資金運用

尚、本情報の利用に関する責任は、当方では一切関知いたしません。


資金運用


といっても、ここでは投資運用ではなく、資金融通の話である。

一般に、預貯金の場合は、一度預け入れすれば、そのまま置きっぱなしとなる。
満期日には出金するか、継続するか、預けかえるか程度のことである。

ここで、投資が絡むとなかなか難しい。

一つの証券会社で全額運用というのが面倒がないが、投資が長期化すると、或いは投資商品をいくつか組み合わせようとすると、複数の扱い会社に口座を持つことになる。
ここで、資金の移動が問題となる。

証券投資の場合、約定日はあくまで契約の日付であって、本来、実際に資金の清算が行われるのは、受渡日であり、通常、4営業日後である。

扱い会社によっては、約定以前の、注文段階から資金拘束するところもあり、この場合は、不足して慌てる必要がない。
が、資金効率上は、注文総額に制限がつけられるわけで、面白くないし、資金が事前になければ注文が出せない。。
逆に、資産残高を掛目に注文が出せる場合には、注文時点での現金残高は気にする必要がなく、約定によって資金確保が必要となってきて、受渡日までに残高を満たしている必要がある。

運用効率としては、最低限度の資金拘束が好ましいが、残高管理をしっかりしていないと、金策に駆けずり回らなければならなくなる。

更に注意点は、受渡日が異なる清算が並行する場合である。
例えば、
現金の入出金は、即日、もしくは翌営業日に清算される。
MMFなどは、翌営業日に清算される。
株式や投資信託は、通常4営業日後に清算されるが、いくつかの条件によって、5営業日となる場合もある。

従って、受渡直前の必要額が残っているときに、当日売却した株式分を、現金出金してしまったりすると、帳簿上は残高の範囲内に見えてしまう場合があるのだが、受渡直前の必要額分が不足してしまうことも発生する。
この場合は、未清算金額を勘案して出金額を決めるか、出金の日付を考慮する必要があるわけである。

売った分で買ったつもりでも、資金化が一日遅ければ、買った分の資金を一日早く別枠で用意しなければならない。

また、資金移動もコストがかかる。
一般に、証券会社からの出金は、証券会社が負担してくれる。
一般に、証券会社への入金は、投資家が負担する。
また、預金口座間の資金移動にも、振り込み手数料を必要とする。
が、最近では、ネット振替により、預金口座間の資金移動に手数料がかからない扱いも多くなっている。
ただ、金融自由化のおかげで、各社さまざまなサービス体系となっていて、各社扱いが異なっている。
自分の預金口座と、証券会社の間の提携関係等も関わってくる。
また、金融機関が合併を繰り返す今日、同じ金融機関名であっても、システムは合併前の各社のもののままで、おかげで旧社名が異なっていれば、利用できないサービスも出てくる。
例えば、東京三菱銀行と、UFJ銀行が合併し、三菱東京UFJ銀行となったが、システムは、旧東京三菱銀行と、旧UFJ銀行がそれぞれ存続しているから、UFJ銀行と提携していた証券会社でも、東京三菱銀行と提携していなかった場合、東京三菱銀行の口座では、サービスが受けられないわけである。
両者のシステム統合が未完了で、両システムにブリッジをかけて、対外的に一つのシステムとして見せようとしても、自ずと限界が出てくる。
こういった場合、例えば、旧東京三菱銀行のシステムに、提携サービスを組み入れてもらえばよいのだが、なかなかそうも行かないらしい。
従って、旧UFJ銀行にも口座を作り、旧東京三菱銀行 - 旧UFJ銀行 - 証券会社、と、振込みを段階的に行う必要も出たりする。
この場合、旧東京三菱銀行 - 旧UFJ銀行の振込みに当たっては、システム上自社内で完結しておらず、旧東京三菱銀行 - 全銀協 - 旧UFJ銀行という、通常の他行間の振替となるため、必ずしも即時の資金移動が出来なかったりする。




戻る TOPに戻る

新規作成日:2006年1月27日/最終更新日:2006年1月27日