「東京女性財団廃止」について
2001年2月20日
民主党東京都総支部連合会
男女共同参画局長
都議会議員 馬場 裕子
標記の件につき、民主党東京都連を代表して基本的な考えを述べさせていただきます。
まず前提として確認しておきたいのは、「東京女性財団」の廃止を決定するのは、東京都でも、都議会でもなく、同財団の理事会並びに評議員会となります。同財団の理事会並びに評議員会が廃止を拒否する限り、同財団は存続することになります。
問題は、同財団を運営していくための資金です。
東京都は、平成12年度予算では、「女性総合施策の企画調整」に22百万円、「財団法人東京女性財団助成」に279百万円、「東京ウイメンズプラザの運営」に953百万円を計上していましたが、13年度予算では、「男女平等参画施策の企画調整」に26百万円、「東京ウイメンズプラザの運営」に1011百万円として、「財団法人東京女性財団助成」を計上しませんでした。12年度と13年度との差額217百万円の内、これまで財団が行ってきた事業を直営で行うことによって浮く額は72百万円になります。財団事業のほとんどが直営事業となるため、事業自身は存続することになります。しかし、財団に対する助成は執行しない方針のため、財団が存続しても、自前で運営資金を確保しない限り、自主運営もできないことになります。
私たちは、「男女平等推進基本条例が制定され、新たな男女平等参画施策の推進が求められている中での東京女性財団廃止という方針は、それに逆行するような方針である。そもそも、民間の資金や人材、経営ノウハウなどを活用することにより効率的、弾力的なサービスの提供や事業展開を図るために設立した財団であるはずなのに、行政の内部事情だけで、事前の協議も不十分なままで突然団体の廃止方針を示したりすることは、都民の信頼を大きく損ねることになる。こんなことでは、『民間の資金や人材、経営ノウハウなどを活用する』ことなど到底不可能だ」としています。
従って、私たち都議会民主党から出ている東京女性財団評議員は、廃止に反対することになります。
しかし、同財団が東京都の丸抱えとなっていたため自主性・自立性が発揮できず、財団発足8年を経てもなお「民間の資金や人材、経営ノウハウなどを活用することにより効率的、弾力的なサービスの提供や事業展開を図る」ことができていないことが同財団廃止方針の根底にあるため、廃止反対や72百万円の「復活修正」だけでは事態を解決することはできません。すなわち、財団でやっても直営でやっても同じならば、直営でやった方が消費税分だけでも経費を浮かすことができるという論拠を覆さない限り、財団廃止の流れをくい止めることはできません。
従って、先の13年度予算に関する復活要求に際して都議会民主党は、「都民・NPO・企業との協働による男女平等推進施策チャレンジ・プロジェクト」を提案しました。
これは、都直営事業と都民・NPO・企業と行政との協働による男女平等推進施策との競争プロジェクトであり、都民・NPO・企業の智恵・資金・行動力と行政とが協働して直営事業を上回る優れた事業を生み出す2年間のチャレンジ・プロジェクトです。このチャレンジ・プロジェクトの結果、財団を存続させるに足る事業の芽が出てくるならば財団廃止を再考し、直営事業で十分であるならば、改めて財団理事会並びに評議員会に解散決議を求めるというものです。
石原知事も一端は理解を示しましたが、最終的には予算案に計上されませんでした。
私たちは、今後も、東京女性財団が東京都の丸抱えから自立し、「民間の資金や人材、経営ノウハウなどを活用することにより効率的、弾力的なサービスの提供や事業展開を図る」ことができるよう条件整備を図っていきたいと考えています。このことが同財団を真に存続させていく道だと考えています。
以上、現段階での私たちの考えを示させていただきました。