株式投資

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株式投資
俗に言う株取引そのものである。

かつてジャパンラインと言う会社があった。大同海運と日東商船が合併した会社だ。
大型株で、100円から120円の間を推移していた。
当時は中学生くらいなので、株式投資など考えもしなかったが、100円のときに買って、120円のときに売れば、利ざやが稼げることは判っていた。
そして、その上下は、何度となく繰り返した。
もっとも、後年、ジャパンラインは山下新日本汽船と合併し、ナビックス海運となったため、株主にとっては予期せぬ清算を迎えることにはなった。

株式は、会社の資本調達の基本で、投資家から資金を集めて企業を運営し、投資家には株主として配当などの利益を享受する。
これが本来の形である。

が、企業の状態や将来性により、株価には付加価値がつき、投資家の思惑もあいまって、時には実態を超えた値動きもする。
そして、これが過剰なまでに循環したのがバブルであり、実態との乖離による揺り戻しがバブル崩壊である。

株価と言うのは市場価格であるから要は評価額である。
が、損益計算上、この評価額をもって、資産計上するから、企業が保有する株価があまりにも上下すれば、含み損となってゆく。
そして、企業体は年に一度決算をする必要があるから、決算期の価格を以って、その価格を資産額として確定する必要があり、その段階であまりにも企業が保有する株価が低下していると、いくらでも損益を食いつぶしてしまう。
結果、バブル崩壊の反対作用として、必要以上に企業決算の数値を悪化させる。
そして欠損評価は、会社の業績評価を悪化させ、株価低下を招く。
悪循環である。

その意味では、株式投資は、バブル期以前のような、スタンダードな値動きにとどまっていない。
これはまた、インターネットによる取引など、複雑な要素も含んでいる。

株式の投資は、買い付けに始まる。
指値と成り行きがあり、指値は売買価格を指定する方式で、成り行きは、単に売買の申し込みで、価格は市場の趨勢で確定する。
値幅は市場によって制限された幅があるが、指値の場合、その範囲内でいくらを指定してもかまわないが、対応する価格の反対取引がないと成立しない。
たとえば、100円で買いたい、150円で売りたいと、双方異なる指値であれば成立しない。
が、100円で買いたい、成り行きで売る、あるいは、成り行きで買いたい、150円で売りたいと、帳尻が合えば、それぞれ、100円と150円で、売買が成立する。
このとき、100円で買いたいと思っていた人が80円にしてしまえば、80円で売買が確定するし、150円で売りたいと思っていた人が200円にしてしまえば、200円で売買が確定する。すなわち、成り行きと言うのは、市場の状況で値が動いてしまうのである。
従って、投資リスクを限定するためには指値をとるべきだし、流れに遅れないためには、成り行きとしなければ時期を逸してしまう。

上記の例は、単に1株の価格で表示したが、本来は単位株制度があり、一般に、額面 x 株数 = 50000円となるように設定されている。
50円株は、1000株単位 一般にこれが多い
500円株は、100株単位 電力株など
5000円株は、1株単位 NTT、JRなど
などとなっている。
従って、100円 x 1000株 = 100000円が買い付け株価であり、これに手数料が加わる。(*1)

株を買ったら株主となる。
現在、実質株主制度があるから、必要な口座管理の手続きをしておけば、そのまま実質株主となり、以降、株主に準じて権利が生ずる。
配当や、特典に、基本的に差異はない。

が、本来は、名義変更して、株主となるべきでもある。
名義書換は、証券会社が代行するが、手数料が必要である。
が、本券(株券)を出庫し、該当会社の株式業務を代行する信託銀行等に持参して、自分で手続きをすることも出来る。この場合、手数料は必要としないが、本件紛失の危険や時間と手間が必要である。
いずれの場合でも、手続き完了して手元に戻るまで、売却することは出来ない。

取得した株の使い道には、株主としての特典を得るものと、値上がりを待つものと、がある。

株主としての特典の大きなものは、配当である。
が、業績の悪い企業の場合、無配と言って、配当がない。
もちろん、こういった株は、株価がもともと安い。

株価には、本来の企業価値に加え、付加価値が加味されていて、一般に高額である。
株式配当は、株価額面に対して行われるから、50円の株が、市場で5000円していたとしても、あくまで50円に対して配当が行われるから、1割配当の場合、50円の1割で5円となる。
しかし、5000円で買っていれば、配当利回りは、5円/5000円で0.001%となってしまう。
これでは市場金利と大差ない。
が、株価にこの付加価値の加味が少ない銘柄もある。
電力株などがそうだ。
電力は公共的基幹産業であるが、それが為に、株価が高騰する要素は少ないと見られている。
その為、比較的安定した値動きをする。
中部電力の2005.4.15の終値は2510円である。
買い付けに当たっては、100株単位(額面500円)のため、251000円で100株を取得する。(手数料別)(*1)
これに対して、例年年1割の配当が発生しているから、額面500円に対して50円、100株に対して5000円発生する。ここで10%源泉課税されるので、手取りは4500円となる。(*3)
4500円/251000円で1.7928286852589641434262948207171%となる。
今時1.8%近い金利がつく商品はないだろう。
注意しなければならないのは、預金ではないから、必要なときにいつでも現金化することが出来るということにならない点である。
時には値下がりもするし、売ることも出来ないこともある。
もちろん、株式自体、有価証券として資産価値を持つから、担保にして融資を受けたりという道もなくはない。
預金同様の流動性を期待してはいけないが、長期資産としてみればかなり安定していよう。

配当以外でも、優待券など、色々ある。
その優待券を活用することによって、なかなか楽しいこともある。

かつて、関西汽船株では、5割引の株主優待券があり、2等の料金分で、特等室を利用できたりと言うこともあった。

ここで注意しなければならないのは、株主=特典とリアルタイムになるわけではないのだ。
決算時期と言うものがあり、株主確定の期日が定められている。
一般に、3月末と9月末とされている。
従って、この期日に、株主として確定していなければ、権利がないことになる。
逆に言えば、この日に株主として確定すれば、一定の特典が得られることになる。

極端な場合、この期日の前に大量に買い付けて期日に株数に応じた特典を受けてのち、売却すると言う手法もある。
が、一般に、配当落ちと言って、この権利日を境に、その特典に相当する価値が減るわけで、株価も下がる傾向がある。
従って、特典の権利の代償として、株価の差損が生じるのである。
そう、甘くはない。

値上がりを待つものの場合、売値(-売却手数料)-買値(+買付手数料)がプラスにならなければ儲からない。(*1)(*2)
が、投資期間を短期に限定せざるを得ない場合、儲からない例が多々発生する。
売値(-売却手数料)-買値(+買付手数料)がプラスになるまで待つといっても、あまりにも長期間になると、塩漬けと呼ばれ、投資資金が有効に活用されない局面になる。
この場合、さっさと見切って他の銘柄でプラスを取って巻き返す事をする人が多い。
しかし、とりあえず、差損が確定してしまう。

値上がりを当初から狙う場合、対象株式の値動きを注目する必要がある。
株価はある程度の波で上下するから、波の底値で買って、波の高値で売ると一番儲かる。
逆を取ってしまったり、波の読み方が悪いと、一行に儲からないし、損失ばかり積もって資産は目減りしてゆく。

株価が下がったときのもうひとつの手法として、ナンピン買いというものがある。
100円で買ったのに、50円になってしまったら、資産は半減である。
ここで、50円でもう一度買うと、支払い総額が150円なのに、2口持つことが出来、単価75円ということになる。
この後、75円に戻れば、差し引きゼロとなってくれる。
100円を持ったまま何の対処もしなければ、75円に戻っても尚、25円の差損である。
が、もちろんリスクもあり、50円がゼロになってしまうと、総額150円が損失となる。
ナンピンはスカンピンと言われる所以である。

株価は市場の評価額で、企業実態そのものではないにしろ、やはり人気のない理由はそこそこあるから注意は必要である。

ただ、投機的運用を考えるなら、つぶれかかって1円2円となった企業の株を大量に買い付け、もし価格が1円動けば株数分の利ざやが稼げるという話もある。
たとえば、1円なら100000株買っても100000円であるから(手数料を除く)もし2円にあがれば、簡単に200000円になり、倍増、100000円の利益(手数料を除く)が取れる。(*1)(*2)
もちろん、この段階の株価というのは、もはや整理会社で上場廃止直前、売買取引が出来なくなればただの紙切れである。
当然のことながら、この段階の株の価値を見出して、2円で買う人がどのくらいいるか、買い手がなければ売ることが出来ないのである。

尚、言うまでもないことだが、各社ごとに、取引条件は細かく異なり、また、税制などの扱いも異なる要素がある。
ここの試算も、細かい条件は簡略化している。
公示されている数値に嘘はなくとも、実際の手取りで比較すれば大差ない場合も少なくない。
また、為替変動や国際情勢により、先のことはわからない。
リスクを含んでいることを前提に考える必要がある。

特に、取り扱い運用に期限が設けられた場合、その時点で清算する必要が生ずるため、端株分等が否応無しに確定してしまうリスクも潜在する。


売買差益計算の例
単価100円で1000株買付。売買手数料を1800円とする。
\100 x 1000 + \1800 = \101800
単価105円で1000株売却。売買手数料を1800円とする。
\105 x 1000 - \1800 = \103200
売買差益は、
\103200 - \101800 = \1400
これに対して20%が源泉徴収されるので、残りは
\1400 x 0.8 = \1120
利益率は
\1120 / \101800 = 0.01100196463654223968565815324165 = 1.100196463654223968565815324165%
となる。
売買手数料は、金額が大きいほど割安となるし、一般にもっと差益が取れる時点で売却するであろうから、これはあくまで一例である。


(*1)
売買手数料
証券会社や市場、取引形態や金額により異なる。
また、一般に、同日同一銘柄同一市場により取得した場合、取引が複数回であっても合算で計算されることが多い。
一例として、
対面取引(窓口扱い)で100万円以下の場合、約定代金の1.150%+消費税 (最低手数料1890円/税込み)
オンライントレードで100万円以下の場合、約定代金の0.575%+消費税 (最低手数料1890円/税込み)
などである。

(*2) 譲渡益税
売買差益に対して20%課税される。
尚、他の株式売買損益と合算し、損失分を相殺することも出来る。
2005年より、特定口座制度が発足し、証券会社において、この損益計算を計算、申告してもらえ、完結させることも出来る。
この場合でも、他の証券会社の損益と合算して申告しなおすことも可能である。

(*3)
株式配当の源泉徴収税は、高額所得者は確定申告が必要だが、総合課税として算出しなおすことも可能である。
株式配当のもうひとつの特典として、配当控除が得られる。
企業配当は、企業が法人税を支払った残りであるから、税の二重取りを防ぐ観点から、配当控除制度がある。
配当額の10%が税額控除されるから、その分確定申告によって、還付してもらえる。
この場合、配当所得を所得として総合課税として算出しなおすことになるが、トータルで余分に税金を納めることは稀である。

日経平均株価(1988-2004)
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日本郵船株券
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InfoCode: O3



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新規作成日:2005年4月15日/最終更新日:2005年4月15日