811 沼津 海上自衛隊 輸送艦 ビーチング訓練
811 沼津 観測記 平成14年1月18日 金曜 曇り 7:50〜15:00
今日は、海上自衛隊 輸送艦の、ビーチング訓練(離着岸訓練/海岸救難訓練)を見学に出動。この訓練は、LST(戦車揚陸艦)型の輸送艦の訓練として、しばし、静岡県沼津市今沢(片浜)の海岸で実施されている。しかしながら、事前情報や、調整が難しく、また、箱根より遠方でも有り、去年について、今日は2回目の見学。と同時に、海上自衛隊も、LST(戦車揚陸艦)型輸送艦の減少に伴い、これが最後の機会かもしれない。
車で行くか、電車で行くかは、毎度悩む所で、現地機動(スカンジナビアや、戸田の資料館など)の為には車だが、目標を絞れば、移動に責任を持たずに済む公共輸送だ。果たして4:30起床、5:05西小山⇒5:18/5:20武蔵小杉⇒5:39/5:47横浜⇒7:37片浜。東海道線は、22シートの車両でゆったり。途中乗車の人々は雨具を持っていて、路面も濡れている…。前回の教訓から、最短ルートでとぼとぼ浜辺へ出てみると、LST4103ねむろ搭載艇が、乗り上げ地点付近の測量・状況観測を行っている。数回アプローチした後、8:20揚収。今日はなかなか開始の兆しがなかったが、8:35 LST4153さつま 前進開始、8:47ビーチング。9:20海岸救難訓練開始、10:00離岸。しばしLCMが遊弋の後、11:20 LST4103ねむろ ビーチング。海岸救難訓練開始、12:40離岸。今回は、浜辺の目標の旗などをかたずけずに離岸したので、午後もやるようだ。ふと、10人程度のグループがLSTの資料コピーを片手に見物しているので聞いてみると、横浜防衛施設局の関係者のようだ。しばし待って、14:15 LST4103ねむろ 前進開始、14:25ビーチング。14:40独力で離岸。浜辺の目標の旗などをかたずけて艦内へ入ったので、これが今日の訓練の最後のようだ。沖合いへ下がった後、LST4153さつま搭載艇が揚収されていたので、今回の訓練は終了のようだ。15:36片浜⇒熱海⇒横浜にて撤収。
この海岸は、砂浜ではなく、砂利浜だ。砂利の上は歩くのが大変で、撮影陣地変更には苦労した。この西数キロは、約25年前、台風避難の際、貨物船「ゲラテック」が浜辺に乗り上げた田子の浦の浜に続いている。
浜辺には、目標位地正面に、白線が引かれ、その上に2個所に、旗が広げられていた。ビーチングに際しては、観音開きの艦首門扉を開け、艦首歩板を半分開いた状態で、約6ktで接近、沖合い約300mで後部錨を落し、ビーチング、砂利にのし上げて約10mで停止。黒色菱形形象物を掲示し、運動不自由船を示していた。また、国際信号旗の、R旗、U旗 などを掲揚していた。一般の国際信号旗と、意味が異なり、海軍艦艇が一般の国際信号旗として使用する場合、回答旗に続いて掲揚する。
さつま搭載のLCM2隻が、輸送艦周辺を遊弋し、適宜接岸したりするが、特に大きなパワーを持って、艦の位地を保持すると言う事はなかった。艦首から、錘付きのロープ(小索)が浜辺に張られるが、今回は、艦位保持と言う事ではなく、縄の引っ張り具合で、離岸の兆候を観るものらしい。海岸救難訓練は、艦が乗り上げたまま離脱する事が出来なくなった場合に、曳航する事によって離脱させる訓練である。救難艦は、浜から200-300m沖に主錨を落し、回頭して艦尾同士を向ける。救難艦がサンドレットを投げ、被救難艦は、竹竿でこれを受ける。そしてワイヤーで両艦を結びつけ、曳航する。離脱が目的なので、実際に曳航索に力が加わるのは僅かである。これは、被救難艦も、後進をかけ、艦尾錨の巻き上げにより、自力離脱を図る為だろうか。
訓練参加艦艇
輸送艦 LST4103 ねむろ、LST4153 さつま、さつま搭載艇 さつま01、さつま02
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新規作成日:2002年1月18日/最終更新日:2002年1月18日