投資レポート

尚、本情報の利用に関する責任は、当方では一切関知いたしません。


投資レポート、ここで言うのは、主として証券会社等で配布されている資料で、「ウイークリー」「投資週報」などの名前が付いている。

一般に店頭で無償配布されているが、優秀な担当者はこまめに送ってくれる。
また、購読料によって定期的に送付されるものもある。
最近では、同様の内容が、ホームページ上で閲覧できたりもする。

内容的には、市況概観、話題性のあるネタの分析、個別銘柄のレポート、当面の予定、セクタ分析、日本株・外国株・債券・為替などの分析、などである。

昔は「これが儲かる」というような使われ方をしたのだが、最近では「情報提供のみ」で「投資判断は投資家本人」というスタンスとなっている。

もっとも、配布元のスタンスとしては、取引をしていただかないと手数料収入にならないから、煽るほどではないにしろ、取引の活性化を想定する書き方になるのも致し方ない。
また、過去の明確な数字を除けば、しょせん、分析の見解であり、その通りに市況が動く保証はない。
それは、市況自体が市場参加者の意志の総和で動いているわけで、いかに正確な分析を述べたとしても、それを信じない投資家は別の動きをし、趨勢はその全体の方向で定まってしまう。
そもそもが「確実な買い時」であれば「売る人」は存在せず、約定しないということになってしまう。

本来、投資全体を言うなら、「これが儲かる」というのも「今買えば儲かる」のか「今信用ででも売れば儲かる」のか整理されていなければならない。

一般に、分析が出ている個別銘柄は、概ね半年のうちに+30%を想定するものが掲載されていることが多いようだ。
ただ、それは、一本調子でもないわけで、掲載=購入指示、と考えるのは早計である。
一般に、無難な投資分析というのは、各社のノウハウがあるとはいえ、概ね類似した結果が出てくるから、各社の記載銘柄が同じものが出てくることが多い。
されば、一斉に買いに走る動きも現れ、ために株価が上昇し、乗り遅れを危惧する面が飛びつくから、更に高騰する。
が、急騰は反動が来るわけで、一時的には値崩れを起こすことが多い。
従って、掲載銘柄は、ウォッチすべきであり、状況判断をすべきである。
そもそもが、分析レポートがまとまった時点から、印刷、送付の日数の間に、社会情勢は変っていたりする。

その意味で、個別の銘柄と同時に、市況概況や、日本株・外国株・債券・為替などの分析によって、世の中の趨勢を見ることは大事である。
一般に、「確実な方向」を知りたがるが、そんなものは誰にもわからない。
ただ、付和雷同的に流れる、目先の投資ではなく、本質を見極めた中長期の投資を想定するなら、結論を期待するのではなく、その、変動要素を見ておくことが大事ということになる。

今が旬の話題として、海運とバルチック海運指数がある。
バルチック海運指数は運賃指数だから、上昇すれば、傾向として、海運の運賃収入が上昇する。
が、海運各社は、安定的収益を目指す観点から、その多くは長期契約だから、目先にバルチック海運指数が上昇を続けても、既に長期契約により運賃は確定しているのでうれしくもなんともない。
もちろん、全船が長期契約ということではないから、フリー船の契約時には有効となるわけだが、それは一部に限られる。
また、バルチック海運指数は外航船もばら積み船についてであり、コンテナ船などの定期船や、内航海運は、事情が異なる。
更には、内航フェリーなどはこういった活況とは裏腹に、苦しい経営状態を続けている。
しかしながら、株価を見ていると、本来のバルチック海運指数で連動される範囲を超え、動いたりしている。
外航ばら積み船を持っていなければ、まったく関係はないのだが・・・。


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新規作成日:2007年9月6日/最終更新日:2007年9月6日