789 沼津 海上自衛隊 輸送艦 ビーチング訓練

789 沼津 観測記 平成13年11月8日 木曜 晴れ/曇り 7:50〜12:30

今日は、海上自衛隊 輸送艦の、ビーチング訓練(離着岸訓練/海岸救難訓練)を見学に出動。この訓練は、LST(戦車揚陸艦)型の輸送艦の訓練として、しばし、静岡県沼津市今沢(片浜)の海岸で実施されている。しかしながら、事前情報や、調整が難しく、また、箱根より遠方でも有り、今日が初めての見学。と同時に、海上自衛隊も、LST(戦車揚陸艦)型輸送艦の減少に伴い、これが最後の機会かもしれない。
車で行くか、電車で行くかは、毎度悩む所で、現地機動(スカンジナビアや、戸田の資料館など)の為には車だが、目標を絞れば、移動に責任を持たずに済む公共輸送だ。果たして4:30起床、5:05西小山⇒5:18/5:20武蔵小杉⇒5:39/5:47横浜⇒7:37片浜。東海道線は、22シートの車両でゆったり。三島から富士山が見えたが、綺麗に笠雲がかかっていて、オイシソウな毒きのこに見えると共に、雨の兆し。とぼとぼ浜辺へ出てみると、沖でオペレーション開始の兆し。と、急速に接近し、8:00 LST4153さつま ビーチング。8:20海岸救難訓練開始。約1時間で終了。しばしLCMが機動運動の後、10:20 LST4103ねむろ ビーチング。浜辺の目標の旗などをかたずけて艦内へ入ったので、これが今日の訓練の最後のようだ。10:40? 海岸救難訓練開始。約1時間で終了。沖合いへ下がった後、12:20 LST4103ねむろ と、さつま搭載艇2隻が、沼津沖へ航行していった。13:00片浜⇒13:10沼津⇒15:17品川にて撤収。
この海岸は、砂浜ではなく、砂利浜だ。砂利の上は歩くのが大変で、撮影陣地変更には苦労した。この西数キロは、約25年前、台風避難の際、貨物船「ゲラテック」が浜辺に乗り上げた田子の浦の浜に続いている。ちょうど、最後の元第一輸送隊司令とごいっしょさせて頂き、貴重なおはなしをうかがえた。また「忙しくて行ってられない」と言っていたW@清水氏も、見学されていた。
浜辺には、目標位地正面に、白線が引かれ、その上に2個所に、旗が広げられていた。ビーチングに際しては、観音開きの艦首門扉を開け、艦首歩板を半分開いた状態で、約6ktで接近、沖合い約300mで後部錨を落し、ビーチング、砂利にのし上げて約10mで停止。黒色菱形形象物を掲示し、運動不自由船を示していた。また、国際信号旗の、R旗、U旗 などを掲揚していた。一般の国際信号旗と、意味が異なり、海軍艦艇が一般の国際信号旗として使用する場合、回答旗に続いて掲揚する。
さつま搭載のLCM2隻が、輸送艦周辺を遊弋し、適宜接岸したりするが、特に大きなパワーを持って、艦の位地を保持すると言う事はなかった。艦首から、錘付きのロープ(小索)が浜辺に張られるが、今回は、艦位保持と言う事ではなく、縄の引っ張り具合で、離岸の兆候を観るものらしい。海岸救難訓練は、艦が乗り上げたまま離脱する事が出来なくなった場合に、曳航する事によって離脱させる訓練である。救難艦は、浜から200-300m沖に主錨を落し、回頭して艦尾同士を向ける。救難艦がサンドレットを投げ、被救難艦は、竹竿でこれを受ける。そしてワイヤーで両艦を結びつけ、曳航する。離脱が目的なので、実際に曳航索に力が加わるのは僅かである。これは、被救難艦も、後進をかけ、艦尾錨の巻き上げにより、自力離脱を図る為だろうか。沖合いに、AGS5102ふたみ型海洋観測艦 が遊弋しているが、伊豆にある技術研究本部の支援であろうか。

訓練参加艦艇


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新規作成日:2001年11月8日/最終更新日:2001年11月9日