1498 沼津 海上自衛隊 輸送艦おおすみ搭載LCAC ビーチング訓練
1498 沼津 観測記 平成21年8月26日 水曜 曇り/晴れ 6:00〜15:00
今日は、海上自衛隊 輸送艦おおすみ搭載LCACの、ビーチング訓練(離着岸訓練)を見学に出動。LST(戦車揚陸艦)型の輸送艦の訓練としての、ビーチング訓練(離着岸訓練/海岸救難訓練)は、しばし、静岡県沼津市今沢(片浜)の海岸で実施されていたが、LCACは平成14年2月20日が初めての実施で、そのとき以来だ。
この地での訓練は、以前よりここで行われていたが、事前情報や、調整が難しく、また、箱根より遠方でも有り、2001-2002年の3回しか見学した事がなく、同時に、海上自衛隊も、LST(戦車揚陸艦)型輸送艦の減少に伴い、新しい形の訓練となっている。
今回は、陸上自衛隊 富士総合火力演習で御殿場へ来ており、演習実施日の間にいちいち東京まで戻るのも面倒なので、そのまま転進。
4:45マック(84581km)⇒6:05着。
片浜駅のそばから浜辺へ出てみると、釣り客は大勢いるのだが、気配がない。
大体どのあたりでやったかの記憶もあいまいで、なにより、海上自衛隊の関係者はおろか、輸送艦の姿も見えない。。。以前は7:00過ぎには気配はあったのだが。。。
とりあえず、予定時刻の8:00まで様子見。
と、6:18 遠方にLST4001おおすみの姿が。
8:10頃には、沼津港沖でLST4001おおすみが搭載艇を揚収。
8:20やがて海岸では海上自衛隊の関係者訓練予定のアナウンス。そしてゴミ拾いをしている。乗り上げ地点付近は、エアクッションにより舞い上がる為だ。
陸側の要員は、搭載艇で沼津港に上陸、静岡地方協力本部の車で送ってもらったらしい。
10:02 LCAC2102が発進、10:20ランディング、10:24 LCAC2101発進、10:34ランディング。LCACは、在来の揚陸艦艇と異なり、喫水下がないので、そのまま浜辺に上がれてしまう。その後、両艇が何度も、ランディング訓練。エアクッションによる吹き上げは、砂煙を上げる程度なのだが、推進器の風は極めて強く、100m規模で地面の物を吹き飛ばす。スラストの風も馬鹿にできない。昼は両艇とも、ランディングして昼食。
途中、ここの常連ではあるW@清水なる御仁が登場。
なにやらブツブツいっていたと思ったら、蹴っ飛ばしてくる。「写すのに邪魔だからどけ」みたいな事を言っているようだが。。。この広い海岸で写しているのはホンの二三人なのだから、自分がちょっとずれれば済むことだろうが。。。
この御仁、以前、ある出版社に「自分の写真と記事を送ってやるから使え」みたいな手紙を送って顰蹙を買っていたが、自分のが採用されない腹いせだろうか。。。
午後は、前回見たときは、LCAC同士の救難訓練だったが、今回はランディング訓練のみ。やがて14:55、海岸側の海上自衛隊員をのせて、LCAC2102離岸、撤収。
LSTの訓練の場合は、乗員全員が参加するが、LCACの場合、結局2艇の乗員中心の訓練となるようだ。
LCACは、当初、個艦の搭載艇とされていたが、自衛艦籍に移され、第一エルキャック艇隊とした運用により、適時、輸送艦に派遣される形となっている。
が、実質、基本的には、配置が固定していて、個艦の搭載艇と似たようなもので、何らかの理由で使えないときに、融通しやすくされているという。
逆に、要員のほうは、全体の組織運用的なものも多く、通常の乗員よりもハードなようだ。
途中、16:00-19:20マック246長泉店でデータ処理。
撮影枚数 約1367。
訓練参加艦艇
輸送艦 LST4001 おおすみ、搭載艇LCAC2101、LCAC2102
LCACは、アメリカ海軍制式の物と同型で、エアクッション(ホーバークラフト)型である。当初国産も計画されていたが、Textron社製の、アメリカ海軍と同一の物が輸入された。
90式戦車1台の搭載が可能である。
アメリカのLCACとは、部隊での管理方式が異なり、海上自衛隊は、個艦の搭載艇の扱いとなっている。
LCAC(エルキャック)固有の乗組員は5名で、クラフトマスター(CM 操縦)、エンジニア(EMG 機関操作)、ナビゲーター(NAV レーダー要員)、ロードマスター(RM 見張り)、デッキエンジニア(DE)がいる。更に艇指揮にあたるOICが乗り込む。この他に2隻の整備のために8人の専門スタッフがいる。
通常の定員は24名で、運航中は乗員と言えどもデッキに出る事はできない。人員輸送の場合は、プレハブ式のハウスを組み上げて、キャビンとして約130名搭載する。
緊急時は、車両(トラックなど)を搭載、固縛し、人員を収容する方式を取る。
LCAC(エルキャック)とは、エアクッション型揚陸艇(Landing Ccraft AirCushion)の意味である。
新規作成日:2009年10月2日/最終更新日:2009年10月2日