692 観艦式週間 観測記 平成12年10月21日 土曜 〜 平成12年10月29日 日曜

前哨戦
今年の観艦式は、中央観閲行事が陸海空持ち回りになって2回目、昨今の自衛隊人気も含めて混雑が予想された。以前は5枚か10枚も応募すれば何とかなったのだが、抽選倍率は平均7倍、本番は40倍程度と言われる。インターネットを活用した、融通が行われるのは喜ばしい事だが、度を過ぎた情報合戦や、乗艦券販売など、暗い物も付きまとう。今回、各方面より、格別の計らいを頂き、感謝。

平成12年10月21日 土曜 晴/曇り 横須賀(吉倉)〜相模湾 9:00~17:10
◎海上自衛隊 観艦式 部隊訓練
今日は、部隊訓練の見学へ。7:37西小山⇒7:48田園調布・急行⇒8:10/8:19横浜・特急⇒8:45汐入⇒9:00前 入門。今日は観閲艦DDH143「しらね」に乗艦。格納庫上にお仲間が布陣していたが、座席配置なので、上甲板左舷前方(ASROC横)に陣取る。出港前、音楽隊の演奏が始まり、「軍艦行進曲」のリクエストがあったが、「しかるべき時に」と。果たして9:45軍艦行進曲演奏裏に出港、11:15頃ヘリで(観閲官)乗艦、12:00頃 制形。12:15頃〜12:45頃 観閲。航空部隊は各編隊1機づつ。南向きでの観閲は、逆光で海面反射が凄い。登舷礼の敬礼は、本番ではないので行われなかった。今回、陸上自衛隊は、輸送艦「おおすみ」の甲板上に、車両を並べての参加。反転時、後続の単縦陣は圧巻、「たちかぜ」「ちょうかい」なども観閲部隊の末尾へ続航。13:00頃~13:35頃 訓練展示、ボフォースは実弾を射撃、水中爆発による衝撃の水圧が船体に響く。ミサイル艇と、LCACの高速航行は圧巻、思ったより近く、100-300mmでも十分。US-1Aは、低空飛行のみ実施。P3Cの対戦爆弾投下もフライパスのみ。13:40頃 指揮官挨拶、14:00頃ヘリで(観閲官)退艦。今回、帰路の、5吋砲、ASROCの操法展示の実施はなかった。14:45? DD975 O'Brienと反航。本艦のボイラーは2基で、バーナーが各7、ウォームアップは2〜4時間とか。16:20着岸。17:00自衛艦旗降下。17:18出場、17:25横須賀⇒(18:10横浜)⇒18:30品川⇒18:45目黒で撤収。
・吉倉警備隊地区在泊の船舶 ASY91はしだて
・米軍基地在泊の艦船 SSN、SSN642 KAMEHAMEHA、DD975 O'Brien(夕方出港)、LCC19 Blue Ridge、IX503、FFG51 GARY
・海洋科学技術センター在泊の船舶 「かいれい」

平成12年10月22日 日曜 曇り 横須賀(吉倉)〜相模湾 8:15~16:40
◎海上自衛隊 観艦式 事前訓練1
今日は、事前訓練1の取材へ。集合時間の指定が早かったのだが、まさかの寝坊、7:38起床。正にスクランブル出動。7:54西小山⇒田園調布⇒/7:38横浜・特急⇒9:05汐入⇒9:10 入門。今日は観閲艦DDH143「しらね」に乗艦。まずはヘリ甲板で、観閲官乗艦訓練。乗艦者数は、昨日よりも少な目。9:45出港、11:15頃ヘリで(想定)観閲官乗艦を格納庫上から撮影。12:00頃 制形。ここで、事前調整のヘリ甲板下に布陣するが、調整がうまく出来ていない様で、ヘリ甲板へ移動。12:15頃〜12:45頃 観閲。航空部隊の編隊は定数のようだが、MH53Eが来なかった。南向きでの観閲は、逆光で海面反射が凄い所だが、今日の曇天は、ちょうど良かった。登舷礼の敬礼は、本番ではないので行われなかった。今回、陸上自衛隊は、輸送艦「おおすみ」の甲板上に、車両を並べての参加。反転時、後続の単縦陣は圧巻、「たちかぜ」「ちょうかい」なども観閲部隊の末尾へ続航。13:00頃~13:35頃 訓練展示、アクシデントか訓練の一環か、5吋砲の不発もあった。ボフォースは実弾を射撃、水中爆発による衝撃の水圧が船体に響く。ミサイル艇と、LCACの高速航行は圧巻、思ったより近く、100-300mmでも十分。US-1Aは、今日も低空飛行のみ実施。US-1Aの離着水性能は、波高3メートルで、なぜ降りられないのか。これは、一般救難の場合は、風向きによって、飛行経路を選べるのだが、観艦式の場合、東西方向以外では、飛行できない為、風向きに左右される。P3Cの対戦爆弾投下は実弾。13:40頃 指揮官挨拶、14:00頃ヘリで(想定)観閲官退艦。今回も、帰路の、5吋砲、ASROCの操法展示の実施はなかった。16:10着岸。17:00自衛艦旗降下。16:40出場、17:10横須賀⇒18:15品川⇒18:30目黒で撤収。
・吉倉警備隊地区在泊の船舶 ASY91はしだて
・米軍基地在泊の艦船 SSN、SSN642 KAMEHAMEHA、LCC19 Blue Ridge、IX503、FFG51 GARY
・海洋科学技術センター在泊の船舶 「かいれい」

平成12年10月23日 月曜 小雨 横浜 18:20〜18:40
◎一般公開:横須賀(吉倉、船越)横浜(新港埠頭)、満艦飾/電灯艦飾
今日は、横浜の電灯艦飾撮影へ。17:15目黒⇒1800?桜木町⇒1820MM21。新港埠頭が暗いと思ったら、LST4001「おおすみ」 は電燈艦飾を実施していない。更には、瑞穂埠頭の各艦も実施していない。18:30からだったかな、と、確認すると、「天候不良の為中止」うーん、そういうパターンもあったのか。久々の不発。で、19:00頃の電車で撤収。

平成12年10月24日 火曜 晴れ 横浜、横須賀(吉倉、船越) 18:15〜21:40
◎一般公開:横須賀(吉倉、船越)横浜(新港埠頭)、満艦飾/電灯艦飾
今日は、横須賀の電灯艦飾撮影へ。17:07品川⇒18:00?汐入。先ずは吉倉地区へ。今回は取材申請の為、基地内へ。18:25?広報係長のご案内で、西の隊員宿舎の屋上へ。続いて、吉倉桟橋、艦列の後方から撮影。その後、岸壁から写して、総監部屋上。俯瞰写真で最近出ているのは、どうも鉄塔の上からの撮影のようだ。20:00吉倉地区での作戦終了。20:06JR横須賀⇒JR田浦。長浦市営桟橋へ、かつては観閲艦も努めた往年の精鋭「たかつき」が停泊している。果たして21:00田浦への転進を決行。こういう時は車が便利だが、夕方の東京からの廻送は堪らない。21:20頃到着、掃海艇などの正面や、たかつき級を写した所で21:30消灯。あおくもの正面も欲しい所だったが…。21:55京急田浦到着。この時間の接続はかなり悪い。22:15汐入・特急⇒23:05?品川⇒泉岳寺⇒三田⇒目黒にて撤収。

平成12年10月25日 水曜 曇り/小雨?
◎海上自衛隊 観艦式 事前訓練2
航空機の観閲は、第2法。潜水艦「さちしお」、展示に不参加。

平成12年10月26日 木曜 晴れ 横浜(瑞穂、新港) 8:55〜21:40
◎一般公開:横須賀(吉倉、船越、横須賀新港)横浜(新港埠頭)木更津、満艦飾/電灯艦飾
今日は、瑞穂埠頭の取材へ。米陸軍の埠頭だが、観艦式期間中、海上自衛隊の艦艇がズラリ並ぶ姿は、国内の他のいかなる港でも見ることができない。7:56駐車場(70287km) ⇒8:55瑞穂埠頭(70312km)、早速、各艦と、艦列を撮影。2〜3隻ずつ、6群になっていて、瑞穂埠頭の全バースを使用している。10:00前〜10:50シースパローの換装訓練をしている艦があった。抜き出すのに約20分、装填するのに約25分、なんと、10人掛かりの人力作業で、クランク微調整を人力でまわし、中間は電動ドリルを流用する仕組みになっている。弾庫やキャニスターには、羽根をはずして収容するので、かなりの時間がかかりそうだ。12:40一旦出場。12:52新港埠頭(70320km)、LST4001「おおすみ」の一般公開へ。甲板上の陸自車両を、艦橋から見下ろせるのは圧巻。15:20出場、大桟橋へ駆け込み、15:30〜16:10港内遊覧船「快進2号」で、瑞穂埠頭の艦列を正面から洋上撮影。下船後、ターミナルを一巡。いつ出来るとも知れなかった大桟橋も、ようやくその敷地部分の排水がおわっようだ。新港埠頭で遅い弁当。17:50⇒18:15瑞穂埠頭(70329.5km)。電燈艦飾の撮影。始めはまだ明るいので(特に曇り空では仕上がりがしっくりこない)、東端から西端へ、そして折り返し一陣の作戦。風が強く、艦も電飾の揺れ気味なのが残念。埠頭西端まで進んだ頃、風はヤヤ弱まった。しかし、一巡完了前に、21:30の消燈時刻が迫る。21:30駆け込み撮影で完了。21:40(70334km)出場⇒22:30(70354km)駐車場。
・埠頭展示車両: 野外炊具1号、人名救助システム。
・LST4001「おおすみ」 搭載車両
甲板上:73式小型トラック×2。水タンク車、燃料タンク車、73式トラック×2。冷凍冷蔵車、浄水セット、野外炊具1号、洗濯セット、高機動車。82式指揮通信車×2。96式装輪装甲車×2。化学防護車×2。除染車B型×2。救急車×2。野外手術システム。
艦内:クレーン車、フォークリフト、81式自走架柱橋、92式浮橋、73式小型トラック。

平成12年10月27日 金曜 晴れ/曇り?
◎海上自衛隊 観艦式 予行
潜水艦「さちしお」不参加。DD121「ゆうぐも」出港後、反転、帰港。ヘリ発艦展示、DD103ゆうだち搭載機離艦せず。

平成12年10月28日 土曜 曇り/雨 横浜、横須賀(船越、吉倉)、横浜、うみほたる、横浜 9:15〜21:35
◎一般公開:横須賀(吉倉、船越、横須賀新港)横浜(新港埠頭)木更津、満艦飾/電灯艦飾
車で、8:28(70357km) ⇒9:15〜9:45新港埠頭。続いて山下埠頭から、瑞穂埠頭の艦列を。ちょうどPL113のじま が出港。本牧埠頭を一巡して、南下。野原君と合流し11:20〜12:20田浦、船越。長浦⇒大洋グランド裏⇒マンションの山⇒13:10?〜14:30吉倉地区。DDH141「はるな」見学、不審船対策の銃座も確認。横須賀新港には、護衛艦3隻もいるが、今回は見送り。佐藤さんと、北上、国道357経由、15:45〜16:10?新港埠頭。山下さんの車と、一路、川崎へ。東扇島へ迷走したが、浮島の公園駐車場へ1台置いて、東京湾アクアライン、18:10?うみほたる(70514km)。「もしかして、空振りか、でも、わざわざ来る人の為に実施か」と気をもんだが、うみほたる南方洋上に5隻の艦影。5隻の配置が気になっていたが、比較的艦列をなしていた。潮の流れか、ちと向きが気に入らないが、致し方ない。かなり距離もあるようで、「ふたみ」の電飾ははっきりしているが、「とわだ」は半減、「さがみ」はうっすら状態。バスで来場の児玉氏と合流、19:00〜夕食。その間、向きが変わるかと期待したが、「とね」「ちくま」は、相変わらず斜め正面。20:00〜東京音楽隊の演奏。20:10⇒浮島で山下氏と解散。「横須賀、横浜の電燈艦飾は雨で中止」と言う噂もあったが、確認が取れないので再び南下。新子安で野原君を降ろして、新港埠頭から電燈艦飾実施を確認、増速⇒21:23山下埠頭、アングルがないので、2個所5分で十分、21:30電灯艦飾終了。21:45桜木町⇒22:40駐車場(70572km)

平成12年10月29日 日曜 小雨・風 横須賀(船越)〜相模湾 8:50?~17:00?
◎海上自衛隊 観艦式
6:55伊藤さんの車で⇒7:59羽田⇒7:21横浜ベイブリッジ⇒8:00船越着、8:10過ぎ、TV3508「かしま」乗艦。本艦は、外人招待客向けの艦で、大使等外交官、駐在武官、外国プレスなどが乗艦する。一般客を含めて、約450名乗艦との事だが、どうも、外人招待客約100、プレス約30以外は、乗員と、自衛隊関係者のようだ。ロシアからは、駐在武官(長・海、陸、空、補佐官・海)と米軍関係を除けば最大規模の参加。その他、撮影順に、ポーランド(陸)、ブラジル(海)、ウクライナ(陸)、ミヤンマー(陸)、インドネシア(海)、ニュージーランド(空)、フランス(海)、メキシコ(海)、イタリア(海)、ルーマニア(陸)、イスラエル(陸)、タイ(空)、イギリス(海)、カナダ(海)、フィリピン(海)、ドイツ(陸)、等をお見掛けした。今日は、観艦式の制式パンフレットが頂けるはずだったのだが、乗艦時の封筒には英語版で、逆に日本語版のを捜す、ついでに、余りも確保。「観艦式を見た」と言っても、以前は、事前訓練や予行が多かったが、今回は「本行」だ。しかしながら、あいにくのお天気。雨の予報が、それほど降っていないのが幸いだが、風が強く寒い。海上行動には「自宅を出る時1枚余分に上着を」が鉄則。通常、観閲官たる総理大臣は、ヘリで「しらね」へ飛来するのだが、今日は天候の都合で、吉倉から乗艦。12:13?観閲開始、観閲部隊から見る、受閲部隊の登舷礼は素晴らしいところだが、天候不良の為、中止か?。受閲航空機部隊は、悪天候用の第3区分で、かなり寂しい。US-1Aの離着水は、今日も実施されなかった。ミサイル艇が、観閲附属部隊の横を、高速で追い抜いていったが、観閲附属部隊乗艦者にはとってもサービス。撮影データ、ASA200、f5.6、1/125程度、+0.3。音楽隊は、呉音楽隊が演奏。16:10?着岸、16:20?下艦、16:40伊藤さんの車で⇒17:25南太田⇒17:50平和島⇒18:15品川にて撤収。

作戦終了
一週間を超える作戦が、怒涛のように流れていった。正直言って、シンから疲れ果ててしまった。と言うより、過労ならぬ、過遊死がちらつく状態。写真も、毎日12本前後で、50本強写してしまった。さすがに3回も乗艦すると、往復の航海は飽きてくるが、艦の航行序列により、写せるものが変化するので、出来る事なら、下見、観閲艦、先導艦、受閲部隊旗艦、観閲付属部隊、外国人招待艦、取材ヘリ、と乗りたかったところだが、欲を言えばきりがなく、大満足の観艦式週間だった。写真の結果も、枚数の割にはイマイチだが、要所はそこそこ押さえられているようだ。しかし、上がってきた袋を目の前に、呆然とする日々、整理ははかどらない。


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新規作成日:2000年11月2日/最終更新日:2000年11月3日