銘柄分析 航空機産業編
尚、本情報の利用に関する責任は、当方では一切関知いたしません。
2005年の航空機受注は、主要二社で2000機と、2001-2004年の平均の3倍を超えた。
主要二社とは、アメリカのボーイングと、ヨーロッパのエアバスである。
両者は、民間航空機のシェアを争っているが、ボーイングの絶対的優位を、ついにエアバスが奪っている。
アメリカのボーイングは、B29に代表される軍用機メーカーだが、ジャンボ747のヒット以来世界の民間航空機分野の筆頭となっている。
ジャンボ機747は、当初軍用輸送機としてロッキードC5と争い敗れたもので、皮肉なことに軍用需要を得たロッキードよりも、民需転用を図ったボーイングは爆発的需要を得て今日の繁栄を得ている。
(通常なら100機単位の契約が取れる軍用機が魅力的だが、大量輸送時代の需要に乗れたことがポイント)
ヨーロッパのエアバスは、フランスの企業を中心としたヨーロッパ共同企業で、A300以来民間需要の拡大を図っている。
国際化が計られている今日、自国一社ですべてをまかなうことは不可能で、世界の各国の企業の優れた分野のパーツが選び使用されている。
この分担シェアは、B767で15%、B777で21%、B787では35%をわが国が占めているほどである。
B747、B767、B777、A300
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超音速旅客機は、コンコルドが実用化したほかは、旧ソ連のツポレフと、ボーイング2707が開発されたが、前者は実機を飛行させたものの実用化には至らず、後者も早期に開発中止となった経緯がある。
コンコルドが就役を終わった今日、超音速旅客機の空席を埋める動きも始まっている。
軍用機で超音速機は多いが、戦闘機など瞬発的なもので、超音速旅客機は巡航速度として音速を維持できる高度な技術が要求される。
コンコルド、ボーイング2707
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⇒日本の艦艇建造所
⇒世界の重工業企業
- 7011三菱重工業
総合重機トップ。造船・原動機・航空宇宙・防衛・産業機械で他を圧倒。宇宙ロケット開発の中核。
大型航空機分野では、胴体や主翼、扉などを担当。
小型機では、MU2、MH2000が有名で、ビジネスジェットにも展開。
防衛庁向け航空機では、F4EJ、F1、F15J、F2、SH60Jなどを担当。
2005の半年で約1.6倍と順調に上昇中か。
目下低位のカテゴリーなので、当面は1000を目標か。
\537(2005.12.22)
52週高値 584 52週安値 269
PER 455.00倍 PBR 1.56倍
\546(2006.2.3)
- 7012川崎重工
総合重機大手で陸海空に展開。鉄道車両・2輪車・中型ガスタービンに強み。
産業用ガスタービンの国内シェア最大。
大型航空機分野では、胴体や扉などを担当。
防衛庁向け航空機では、P2J、P3Cなどを担当。
2005の半年で約2.2倍と順調に上昇中か。
目下低位のカテゴリーなので、当面は500を目標か。
\439(2005.12.22)
52週高値 496 52週安値 171
PER 56.19倍 PBR 3.72倍
\445(2006.2.3)
5/7付け日経新聞で、川崎重工、石川島播磨は、NASAやボーイングなどと共同で、次世代超音速旅客機の開発に乗り出すと報じられた。
\429(2006.5.8)
- 7013石川島播磨
総合重機大手。航空宇宙は民間ジェットエンジンで首位。造船で三井造船、川崎重工と提携。
航空機エンジンも、V2500、CF34、GEnxなどを手がける。
大型航空機分野では、エンジン部品などを担当。
ガスタービンエンジンの国内最大手。
2005の半年で約2.3倍と順調に上昇中か。
目下低位のカテゴリーなので、当面は500を目標か。
\388(2005.12.22)
52週高値 417 52週安値 147
PER 242.31倍 PBR 3.83倍
\378(2006.2.3)
5/7付け日経新聞で、川崎重工、石川島播磨は、NASAやボーイングなどと共同で、次世代超音速旅客機の開発に乗り出すと報じられた。
\429(2006.5.8)
V2500
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CF34-8C航空エンジン
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- 7270富士重工業
旧中島飛行機。GM系列脱しトヨタが筆頭株主に。軽や4駆車で「スバル」展開、航空機部門も。
大型航空機分野では、翼などを担当。
小型機では、エアロスバルが有名。
防衛庁向け航空機では、UH1、AH1などを担当。
52週高値 701 52週安値 437
PER 25.57倍 PBR 0.92倍
\595(2006.2.3)
\573 (2007.7.26) PER 25.69, PBR 0.9
- 7224新明和工業
旧川西飛行機。ダンプ等の特装車1位。飛行艇など航空機部門に特色。水処理など環境分野を強化中 。
防衛庁向け航空機では、PS1、US1などを担当。
52週高値 749 52週安値 452
PER 23.44倍 PBR 1.06倍
\659(2006.2.3)
\584 (2007.7.26) PER 22.46, PBR 0.86
- 3402東レ
合繊最大手。アジア・中国に一大基盤。高分子・有機合成・バイオ化学で先端材料開発を強化。
大型航空機分野では、機体の軽量化に欠かせない炭素繊維などを担当。
52週高値 1,002 52週安値 454
PER 39.74倍 PBR 3.09倍
\972(2006.2.3)
\964 (2007.7.26) PER 24.1, PBR 2.28
\953 (2007.7.31) PER 23.82 PBR 2.26
- 3403東邦テナックス
帝人傘下。PAN系炭素繊維は世界2位。北米・欧州の炭素繊維拠点拡充し日米欧で生産拡大。
大型航空機分野では、機体の軽量化に欠かせない炭素繊維などを担当。
52週高値 987 52週安値 299
PER -70.76倍 PBR 22.55倍
\944(2006.2.3)
2007.9帝人の100%子会社化
- 3404三菱レイヨン
大型航空機分野では、アクリル繊維樹脂や機体の軽量化に欠かせない炭素繊維などを担当。
52週高値 804 52週安値 356
PER 33.46倍 PBR 3.50倍
\787(2006.2.3)
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- 5726住友チタニウム
高品質の金属チタンで世界首位。航空機向け3割でその生産変動が業績左右。住金・神鋼系 。
大型航空機分野では、機体の軽量化に欠かせないスポンジチタンなどを担当。
52週高値 22,270 52週安値 3,385
PER 134.36倍 PBR 11.00倍
\21390(2006.2.3)
- 5711三菱マテリアル
セメント、銅、加工、アルミ、電子材料の総合経営、半導体300ミリメートルウエハで先行。
大型航空機分野では、航空機エンジンのタービンブレードなどを担当。
52週高値 657 52週安値 230
PER 44.11倍 PBR 3.17倍
\637(2006.2.3)
- 6268ナブテスコ
帝人製機とナブコが統合、事業持ち株会社に。産業ロボットの関節用精密減速機が世界で6割。
大型航空機分野では、電源や制御機器などを担当。
52週高値 1,597 52週安値 642
PER 34.22倍 PBR 4.23倍
\1491(2006.2.3)
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- 6946 日本アビオニクス
\455 (2007.7.26) PER 10.73, PBR 1.26
- 6807 日本航空電子
\1784 (2007.7.31) PER 20.45 PBR 2.79
- 6841 横河電機
\1628 (2007.7.31) PER 30.54 PBR 1.86
- 7701 島津製作所
\1285 (2007.7.26) PER 26.33, PBR 2.68
- 5108ブリヂストン
タイヤ世界3強の一角。米国などタイヤ海外生産は23カ国、45拠点。子会社でスポーツ用品。
大型航空機分野では、タイヤを担当。
52週高値 2,625 52週安値 1,935
PER 16.80倍 PBR 1.99倍
\2335(2006.2.3)
- 7408ジャムコ
航空機用内装品(ギャレー・ラバトリー)で世界1位。ADP(炭素繊維構造部材)も製造。
大型航空機分野では、内装設備などを担当。
52週高値 2,020 52週安値 503
PER 246.35倍 PBR 3.67倍
\1685(2006.2.3)
- 6807日本航空電子
航空機搭載電子機器。
各銘柄、PERやPBRの倍率が高いのが気になるが、企業体力があるため、景気低迷時にも耐え切る余力でも有り、国際的な活況に向かい、利益が2倍、3倍と上がるにつれ、展開が楽しみともいえる。
特に、株価が500円を割っているところは、配当がない代名詞でもあり、今後配当が実現するに当たり、妙味も拡大するといえる。
新規作成日:2006年2月4日/最終更新日:2006年5月8日