電話加入権

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電話加入権


電話加入権とは、旧電電公社時代より始まった、施設整備費負担制度である。

その昔、電話設備の構築は巨額の資金を必要とし、電話網は未開の時代があったが、これを円滑に整備するため、電話加入者に対して、電話加入権として施設整備費用を負担してもらっていた。

その後、全国の電話網の整備はほ完了したが、都市部での加入者急増に対して、個々の開設が後れを取る形となっていった。
そのため、電話加入権は債権的価値を持ち、実際、電話会社の広報でも「資産」として扱っていた。

電話加入権は、加入時の保有が必要だったが、その後の転売に対しての取り決めはなかったようだ。
そのため、正規のルートで電話加入権を取得するには順番待ち状態であったが、市中でも電話加入権の売買が行われており、電話加入権を持つものに対する優先権があったことから、電話加入権には一定の資産価値があった。

が、通信自由化や、携帯電話の普及に伴い、電話加入権制度は、NTTの新規加入者に対する大きな負担であり、NTTの加入者の減少を招く要素となっていった。

これに対して、NTTは、電話加入権制度の廃止の方向を打ち出した。
これにより、電話加入権は、その債券価値が一気に暴落することとなった。

厳密には、電話加入権は、一般の債券とは性質が異なるが、施設整備費用としての資本的要素があり、また、一定の権利を有する制度であり、そもそも電話会社の広報でも「資産」として扱っていたこともあり、既存の電話加入権者からの不満も続出しており、その結論は出ていない。


巷での価値は暴落しているが、これを買い集める業者もある。
これは、電話加入権の権利関係が法的に確定していないため、投機的な運用に走っている現われである。
従って、倒産した会社の残存価値を巡る投機と同様の要素があり、一か八かのものである。




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新規作成日:2006年1月2日/最終更新日:2006年1月2日