個人向け国債

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個人向け国債


最近発行されているものに、個人向け利付き国庫債券(個人向け国債)というものがある。
10年・変動金利型は、期間10年で、変動金利制となっている。
期間10年は長期国債の基本だが、この低金利時代に応じて固定金利としてしまうと、さすがに購入意欲がわかないことから、将来の金利上昇にあわせて、変動の含みを持たせいる。
ただ、金利が、基準とする長期国債の利率-0.80%のため、2005.12分の初回では0.68%となってしまう。(下限0.05%)
尚、個人向けの特色として中途で額面で解約することも出来るが、この場合、直近の2回分の利金を税引き前で差し引かれるため、差し引き元本割れとなる場合もある。
郵便定額貯金の受け皿としての位置づけもあるから、長期資産としては安定しているようだが、短期の資金運用には向いていない。
もっとも、定額貯金の利率も0.02%程度であるから、その意味では、2年前後寝かせれば、いつ中途解約してもトントン以上ともいえる。
また、仮に期間が短くて額面割れするといっても、約0.1%程度であり、適用利率にもよるが額面の約99.864%以下となることはなく、一般の国債が金利上昇時に大幅に額面割れすることを思えば、元本割れの度合いは低いといえる。


利率0.68%のまま変動がなかった場合の例。
但し、通算期間での「元本+利息」の受け取り合計での計算例であって、中途解約時点では、元金に対して確実に元本割れとなった金額しか戻ってこず、その差は既に利息として受け取っているということである。
中途解約時の実質年利回り。
1年: -0.136%
1.5年: 0.090666667%
2年: 0.204%
2.5年: 0.272%
3年: 0.317333333%
3.5年: 0.349714286%
4年: 0.374%
4.5年: 0.392888889%
5年: 0.408%
5.5年: 0.420363636%
6年: 0.430666667%
6.5年: 0.439384615%
7年: 0.446857143%
7.5年: 0.453333333%
8年: 0.459%
8.5年: 0.464%
9年: 0.468444444%
9.5年: 0.472421053%
10年: 0.476%
満期時の実質年利回り。
10年: 0.544%


金利の変動がない場合は、前述の論理がほぼ成り立つ。
Pict_0444.

が、金利変動局面では考慮が必要である。
直近の支払済み利息2回分が差し引かれるが、経過利息は別である。

従って、金利上昇局面では、金利上昇分の利払い直前に中途解約すれば、減額分が少なくてすむことになる。
Pict_0445. Pict_0446.

逆に、金利下降局面では、金利下降分の利払い直後に中途解約すれば、減額分が少なくてすむことになる。
Pict_0447. Pict_0448.

2005.末には、5年物の個人国債も設定されたが、中途解約に関しては当初の2年間は出来ず、また、過去4回分の利子分が留保されるから、償還まで保有することが大前提であろう。
10年・変動金利型の利率変動がない場合の実質年利回りと比較してみると、5年の満期を除いてメリットがないといえる。

5年・固定金利型は、期間5年で、固定金利制となっている。
金利は0.80%(2005.12分)と、10年・変動金利型よりも利率はよい。
個人向けの特色として中途で額面で解約することも出来るが、この場合、直近の4回分の利金を税引き前で差し引かれるため、差し引き元本割れとなる場合もある。


利率0.80%の場合の例。
但し、通算期間での「元本+利息」の受け取り合計での計算例であって、中途解約時点では、元金に対して確実に元本割れとなった金額しか戻ってこず、その差は既に利息として受け取っているということである。
中途解約時の実質年利回り。
2年: -0.16%
2.5年: 0%
3年: 0.106666667%
3.5年: 0.182857143%
4年: 0.24%
4.5年: 0.284444444%
5年: 0.32%
満期時の実質年利回り。
5年: 0.80%


個人向け国債 変動10年の発行条件
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/kojinmuke/contents/outline/hendouTop.html




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新規作成日:2006年4月26日/最終更新日:2006年4月26日