都議会レポート 平成13(2001)年3月

平成13年度 予算議会を終えて


 私たちのエネルギーで都政改革、
 都議選勝利を!
 3月29日に、都議会本会議が終わりました。この議会では、石原知事から東京都の13年度予算案が提案され、私たちは、これに女性財団の存続に関する付帯決議を付して賛成しました。
 三か月後には都議会議員選挙が控えています。引き続き、皆さまからのご指導・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

女性の立場を生かせ
女性財団廃止に待った!

 私たちは東京女性財団の廃止問題に関し、石原知事に男女平等施策の姿勢を問いました。東京都はこれまでの財団に対する行政の丸抱えが財団の活力を失わせていた事をまず反省すべきです。その上で廃止を一旦凍結し、女性団体などに広く呼びかけ、財団運営に民間の経営ノウハウを活用して財団を改革していくべきであると、私たちは提案しました。
 これに対し知事は13年度以内に結論を出すべく議論したいと答弁し、実質的に一年間の猶予期間を認めました。また、私たちは議会として、13年度予算案に対し、財団のあり方を見直す検討と必要な対応策を求める付帯決議を加えました。

都議定数を改革する民主党
何もしない自民党

 民主党は、生活者ネットワーク都議団とともに、@総定数を現在の127から120に削減する、A特例選挙区を廃止する、B配当基数に基づき、人口に比例して定数を定め、逆転区を解消するという基本的な考え方に基づく都議会議員定数条例の改正案を提案しました。
 しかし、自民党・公明党などは、@定数現状維持、A特例選挙区維持、B選挙区の議員の数を二増二減にとどめることによって、16通りもの逆転区を温存する改正案を提案し、多数の力で可決・成立させました。特にこの案は、練馬区より人口が少ない大田区の定数が、逆に練馬区の定数より2名も多いという致命的な欠陥を持つもので、私たちは反対しました。

都政の働きぶりをチェックする行政評価制度を十三年度本格実施

 民主党は、都政改革を進めるために、情報公開の徹底、自治体会計への企業会計的手法の導入、行政コストの公開、行政評価制度の導入、都庁組織の再編成などを求めてきました。
 これは、都庁組織を簡素・効率化し、都政情報を都民と共有するとともに、自治体会計の透明性を確保し、民主的・合理的な施策選択を進めることによって、都政を都民とともに共有するためのものです。
 民主党の要求は徐々に実現し、13年度には行政評価制度が本格的に実施されます。この制度よって、都民一人一人が行政が行っていることを具体的に評価することが可能になります。

自治体を元気にしてこの国を分権連邦型国家へ

 地方分権一括法の施行によって、自治体は、「地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」ことになりました。
 しかし、その役割を担うためには、今の区市町村では力不足な自治体が少なくありません。地域の歴史性や伝統を守りつつ、地域における行政を総合的に実施できる自治体づくりに向けて、区市町村合併を真剣に考えていかなければなりません。
 また、東京圏に顕著なように、人々の活動の広がりと都市問題の広域化に適切に対応するには、道州制の導入を図っていく必要があります。
 民主党は、この国を分権連邦型国家にしていくことをめざしています。

活力ある東京の再生へ
 財政構造改革は都政の心臓だ!

 長期にわたる景気低迷で都税収入が大きく落ち込む中で、東京都の政策経費である一般歳出は、ピーク時である平成4年度に比べて27%、1兆7千億円も低い水準になっています。
 自民党・公明党などが国の一般歳出を平成4年度と比べて26%、10兆円も増やしてきたのとは対照的です。
 東京都では、12年度、13年度の2年間ででも、内部努力や施策の見直し・再構築で4,474億円もの財源を確保しています。
 民主党は今後も、都財政の構造改革に取り組み、活力ある東京の再生をめざします。

税金は、浪費癖の国から
まじめで身近な自治体に

 国と自治体の仕事の6割を自治体が担っていますが、自治体には国民が納める税金の4割しか納められていません。
 自民党・公明党などの政府は、その差額を使って、自治体の行政に関与して、自治体にも無駄遣いを押しつけています。
 民主党は、自治体間の財政力の格差を調整する制度は必要ですが、それでも国と自治体に納める税金の割合は5対5にすべきだと主張しています。

リサイクル行政は都・国の課題だ!

 現在の容器包装リサイクル法では、回収の責任は事業者でなく自治体が負っており、再生利用も国の計画の範囲で義務付けられているに過ぎません。そのため、自治体は回収費などの負担に苦しんでおり、また、税金で負担しているため、廃棄物の減量に結びつきません。
 私たちは、事業者の負担で回収する仕組みを作ることによって、廃棄物となる容器を作らない、売らない方向へ誘導すべきとして、東京都の考えをただしました。都としては、国に対し同法の見直しを求めていくとしています。

東京に自然の道を!
 トンボやカエルがいる街を!

 都心部の気温が異常に上昇するヒートアイランド現象の緩和には緑化とともに、東京湾からの風を導き入れるための風の道の確保が必要です。都心部の開発には、こうした風の道に配慮していく必要があります。また、コンクリートで覆われた地面を土に戻すことで親水性のある街を復活させなければなりません。
 東京都は私たちの質問に対し、空地の確保とともに、道路における透水性舗装の一層の拡大など、雨水浸透の働きを大切にした都市づくりを推進していくと答弁しています。

さようなら化石燃料
こんにちは自然燃料

 石油などの化石燃料は無限ではありません。21世紀の都市は効率的なエネルギー使用を徹底して、地球環境との調和を基本とした省エネルギー型都市づくりを進めなければなりません。私たちは議会で、バイオマスの開発・利用を提言しました。
 バイオマスは、木材、下水の汚泥、生ごみなどからつくられる燃料で、日常生活の結果として生み出される廃棄物からつくられるものです。都はバイオマスの事業化について、平成13年度から調査研究に着手すると答弁しました。

東京に外国人との共生社会の実現を

 私たちは、東京を異文化が共生する誰にも住みやすい街とするため、様々な提言を行いました。例えば、外国人学校に対し、大学受験資格を認めるなど扱いを正規学校と同等にし、助成支援すること。また、都営住宅の空き家を活用して住宅に困っている留学生の受入れを進めることなど、外国人に配慮した制度の整備や東京に住む外国人の意見を聞く場や交流する機会を設けるなど、外国人との相互理解の促進を図るべきであるとし、知事の見解を求めました。東京が真の国際都市となるためには、受入れる側の都民の意識改革も必要と考えます。

自然尊重、玉川上水に史跡指定を

 私たちはこれまで何度も玉川上水の保全について取り上げています。玉川上水の自然を守るために史跡指定が望まれていますが、玉川上水の所有権について国と東京都で争いがあるため、手続きが進んでいません。
 私たちは、石原知事に対し、所有権問題を早く解決して史跡指定の手続きを進めること、及び、玉川上水の環境保全を住民参加で行うよう各市との協議を進めることなどを提言しました。知事は、玉川上水の歴史的価値と貴重な自然について改めて理解を示し、解決に向け積極的に取り組みたいと答弁しています。

子どもは宝、都政が守る!

 保育所の定員数は、申し込み児童数を上回っています。しかし、地域的な偏在や年齢別の受け入れ枠との不一致、延長保育などの保育サービスの差などによって、待機児童が生じています。
 13年度予算では、認証保育制度が創設されることにより、駅前などの利便性の高い場所において、保育時間の長い保育サービスの提供が、期待されます。
 さらに、私たちは、「子どもの権利条例」に取り組むなど、子どもが健やかに育つことができる環境づくりを進めます。

老いても安心、身元保証!

 私たちは、かつての金銭給付型の福祉ではなく、特別養護老人ホームや在宅サービスなどの福祉サービスの基盤を整備することで、誰もが利用できる開かれた福祉に取り組んでいます。
 福祉制度が、行政が決めていた「措置」から、利用者が選択する「契約」に移行するなかで、痴呆性高齢者や知的障害者などに対する権利保障制度を充実させることできました。
 また、高齢者に対する身元保証人制度などにより、ひとりぐらし高齢者が民間賃貸住宅に入居しやすい制度を提案し、東京都も実施を約束しています。

障害者三か年計画が実現!

 障害者施策は、平成15年度から、措置から契約に制度が移行することになっています。
 私たちは、介護保険のようなサービスの不足による混乱が生じないよう求め、東京都も、障害者入所施設の緊急整備三か年計画を示し、13年度予算では、待機者解消に向けた予算を計上しています。
 また、精神障害者については、知的障害者や身体障害者といった他の障害者とのサービスの格差があることから、この是正を強く訴え、東京都も本格的に取り組むことを約束しています。

身近な買い物、身近なお店

 商店街対策は、これまで東京都が中心となって実施してきましたが、私たちは、地域の特性や実情に精通した区市町村が、もっと商店街対策に関わるべきだと主張してきました。13年度予算では、商店街活性化総合支援事業として、区市町村の商店街づくり振興プランが予算化されました。
 商店街振興は、商店街自らが取り組むことが基本ですが、私たちは、地域のまちづくりの視点から、地域住民、NPO等と連携した商店街振興策についても提案しています。

 

 


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