶縁状を書きました。涙があふれ、1週間ほどかかって 息子あてに便箋5、6枚の手紙を書きました。「あなたには大切な家族がいますね。理由のわか らない戦闘に巻き込まれ犬死してほしくないんです。自分のところに生まれてきてくれた宝物、 お嫁さんと子どもを全力で守り抜き、天寿を全うしてください」と書きました。
 息子一家と本当に仲良くしていたので、ビックリしたと思います。生きていればまた会えるさ、 と軽く思っていましたが、会えない今は、息子の小さなころの夢をよく見ます。大泣きしてしまい ます。
 現在、南スーダンは戦況が激化しています。千歳の部隊がたつ前から、現地はかなり危険だ と現地部隊から出されていると市議会議員から聞いていました。にもかかわらず、命の叫びは まったく表にでません。
 また、まるで何事もなかったかのように今度はここ青森の部隊が派遣されてしまいます。
 国会での安倍首相の人をくった発言や、稲田大臣の視察キャンセル報道、白紙領収書問題な ど、議員の資格以前に人としての問題がある政権に自分の息子、自衛隊員のいのちを預けら れないという憤りでいっぱいです。
 国際法の観点からいっても、自衛隊員が一人でも現地の人をあやめてしまったら帰国後、犯 罪者扱いで裁判にかけられます。捕虜になってしまったら、国際法の適用外とみなされ、相手 国の法律で処罰される可能性が高いと聞いています。
 駆け付け警護をやるチームには衛生隊員も同行。米国軍では衛生兵がPTSD(心的外傷後ス トレス障害)による自殺者がでているそうです。私の息子もそんな目に遭うかと思うとたまらない 思いです。私は息子一人が無事でいればいいと思いません。日本の自衛隊は日本を守るため に毎日一生懸命訓練に励み、ひとたび大災害が起こるといち早く矢面に立って私たち国民を 守ってくれる宝物のような存在です。その大切な宝物をなぜわざわざ海外の紛争地に駆り出す 意味があるのか。私は、戦争利権のなにものでもないと思います。
 私はこのおかしな流れを一日でも早く終わらせるべく声をあげ続けてまいります。ともに頑張り ましょう。     (『しんぶん赤旗』 2016年10月30日付)