投資収支・収益率

尚、本情報の利用に関する責任は、当方では一切関知いたしません。


投資をする以上、収支・収益率についてもシビアに見たいものだ。

1000000円を一年定期0.03%で運用し、一年後に300円の金利、税引き後240円、実質利回り0.024%。
これはある意味判りやすい。

1000000円を3ヶ月定期0.03%で運用し、3ヶ月後に75円の金利、税引き後61円。
実質利回りは0.0244%。
75円の金利に対しては、所得税15%で11.25円、地方税5%で3.75円、それぞれ切捨てなので、14円が課税される。
従って、年あたりの利回りとしては、若干有利となってくる。
単純に、同じレートが継続されれば、収支としては、240円と、244円の比較となり有利である。
しかし、残りの9ヶ月間の運用が問題で、何もしなければ、税引き後61円の所得で終わってしまうから、収支としては、240円と、61円の比較となり、お話にならない。

企業会計においては、基本的に単年度決算であり、期初の資産と、期末の資産の差が損益である。
株式などの有価証券は、期末/期初における決算で、市場価格で換算し、価格を固定する。
従って、期初に1000000円のものが、期末に500000円となれば半減だし、次の期末に1000000円となれば、倍増となる。
これはこれで、税務処理上に定められた方式ではあるが、個人が運用成果を見る場合に、必ずしもただしい評価が出来るかどうかは疑問が残る。
もちろん、経済学的にはオーサライズされているわけではあるが、通期で見た場合、元に戻っただけで結果的に変化はないわけで、半減とか倍増とか、一喜一憂しても始まらない。

その意味で、私は通期で見ている。
ただ、この場合、持越銘柄は、前回決算と二重に計上される要素もあるので、計算方法について、良く見極めなければならない。
私の場合は、基本的に、損切りをしないので、最終損益としてはプラスであり、計上されている欠損は、一時的な含み損であるという扱いとしている。

この方式の場合、投入資金と利回りの計算が複雑になってくる。
ここで便利なのが、積数方式である。
銀行預金における、普通預金の計算で使用される方式である。
簡単に言えば、投入資金 x 投入期間 が積数である。
個別案件ごとにこれを計算し、合計、それを単位期間で割れば、単位期間換算での利回りが出てくる。
通常年利回りであるから、一年単位となるだろう。

積数の基本を見れば簡単にわかることだが、100000円を10年と、1000000万円を1年では、積数は同じである。

同一の株を複数時期で運用した場合など、平均化した計算結果が求めやすい。
1024000 x 12ヶ月 + 1000000 x 10ヶ月 + 1015000 x 6ヶ月 = 28378000
ここで期末に、1020000だったとすれば、1020000 x 3 - 1024000 + 1000000 + 1015000 = 21000が利益。
21000 / 28378000 * 12 = 0.008880118401578687715836211149482 で、0.8880118401578687715836211149482%の運用成果ということになる。

また、例えば1000000円が1ヶ月で1050000円となれば、年利回りに換算すれば、
1050000 - 1000000の投入資金 = 5000円の利益
5000円の利益 / 1000000の投入資金 x 12ヶ月 / 1ヶ月 = 60%の高利回りである。
しかし、収益そのもので見れば、5000円の利益 / 1000000の投入資金 = 5%である。
また、年間の資金運用で見た場合、これ以外に損益がないまま、1000000の資金を持っていた場合、
積数は 1000000 x 12ヶ月 = 12000000
5000 / 12000000 * 12 = 5% と、そこそこの運用結果である。

投資には、当たりはずれがつき物であり、目先のヒットが目立つものだが、じっくり計算してトータルで見なければ、実際の収支は見誤ることになる。

10万円が2割増えても、50万円が5%減ればマイナスである。
また、10万円が一年かけて1割増えたところで、100万円が一ヶ月で1%落ちれば同じことだ。




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新規作成日:2005年11月12日/最終更新日:2005年11月12日