平成15年 建設・住宅委員会

2003年11月27日

  馬場裕子


  一 事業の連携について

一 事業の連携について

◯馬場委員 ただいま倉林委員さんから多摩地域の中小河川の質問が出ました。この河川については、私も自分の地域、特に海岸地域ということで問題意識は持っているんですが、多摩の方と違い、私ども都心の部分は、いただいた地図にもありますように、いわゆる独立水系、下水道計画ということで、下水道の管渠と連携をした河川という扱いになっているということなんですが、そういう問題。
 それからまた、この河川の問題が単に川ということではなく、今のお話にもありましたように、集中豪雨対策、浸水対策等の事業というようなことも含めて考えていきますと、先日の公営企業の下水道局さんの方の質疑のときにも述べさせていただきましたが、降った雨をできるだけ下水に流さないようにする。下水に行くまでは、ある意味では建設局さんの所管、雨水として、下水管に入れば下水道局さんの所管というようなこともありまして、結果的に河川に流されて海に行ったのはだれなのかという、追っかけごっこのような問題を抱えているものですから、今回通告もさせていただきました。また、資料の10にいただいているんですが、局間連携の主な事業ということで、実は少し大くくりで質問をさせていただくことにしました。
 つまり、建設局さんだけの仕事ではない、ある一つの問題を抱えたときに、それを局間連携で解決をしなければならないということがたくさんあるのではないかという思いをずっと持っておりましたので、この辺のことについて、本日は事務事業ということで質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 今述べましたように、都の事業運営というのは、それぞれの皆さんに所管があり、専任というか、それぞれの仕事というふうになっているわけですが、実際にこの事業を進めるためには、単独の局だけではできない事業がたくさんある。そこで、建設局さんが行っている事業の中で、局間連携どのくらいあるでしょうかということで出していただきました。
 今私が述べましたような都民の持っている意識から考えて、この局間連携というのは、一見、都民からは見えないんですが、皆さんの事業の中では大変重要な連携が求められているというふうに思うんですが、この局間連携というのはどんな効果があるというふうに認識していらっしゃるのか、またどのような分野で今行うことができているのか、まずそこからお尋ねいたします。



◯田中企画担当部長 局間連携の効果とその実施分野でございますが、交通渋滞など道路条件や交通規制などの複合的な要因が重なり合った課題につきましては、各局で個別に対策を実施しても必ずしも十分な効果が得られません。
 そこで、例えばスムーズ東京21拡大作戦では、違法駐車の排除や道路施設の改善、さらには渋滞対策の普及啓発などにつきまして、警視庁や当局を含みます複数の局がそれぞれの所管する施策を総合的に実施することにより効果を上げております。
 このように、各局の施策を総合的に実施することにより、一層効果が高められる交通渋滞や環境対策などの分野が局間連携の対象となると考えております。



◯馬場委員 それぞれ複数の局が、それぞれの所管する施策を総合的に実施するため──総合的にという言葉は一口でいってしまえばそういうことなんですが、私ども見ていて、局の中でも大変だろうなというふうに見えるんですが、それを局を超えてやっていくということ、総合的にやるということは、実に難しいのではないかなというふうに思えるのですが、この局間連携を進めるに当たって、具体的にどのように他局と連携調整といったらいいんでしょうか、そんなようなこと、どんな問題点があるのでしょうか、ないのでしょうか、その辺をお聞かせください。



◯田中企画担当部長 他局との調整についてでございますが、例えば本日提出しました要求資料の一〇ページの一番下段に書いてございますアカガシラカラスバトの保護、増殖などのように、当局と環境局の二つの局に関連する事業の場合につきましては、その目的を達成するために、両局で打ち合わせ会などを十分行いまして、互いに問題を明示し調整を図っているところでございます。
 一方、スムーズ東京21拡大作戦などの複数の局に関連する事業につきましては、関係各局による調整の場を設けまして、事業の効率的、効果的執行に努めております。



◯馬場委員 アカガシラカラスバトの件は二局であるし、またスムーズ東京21は複数の局ということなんですが、こうした局、その事業によって関係する局ということで違ってくると思いますが、今のご答弁だとうまくいっているのかなというふうに受けとらざるを得ないんですが、本当はもう少し課題がおありになるのではないかなというふうに思っているんです。
 それは鋭意うまくやっていただくように努めていただくほかないんですが、それでは、局間を出て、先ほどのドッグランのお話にもありましたように、今度は都民との協働というんでしょうか、地域の住民、また都民の協力を得て行っていく、そうした連携が必要な事業というのもたくさんあるというふうに思うんですが、例えば上から三つ目でしょうか、浸水予想区域図の作成、これは下水道局さんとだけではなく、区や市、また地域との連携というのも必要だというふうに考えています。そこでまず、局間の次に地域、区市等の連携はどんな状況なのか、お伺いします。



◯田中企画担当部長 区市等との連携でございますが、局事業の実施に当たりましては、住民の意向や地域の実情を踏まえたものとするため、地元の市区町村との連携は不可欠でございます。
 例えば、お話のありました浸水予想区域図の作成に当たりましては、関係区市を含む連絡会をつくりまして、その中で検討を行ってきております。また、でき上がりました浸水予想区域図を使いまして、関係区市が洪水ハザードマップを作成いたしまして、防災対策に活用しておるところでございます。
 このように、区市との連絡会を通じまして、地域に密着した情報を収集し、地元の実情を踏まえたきめ細かな対応を行ってきておるところでございます。今後とも都の内部の他局との調整だけでなく、積極的に区市町村との連携を図り、現場の実態を踏まえた事業展開を図ってまいります。



◯馬場委員 今、局から区市、民間というふうに広げてきたんですが、もう一つ大きく広域性のあるものということで、他県との連携があるというふうに思います。今いろいろな、ディーゼル車規制も含めてですが、首都圏という範囲、それから通勤圏も含めて、さまざまな事業を、こうした広域的な面から見なければならないのではないかというふうにいわれておりますし、実際にいろいろ検討がされていますが、それでは、建設局さんとして都県間になりますでしょうか、連携についてのお取り組みはどんな状況でしょうか。



◯田中企画担当部長 都県間の連携でございますが、広域的な道路ネットワークや環境問題などは、東京を超えた首都圏的な視点で取り組むべき課題でございます。このような課題につきましては、他県との調整や連携は不可欠でございまして、例えば都県境の河川や橋梁などの計画や整備につきましては、他県との調整を図り、両者の連携のもとで事業を進めてきております。
 今後とも広域的な課題につきましては、都県間の連携を一層進め、実効性ある対応を図ってまいります。



◯馬場委員 最初にお答えいただいたように、広域的な中には、隣同士、例に出されたように、どうしてもまたがる、隣接しているからやらなければいけない橋梁とか道路とかの問題があるというふうに思いますが、問題はやはり、環境とかもう少し広域的な、ソフト面等も含めての問題だというふうに私は思っております。
 実はそこのところは、隣同士であればもう当たり前にやらなければいけないことですので、特段、連携というのは当たり前のことなんですが、そうではない部分で、東京としての、自分のところだけでは解決できない、共有しなければならない空気とか、そうした環境面についてはかなり難しい状況も含めて、もっと積極的にやっていただきたいというふうに思っております。
 そこで私も感じていますのは、局と局との問題。先ほどの言葉では、局と局では調整を行っているというようなご答弁でした。相手が区市になったときには連絡会というようなものを設けてやっていると。都県間でも、これは連携というお言葉を使われました。それぞれがやはりそれぞれの独立した自治体さん、また局と局とでもそうした問題の中で、どのレベルで、どういうふうに、調整だったり連携だったり、またきちんとした連絡会だったり、会という名前がつくのかどうかわかりませんが、そうしたことをきちんとやっていく、つまりどこがどういう責任をとるなり、また積極的にどこかがリードしていくとかということも含めて、あらゆる場合で違ってくると思いますが、その点は現場を持つ建設局として、また実際に道路また公園という大きなハード面を、河川も含めてですが、持つ建設局として大きく役割を果たさなければならないというふうに思っています。
 そうした観点から、今後の連携したこうした事業の推進について、建設局さんの取り組み方針というのがあれば、お尋ねしたいと思います。



◯田中企画担当部長 今後の当局としての取り組みの方針でございますが、都財政が依然として厳しい中で、ただいまご質問ございましたような環境問題や交通問題、さらには防災対策など都政の課題は広域化、複雑化してきております。
 このため、これまでにも当局はさまざまな事業を進めるに当たりまして、他局との連携や事業の重点化、効果の早期発現などさまざまな工夫を行ってきたところでございます。
 今後もこのような課題に迅速に対応していくため、建設局といたしましては、他局との連携をさらに強化するとともに、他県や区市町村との連携も一層推進いたしまして、効果的かつ効率的な事業執行に努めてまいりたいと考えております。



◯馬場委員 最後に意見を申し述べます。
 本日発表になったんでしょうか、第二次都庁改革アクションプランの考え方と実施計画というのを、概要をいただきました。建設局さんの中でも市街地整備部門が都市整備関連ということで再編されるというご予定だそうですが、こうした局そのものを再編するという形のこれからの問題、それから先ほどから述べました、今度再編された局が、ほかの局とどういうふうに連携をとっていくかというようなことも含めて、これからは多様なそうした事業に対する取り組みが必要だというふうに私も考えております。
 この点については、これから提案され、次の定例会予算等の中でまた触れさせていただくことになるというふうに思いますが、今後の事業運営、つまり道にしても公園にしても新規のものがほとんどなくなる中で、改修、またいろんな整備ということが、基本的に、何のために改修をするのか、どう使うから改修をするのかということがきちんとあってされなければ、むだな改修やむだな道路改修費用ということにならざるを得なくなるというふうに思います。
 できるだけ先取りをした他局との連携によって効率的な事業運営がなされるよう要望して質問を終わります。ありがとうございました。