学校における組織力の維持向上を目的とした学年団システムの機能的役割
第二延山小学校長 岸 達也
品川の教育プラン21は、「変えたい、変わりたい、しかし変わらない学校」の状況を変え、区民の要請や期待に応えることのできる学校づくりを目指して、平成12年度にスタートした。各学校はそれぞれ自校の特色づくりのために必要なシステムを選択し、本校では教科担任制による授業や習熟度別学習、英語学習を推進してきた。しかし、「学校公開」「学校選択制」「外部評価制度」「外部評価結果および学力調査の公表と態度表明」等の社会的環境を整え、「教科担任制」「習熟度別学習」等の特色あるシステムを選択実施しても、それだけでは学校の自主性自律性基いた特色ある学校づくりが実現できるわけではない。確かに、社会的環境やシステムの実施は、「努力せずしても子どもは自動的に学校に入学してくる」という今までの学校の常識を大きく変えた。学校は「保護者の選択」を前にして、公立学校といえども自らを変えない限り存在を維持できない状況に立たされた。ここで学校が為すべきことは、ひとつ、「選択に耐えうるが学校の特色」をいかに創りだすかである。
ここでいう特色とは、一時的なイベントや行事、年度ごとに変わる教育の重点ではない。校長が代わると特色も変わるといったような外からは見えやすいが、子どもの変容があまり期待できない特色でもない。子ども達の育ちをていねいに見取り、発達を扶け、よき社会人、よき日本人、よき国際人を育成するといった「あたりまえの教育をあたりまえに行うこと」、そのための教育システムをどのように構築していくかが、学校の特色づくりである。
本校は、学校選択制の導入以来、児童数は増え続けている。区40校の平均の2倍にあたる割合で新1年生の保護者が本校を選択しており、教科担任制や習熟度別学習等「特色ある教育活動」を選択の理由としている。このことは本校職員にとって大きな励みとなっている。しかし、この4年間の異動で教員はほぼ入れ替わった。今年度の平均年齢は37歳、初任者3名を含め教職経験年数3年未満の学級担任は7名いる。それぞれ使命感に燃え、意欲的に職務に専念しているが、本校の教育活動の水準を維持継続していくには未熟である。一人一人の教師のもつ力のみに願っていては、保護者の信託に応えるには十分ではない。保護者は学校は選べても担任は選べないのである。
そこで本校では経営戦略として、常に1つの学級に複数の教師がかかわり、常に教材研究や授業研究を行い、行事や校外学習等で、協働し、本校の文化・風土を継承することを可能にする「学年団システム」を導入した。学年団システムは、現在本校が「組織体としての教育力」を発揮する上で有効な手段として機能している。本校の学年団システムは3年目を迎え、今年度異動により11名の教師が替わったが、システムが機能することで教育活動のレベルダウンを回避することができた。
本校では平成15年度から3年計画で「国語力」の向上を目的に国語科を中核にした言語教育研究を進めてきた。研究2年目にあたる昨年度、本区小学校校長会の学校経営に関する研究開発学校の指定を受けたことで、学年団協働システムの機能の向上が本校の特色ある教育の質的維持向上にどう結びつくかを実証的に研究することができた。
最後になりましたが、3年間本校の教職員と共に歩んでくださった品川区教育委員会、文教大学教授平沢茂先生、聖学院大学講師中島紀子先生に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
