817 沼津 海上自衛隊 輸送艦おおすみ搭載LCAC ビーチング訓練

817 沼津 観測記 平成14年2月20日 水曜 快晴 7:50〜15:00

今日は、海上自衛隊 輸送艦おおすみ搭載艇LCACの、ビーチング訓練(離着岸訓練)を見学に出動。LST(戦車揚陸艦)型の輸送艦の訓練としての、ビーチング訓練(離着岸訓練/海岸救難訓練)は、しばし、静岡県沼津市今沢(片浜)の海岸で実施されていたが、LCACは初めての実施である。この地での訓練は、以前よりここで行われていたが、事前情報や、調整が難しく、また、箱根より遠方でも有り、去年以来2回しか見学した事がなく、同時に、海上自衛隊も、LST(戦車揚陸艦)型輸送艦の減少に伴い、新しい形の訓練となった。車で行くか、電車で行くかは、毎度悩む所で、現地機動(スカンジナビアや、戸田の資料館など)の為には車だが、目標を絞れば、移動に責任を持たずに済む公共輸送だ。果たして4:30起床、5:05西小山⇒5:18/5:20武蔵小杉⇒5:40/5:47横浜⇒7:37片浜。東海道線は、22シートの車両でゆったり。、最短ルートでとぼとぼ浜辺へ出てみると、遠方にLST4001おおすみが遊弋している。海岸では海上自衛隊の関係者がゴミ拾いをしている。乗り上げ地点付近は、エアクッションにより舞い上がる為だ。LCACの訓練はここでは初めてと言う事で、警察4名、消防6名を始め、地元や、防衛施設局関係者が集まっていた。8:54?おおすみ艦内でLCACがエンジン始動、9:05 LC02ランディング、9:10 ?LC01進発、9:21タッチアンドゴーの後ランディング。LCACは、在来の揚陸艦艇と異なり、喫水下がないので、そのまま浜辺に上がれてしまう。9:50?〜参観者がLC02を見学。10:30〜12:00?、両艇が、交互に何度も、ランディング訓練。エアクッションによる吹き上げは、砂煙を上げる程度なのだが、推進器の風は極めて強く、100m規模で地面の物を吹き飛ばす。スラストの風も馬鹿にできない。昼は両艇とも、ランディングして昼食。午後は、LCAC同士の救難訓練と言う事だった。果たして、陸上の機材を撤収し、海上沖合で、両艇がエアクッションを停止した状態で、ランデブーを繰り返していたが、人影は見えたものの、曳航索を渡したり、曳航したようなものは確認できなかった。やがて更に沖合へ離脱し、15:00前後、相次いでおおすみの艦内へ揚収されていった。LSTの訓練の場合は、乗員全員が参加するが、LCACの場合、結局2艇の乗員中心の訓練となるようだ。15:36片浜⇒16:09/16:15熱海⇒/17:45横浜にて撤収。

訓練参加艦艇
輸送艦 LST4001 おおすみ、搭載艇LC01、LC02

LCACは、アメリカ海軍制式の物と同型で、エアクッション(ホーバークラフト)型である。当初国産も計画されていたが、Textron社製の、アメリカ海軍と同一の物が輸入された。
90式戦車1台の搭載が可能である。
アメリカのLCACとは、部隊での管理方式が異なり、海上自衛隊は、個艦の搭載艇の扱いとなっている。
LCAC(エルキャック)固有の乗組員は5名で、クラフトマスター(CM 操縦)、エンジニア(EMG 機関操作)、ナビゲーター(NAV レーダー要員)、ロードマスター(RM 見張り)、デッキエンジニア(DE)がいる。更に艇指揮にあたるOICが乗り込む。この他に2隻の整備のために8人の専門スタッフがいる。
通常の定員は24名で、運航中は乗員と言えどもデッキに出る事はできない。人員輸送の場合は、アメリカでは、プレハブ式のハウスを組み上げて、キャビンとして約130名搭載するが、日本ではまだ導入されておらず、緊急時は、車両(トラックなど)を搭載、固縛し、人員を収容する方式を取る。
LCAC(エルキャック)とは、エアクッション型揚陸艇(Landing Ccraft AirCushion)の意味である。


p2173003. p2172015. p2173029.

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新規作成日:2002年2月20日/最終更新日:2002年2月20日