CB 転換社債

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CB 転換社債
最近では極めて閑散となっているが、株式に転換する権利を持つ社債である。

償還させればただの社債であるが、途中で株式に転換することも出来るのである。
転換価格などは発行時点に設定されているが、当然の事ながら、発行時の株価より高く設定されている。
従って、株価が上昇してゆけば、株式転換行使によるメリットがあるわけだ。

バブル期前は、額面割れの転換社債が面白かった。
当時の定期預金の金利は3%を割り始めていた。
ここで額面割れの転換社債も、額面で償還することから、償還差益とのトータルで、比較的高利回りをとることが出来た。

そしてまた、債券であるから、毎年利息が支払われる。
CB 転換社債の設定上、通常の社債に比べて約半分のレートであったが、これは株式転換の権利と抱き合わせることによって、支払利息を抑えられるという、発行企業側での特典でもある。

たとえば、額面100円の転換社債が95円だとする。
なぜ額面を割っているかというと、会社の株価低迷により株式転換行使の魅力がないためである。(*1)
が、債券である以上、額面での償還を前提とする。(*2)
従って、償還差益として5円が手堅く得られるのである。
仮に2年で5円なら、約年2.5%である。
この中には利息が含まれていないから、トータルでおいしいということだ。

さらに、保有期間中に、業績が急激に回復すれば、CB 転換社債の価格自体、額面を超えて行く場合もある。(*3)
従って、額面以上の値上がりも期待できるわけである。

また、途中で、あるいは償還時点において、株式に転換することによって、以降、株式としての値動きとなる。
この場合、額面 / 転換価格で算出される株数が取得となるため、基本的に端株となり、単位株は株券で、端株は預かりとなる。

この段階で重要なポイントだが、
償還時点で額面を超えている場合、すなわち(略連動的に)株式転換のメリットがある場合だが、そのまま償還すると、額面しか戻ってこない。
しかしながら、株式転換したとして、株価総額が額面を超えるかどうかが微妙な場合もある。
はたまた、株価は日々変動するため、わずかな利ざやの為に株式転換して、その後株価が下がればお話にならない。

もっとも、バブルの後遺症で、償還できない銘柄も発生し、現在では銘柄も少ない為、ここで言ったほどのメリットがある案件ではなくなってしまった。


(*1)
バブル崩壊後では、会社業績により、債券自体の信頼性をも現す場合があり、額面割れ=償還不能率を意味することも想定しなければならない。

(*2)
バブル前は、例え倒産しても、債券市場の信用と安定を図るためと、金融機関の体力もあったことから、何らかの債務保証政策により、ほとんどの債券が額面で償還されていた。

(*3)
株価が転換価格を超えた段階からは、株式転換行使のメリットが生じ、株価に連動した値動きをする。



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新規作成日:2005年4月14日/最終更新日:2005年4月14日