株価の読み方(基本)
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株価の読み方(基本)
安いときに買って高くなったら売る、そしてその期間は短いほど良く、利幅は大きいほど好ましく、というのは当たり前の話だ。
が、それが簡単にわかれば苦労はしない。
いかな経験者でも、100%はありえないだろう。
それは、株価変動には見えない要素が多すぎるのである。
とはいえ、ただの博打であれば、競馬などのギャンブルのほうが即日結果が出てくれる。
やはりある程度の分析をし、方向を見極める目も必要だろう。
会社情報
- 業種
海運、サービスなど、企業の活動範囲であるが、多角化した今日、必ずしも全貌を表していない。
- 海外比率
輸出や為替の影響度。
- 従業員
平均年齢。平均年収。人件費を示す。
- 幹事証券
増資、債券発行時の円滑性。
- 銀行
メインバンク、系列。
- 監査法人
会社の情報は、ディスクロージャーとして、各種報告書として公開されている。
この報告書は、監査法人などによって監査が行われたうえで開示される。
が、粉飾決算などは後を絶たない。
その意味では、報告書の信用度は、監査法人がどこかによっても信頼性が分かれる。
粉飾決算で賑わした監査法人などは論外である。
- 株主
同族会社、安定株主、外資、などの傾向が見える。
投資信託、外国人(平均20%程度)は、株価変動に敏感な傾向。
- 役員
世間を騒がせる名前とか、社の命運を預かる名前が記載されている。
- 増資
一般に設備投資。
- 起債
一般に借金返済。
- CB転換社債
転換価格を超えていれば株式転換、売却へ 転換売りが起こる。
下回っていれば負債が大きい。
転換価格に接近時、転換促進の可能性。
- 売上 営業利益 経常利益、利益
企業の状況を示す。マイナスは赤字経営だが、景気低迷の今日、一時的な赤と、耐えられる範囲かと言う会社体力も見なければならない。
特別利益は、含み益の実現化で計上する。
- 連結対象
単独決算 > 連結決算 は、不良子会社の負担が大きい。
- キャッシュフロー
営業キャッシュフローが赤字は論外。
投資キャッシュフローが赤字は設備投資等。黒字は投資をしていない。
財務キャッシュフローは、利益の蓄積か、借金返済か。
手持ち現金。
- 一株益(円)
一株あたりの利益。
- 一株配当(円)
一株あたりの株式配当の実績。
- 格付
会社の格付けを格付け会社が評価したもの。
- 資本準備金
無償増資の資金となるため、ある程度大きくなると無償増資の可能性が増大する。
- 一株あたり純資産
純資産(株主資本) / 発行済み株式数 = 円
株式の資産価値を表している。
仮に会社を清算した場合、一株に対してこの金額が戻ってくるというものである。
一般にこの金額を超えて市場で株価が構成されているわけで、その差が投資家の目論見が生んだバリューということである。
あくまで冗談だが、株価が一株あたり純資産以下なら、すべての株を買い占めて、株主総会を開いて会社を清算すれば、差額分が丸儲けということである。
- ROE(株主資本利益率) Return On Equity
税引き後利益 / 株主資本 x 100 = %
高いほど収益性が良いとされ、効率的な経営とされる。
- ROA(総資産利益率)
利益 / 総資産 x 100 = %
高いほど資産の有効活用が図られているとされる。
- 株価配当率
配当額/株価市場価格 一般に1〜2%の企業が多い。
- EPS(一株あたり利益) Earning Per Share
税引き後利益 / 発行済み株式数 = 円
大きいほど好ましい。
- PER(株価収益率) Price Earning Ratio
PER(株価収益率) = 株価 / EPS(一株あたり利益)
一株当りの利益が50円で、株価が1000円の場合、PERは、1000/50=20倍ということになる。
このPER(株価収益率)の数字が高いほど割高ということになる。
割安株も値上がりすれば、割高になってゆく。
ただ、あくまで相対的に評価するべきもので、業種や、業態によって水準が異なっている。
ちなみに2004.5.20時点の東証1部全銘柄の平均PERは、49.79倍。
バブル当時は、60倍を超えていたようだ。
下図はPERの取りうる数値をグラフ化したもので、縦軸が「株価:EPS(一株あたり利益)」横軸が「PER」
計算上、赤字の場合はマイナスとなるが、この場合プラスの場合とは異なり、PERの数字がゼロに近いほど赤字倍率が高いことを示す。
尚、一般の投資情報では、利益がゼロ以下の場合、一律に「0.00」としており、右図のような緑線を示す。
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- PBR(株価純資産倍率) Price Book-Value Ratio
PBR(株価純資産倍率) = 株価 / BPS(一株株主資本)
企業の現在の株価が、その企業の自己資本(一株あたり純資産)の何倍か示す指標。
純資産とは、企業活動における債権と債務を相殺した後に残る、株主資本や過去の利益の蓄積分のことで(正しくは、株主資本金+利益準備金+剰余金などから算出します)。
PBR(株価純資産倍率)が低い企業は買収の対象となることが多い。
下図はPBRの取りうる数値をグラフ化したもので、縦軸が「株価:BPS(一株株主資本)」横軸が「PBR」
BPS(一株株主資本)がゼロ以下の場合は、債務超過を示し、計算上、マイナスとなるが、この場合プラスの場合とは異なり、PBRの数字がゼロに近いほど赤字倍率が高いことを示す。
尚、一般の投資情報では、BPS(一株株主資本)がゼロ以下の場合、一律に「0.00」としており、右図のような緑線を示す。
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- 配当利回り
一株配当 / 株価
この数字が大きいほど、株主還元率が高いといえる。
日本の場合、一般に1%程度である。
PERに対して、投資家が実際に享受できる配当率。
- 配当性向
一株あたりの配当金 / 一株あたりの利益 x 100 = %
当期利益のうちどのくらいを株主還元しているかという尺度。
- BPS(一株株主資本) Book-Value Per Share
株主資本 / 期末発行済株式数
一株当たり純資産額で、単純な、一株の価値。
その時点で会社を清算したら、戻ってくるであろう価値。
- 株主資本比率(自己資本比率)
純資産(株主資本) / 総資産 x 100 = %
(50%以上)高いほど財務内容が良いとされる。
10%以下は不良。
- PCFR(株価キャッシュフロー率) Price Cash Flow Ratio
株価 / 一株あたりキャッシュフロー
- 一株あたりキャッシュフロー
キャッシュフロー / 発行済み株式数
キャッシュフロー = 税引き利益 - 配当 - 役員賞与 + 減価償却費
- PSR(株価売上高倍率) Price Sales Ratio
PSR(株価売上高倍率) = 株価 / 一株あたり売上高
ベンチャー企業などでは、まだ利益が上がっていない場合も多く、その場合、PER(株価収益率)が算出ではないために使われる。
数字が高いほど割高ということになる。
- DERレシオ Depreciation Earnings Research Ratio
Depreciation(減価償却) Earnings(利益) Research(研究)
DERレシオ = 株価 / 一株あたりDER
将来に対する先行投資のモノサシ
- R&Dレシオ Research & Depreciation Ratio
Research(研究) Development(開発)
R&Dレシオ = 株価 / 一株あたりR&D
研究開発費も先行投資のモノサシ
株価情報
- 始値
市場開始時点の寄付き値。
- 終値
市場終了時点の寄付き値。
- 高値
市場内の寄付き最高値。場が立っている間は刻々変動する。
- 安値
市場内の寄付き最安値。場が立っている間は刻々変動する。
- 前日比
前日終値との差。
- 気配値
売り、買いの気配値。
- 売気配
売り側の希望価格。この価格で買いを入れれば一般に成立する。
- 買気配
買う側の希望価格。この価格で売りを入れれば一般に成立する。
- 複数気配値
売り |
複数気配値 |
買い |
5000 |
304 |
|
4000 |
303 |
|
3000 |
302 |
|
2000 |
301 |
|
1000 |
300 |
|
|
299 |
2000 |
|
298 |
3000 |
|
297 |
4000 |
|
296 |
5000 |
|
295 |
5000 |
市場売買において、現在の状況が表示されている。
複数気配値に対して、売り数量、買い数量が表示される。
この数字によって、直近の価格の推移も予測できる。
- 出来高
当日の売買成立株数。
出来高が大きいほど活況である。
- 年初来高値
1月〜の高値
- 昨年来高値
前年1月〜の高値
- 信用残
株式市場における信用残高。
買い残が多ければ、なかなか上がることはなく、売り残が多ければ、なかなか下がることはない。
- 貸借倍率
買い残を売り残で割ったもの。
数字が大きいほど買い越であり、相場加熱を意味している。
チャート
日々の株価を集計し、グラフにしたもの。
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- 日足
当日の株価の上下を示す。
始値と終値で胴体部分を作り、高値と安値で上下に伸びる上ひげ、下ひげを描く。
終値が始値 より高いときは胴体を白く塗って陽線とよび、逆に終値が始値より安いときは、胴体を黒くして陰線とよぶ。
- ヒゲ
ローソク足とも呼ぶ。
当日の株価の上下のうち、始値と終値から突出した一時的な値を示す。
- 移動平均
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赤線:短期移動平均線
緑線:長期移動平均線
- 短期移動平均
10日線であれば、過去10日間の移動平均を示す。10日間は、市場2週間である。急激な株価変動に対しても、ある程度均した数値を示す。
- 長期移動平均
25日線であれば、過去25日間の移動平均を示す。25日間は、市場5週間である。急激な株価変動に対しても、均した数値を示す。
- 出来高
当日の売買成立株数。大商いが続くと言うことは、将来を見込んで株価上昇中を示すことが多い。
- ゴールデンクロス
短期移動平均が長期移動平均を上回るときにグラフが交差した時点を言う。
一般に、株価上昇の到来を告げると言われる。
しかしながら、移動平均はあくまで直近過去の累計平均であり、明確に判るのは後日になっての結果論でもある。
実際、移動平均の日数幅により、クロスポイントも変動するし。
あくまで兆候であり、早く乗るほど利ざやを取れるが、同時に見当はずれでしくじる可能性も大きい。後日はっきり見極められた段階では、乗り遅れとも言われ既に利ざやの残りも薄味である。
- デッドクロス
短期移動平均が長期移動平均を下回るときにグラフが交差した時点を言う。
一般に、株価下降の到来を告げると言われる。
しかしながら、移動平均はあくまで直近過去の累計平均であり、明確に判るのは後日になっての結果論でもある。
実際、移動平均の日数幅により、クロスポイントも変動するし。
日経平均株価(1988-2004)
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銘柄選定の1案
業績2桁伸び + PER(株価収益率) 1桁台
これは、高業績の割りに、株価人気が出ていないもの。
すなわち、出来高も少なく、流動性が悪い。
が、やがて人気が出てくると、株価が上昇し、出来高も増え、流動性が良くなる。
参考
http://kabu.pos.to/guide.html
新規作成日:2005年4月16日/最終更新日:2007年7月23日