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(各人の名前から詩にリンクしています)
   
伊藤綾子
† 伊藤綾子

今のスタイルになったのはここ10年程。現在は個人サイトで詩を発表。今回が初の詩集発行となる。

個人HP「zero gravity - side B

● 詩集
「ナゲヤリな僕ら」(新刊) A5コピー/26p/10編(生きる・ヨロコビ・生前葬、他)/200円
   
† ウタシロ

物心ついた頃から詩らしきものを書き続ける。詩作は日常生活の一部。その他イラスト・児童小説・雑貨等の創作活動を行っている。

創作情報:「ウタシロ式ドロップ
詩の掲載:「詩人ギルド」(猫目石の名称で詩を投稿)

● 詩集
「蛹化箱」(新刊) A5コピー・カラーイラスト挿絵/24p/10編(箱庭・炭酸金魚・あるべきかたち、他)/350円
「色相環」(再版) A5コピー・カラーイラスト挿絵/28p/10編(カラフル・贈り物または循環問題・「異常透明」・「ジャングルジム」・「春に溢れ出したのは身体測定」、他)/400円
「何かしら明るいもの」 B5オフセット・モノクロ/28p/22編(渋谷駅19時モヤイ前・僕のからだ・おだやかにそとはあめ・こはく玩具、他)/300円
「生活詩・私生活」 A5コピー・カラー写真挿入/16p/9編(しみじみと理科・冷蔵庫・たまねぎ新陳代謝・しらすぼし哲学、他)/300円
「モールス」 A5コピー・カラーイラスト挿絵/24p/12編(透明ノスタルジア・思春期ビタミン・帰路、他)/400円
● 雑貨
 ひょうたん人形etc

ウタシロ
   
杉澤加奈子
† 杉澤加奈子

高校生の頃から詩作を始める。
「神奈川詩の会」同人。
詩集に「幻肢痛」「ママ」がある。

● 詩集
「墨汁」(新刊) A5/10p/8編(夜の水・おかえり・自分人形・いたい、他)/200円
「ママ」(再版) A5/10p/8編(にわ・楽園・雨期・カラフル、他)/200円
 
† 葉月京

学生の頃より浮かぶ言葉を書き留めて今に至る。今回が初の詩集発行となる。

詩の掲載:「詩人ギルド

● 詩集
「なつあざみ」(新刊) A6・手書き/18p/10編(月・時計・(恋する気持ち)・そして、他)/200円
葉月京

 

各人1篇、詩をご紹介しております
 
† 伊藤綾子

生きる

日々、というのは
茶碗によそられた白飯の匂いだ。
昔から知っている、あの。

点滅する青信号
安売りのチラシ
道端の自転車の山
発車ベルの不協和音

この一日は
誰の一日

同じ色の日常を
ぷち
ぷち と
潰していく

街に溢れる人々よ。
貴方の茶碗はどこにあるのか。
縞模様がついているのか。
鞠が描いてあるのか。
小さいのか、それとも大きいのか。

ぷち
ぷち
ぷち

同じ鏡を観るために
また家路につき
一杯の白飯を喰らって
阿呆のように眠るのだ

机の上の書類
繰り返すコマーシャル
弁当屋のメニュー
並んだ吊革

ぷち
ぷち

それとも貴方の茶碗は、
昨日あたり割れてしまったか。

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† ウタシロ

石英病

背骨がきしきしと冷えるので
勧められて医者に行く。
医者はレントゲン写真を何枚も貼り付けながら
首をかしげたのち、さらりと診断を下した。


石英病。


知られていない病名ですが
珍しくはない症状で
貴方の様に背骨に発症するのは
真性なものです。
脊髄から滲み出た
背骨の成分が一部石英化していくもので
背骨全体が石英と化すまで
何十万年かかかりますので
心配なさらずに結構です。
どういうわけだか、
古来貴方の体を形作る成分であった
貴方の形以前のものたちが
体に滲んでくる事がありまして
先祖がえりともいいますが
貴方の場合はそれが石英であっただけの話。
石英化の激しい方のご遺骨は
それはもう立派な水晶の骨で
珍しいものは博物館にも展示されていますが
大丈夫
水晶骨でも生きていくことはできるのです。


合併症状として
透明なもの
冷たくあたたかなもの
瑞々しく乾いたものに
過度に惹かれる状況がありまして
中毒症状をひきおこしますと
それなしでは生活が困難になります。


そうならないように
石英化を遅らせる手段として
日ごろから極力
濁ったたべものと
濁った景色と
濁った思想で
純化を防ぐのがよろしいでしょう。
できるだけ
透明な水は飲まないこと。


私は几帳面に医者の言うことにいちいちうなずく。
医者は透明な丸眼鏡の奥から私を見極め
勿論、
と一息つく。


これらの処置を行わずに
石英の背骨を貫く生き方もあります。
透明に身をゆだねて
純度の高い背骨を作るのも
石英病患者の
ひとつの生き方です。


診断を終え
とりあえず大した病気ではないと
私は勝手に判断し、
普段通りの生活に戻る。
濁ったたべものも食べるし
透明な水も飲む。
今のところは不自由はない。
ただ願うらくは
私の最期


焼かれた骨の中にひとつぶでも

水晶のかけらはでてくるかしら。

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† 杉澤加奈子
夜の水

水からたったいま上がってきたようなかっこうで
乾いた道を歩いていた 
私から滴り落ちた水が道を濡らして
太い帯のように続いていた

引っ張られるように外へ出て
小走りで走った
息が切れるのが心地よかった

欄干の下で誰かが花火をしている

強い力で水のほうへ引っ張られた
頭のてっぺんまで水に浸かり
ゆるく夜の水を吸い込む

ああもういまから
夜が懐かしい
私は電気が消えたとたんに動き出す
蜘蛛のような目をしている

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† 葉月京

時計

あなたを軸に動く日常

あなたのいない日常が

いかに多くとも

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