株の買い時売り時

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株の買い時

もっとも安いときに買うのが儲けの元。
しかし、株価が安いということは、それなりに人気がないわけで、経営不振などリスキーな面もある。

安値を狙って買う。
それが底だとおいしいが、その先ずるずる下がると淋しい。
ナンピンをつくのも手だが、更に下がると収拾がつかない。
底の確証が取れるとよいのだが、そうも行かない。
底値の推測にある程度の確証があれば落ち着いていられるが、そうでない場合は不安が募る。
また、あまり欲をかいて安く指して待っているとなかなかつかない。
そして、僅かの差で買えないまま上昇すると、悔しさ100倍である。

動き始めてから買う。
ボックス圏を超えたら買い、という見方もあり、新たな動きを見極めてからであれば、寝かせておく無駄がない。
ただ、波に乗るのは早くなければ意味がなく、乗ったときが波の頂上であれば、高値つかみである。
そして波の大きさについての確証もない。


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A:値上りを待って買う。しかし、値上りまでの期間はわからない。
B:値上り直前を買う。しかし、限りなくAに近い場合もある。
C:値上りを確認して買う。しかし、既にDに達しているかもしれない。


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D:値下りを待って買う。しかし、限りなくCに近い場合もある。


株の売り時

原則論は、買値より安く売らなければ損はしない。
買値より安く売るから損をするのだ。
もちろん、倒産など、ゼロになるリスクは潜在するが。
安く売らないためにはどうすればよいのか。
高くなるまで待てばよいのである。
が、ここで投資家の致命的な事情もある。
短期資金、すなわち、投資期間が限定されている資金で投資を行う場合に問題がでてくる。
たとえば一ヶ月後に必要なお金を、その間に運用しようと考える場合。
一ヶ月後に値上がりしていれば良いのだが、値下がりした場合に困ってしまう。
永久的な余裕資金であれば、値上がりするまで待っていれば良いのだが、何らかの支払いに当てる場合は一旦清算しなければならない。
決済すると言うことは、ここで損益が確定してしまうと言うことである。

高値を狙って売る。
それが天井だとおいしいが、その先ずるずる上がると淋しい。
また、あまり欲をかいて高く指して待っているとなかなかつかない。
そして、僅かの差で売れないまま下落すると、悔しさ100倍である。
上値の推測にある程度の確証があれば落ち着いていられるが、そうでない場合は不安が募る。
天井の確証が取れるとよいのだが、そうも行かない。

下がり始めてから売る。
値下りを見極めてからであれば、高値での利ざやには及ばないものの、そこに至るまで十分膨らませておくことが出来る。 見込みで売った後更に上がって悔しいか、若干の差で確実を取るか・・・。 ただ、確認点は早くなければ意味がなく、遅れるほど下落幅が大きくなるリスクを含む。


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D:天井を狙って売る。しかし、限りなくCに近い場合もある。


Pict_0339.
B:天井を狙って売る。しかし、限りなくAに近い場合もある。
C:天井を確認して売る。しかし、限りなくDに近い場合もある。


ただ、一直線に動くことは極めてまれで、通常は微細な上下動を伴いながら推移する。
そのため、必ずしも早めの売買が利ざやを稼げる保証は無い。
一時的に機を逃しても、あわてて追従せずに、タイミングを待つことも手である。
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ナンピン買い
持株が下落した際、買い足すことによって平均単価を下げるもの。
半分戻せば差引きゼロで、その後の上昇は、ダブルでブラスになってゆく。
が、そのまま下落を続けると、ダブルでマイナスになってゆく為、「ナンピンはスカンピンと」も言われる。
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最終目標値までなかなか上げない場合、一旦一部を売却する。
上昇すれば、儲けそこないだが、高い目標をクリアすればラッキーでもある。
逆に下落すれば、買い戻すことによって、数量が復活し、戻すことによって利ザヤが稼げる。
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有望株の底拾いにおいて、例えば。
1000円のものが900円となったら1株買う。
更に800円に下がったら、2株買う。平均単価は833円になる。
更に700円に下がったら、3株買う。平均単価は766円になる。
下落後の買い増し数が多いほうが、逓減率は高くなる。


価格の推移については悲喜こもごもである。


かつてジャパンラインと言う会社があった。大同海運と日東商船が合併した会社だ。
大型株で、100円から120円の間を推移していた。
当時は中学生くらいなので、証券投資など考えもしなかったが、100円のときに買って、120円のときに売れば、利ざやが稼げることは判っていた。
そして、その上下は、何度となく繰り返した。
もっとも、後年、ジャパンラインは山下新日本汽船と合併し、ナビックス海運となり、更には日本郵船に実質的に吸収されていったため、株主にとっては予期せぬ清算を迎えることにはなった。

しかし、損をしなければ良いかと言うと、それだけでは収まらない。
株式投資のハイリスクを冒す以上、ハイリターンを期待する。
最高値で売れば、最大限の利幅が取れる。
が、この最高値は、残念なことに、後にならなければ確定しないのである。
年初来高値をつけることはよくある。
が、この時が、ホントの最高値かどうかは判らない。
最高値と思って売ったものの、後日更にあがると言うことも多々ある。
逆に、更に高値を期待したものの、以降下がりっぱなしで売り損ねるということも多い。

さて、証券投資をアドバイズする立場の人は、約10%の利ざやが稼げたときに、売却して利益を取ることを勧めるという。
(一説には、売買手数料を稼ぐためとの説もあるが、実際、大きな利ざやを狙ってしぼんでは長期戦ともなるから、ある程度で手堅くという理論には一理ある。)
利食いである。
利ざやが10%なら、売買手数料が往復で約2.1%を引いて残り約7.9%、税金を引いても残り6.4%程度もらえる。
預金金利で年率6%は昔の姿だが、この6.4%程度を得るのに1ヶ月であれば、利ざやの額は同じでも、年率にすれば10倍を超えるから実績値は大きい。
株価は連日上下するから、この上下の中で細かく利を取って行くのが手堅いと言う。
そして、その究極の姿がデイトレードらしいが。
2倍3倍の大もうけを狙っても、そう簡単に動くわけでもなく、欲をかいて欠損するよりも、手堅く利を取って楽しむと言う論理だ。
1回が10%でも、毎月食えれば、1年後に2倍になっている。
同じ銘柄が1年で2倍になる確率は少ないが、10%程度はかなり多い。
細かい波を読むと言うことだろう。

もちろん、どの段階で売買するかは各自の自由である。
しかしまた、市場の実勢は、各自の自由では動かない。
約10%の利ざやも、正味10%を稼ぐなら実は15%ほど差を取りたい。
利幅を広げればあがりもおいしいが、そううまいタイミングで利が稼げれば、みんなディーラーになれる。


また、売買株数もポイントだ。
一気にまとめたほうが整理はしやすいだろう。
が、分散することによって、平均化することも出来る。
合計5000株買いたいときに、オールオアナッシングの方法も良いが、3000,2000、とか、複数に分けて、例えば連日、例えば価格を分けて買えば、平均化や利益アップにもつながる。
もちろん、この方式は積極的なものではない。
が、逆に、自分の発想にのみかけるのではなく、保険をかけることにもなる。
最安値で5000株のつもりが、更に下がると悔しい。
もっとも、3000株の後、2000株が買えずに上昇しても悔しいのだが。
同様に売りについても、確実な天井を取れる保証もないわけで、そろそろというあたりから、分散して売って行くのも手である。
現在、900円でそろそろ上限(想定1000円)の場合、例えば、950,1000,1050で入れる。
1000円まで届かなくても少しは利が取れている。
1000円を超えてもおいしい。
積極的に重点で押すか、ある程度の範囲を持たせるか、一か八か、手堅くかというところだろう。


権利落ち
配当や株主優待の為に株式を持とうとするとき、権利確定日まじかに買えば、保有期間は最小ですむ。
しかし、権利落ちといって、権利確定日の翌日には下げることが多い。
これは、配当や株主優待などの権利取得分が、株価から差し引かれると見るためである。
また、実際には、その権利分の対価を超えて、株価が下げることも多い。
すなわち、株式を通算で持つ場合、権利確定日以降積み立てた分を、次回の権利確定日で分配するわけである。
その意味では、権利確定日までの高値圏で売るか、権利確定日以降の安値圏で買うのも手である。
ただ、時によって、逆行高する場合もあり、確実に下がるわけではない。

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新規作成日:2005年4月28日/最終更新日:2006年1月19日