SHI住友重機械工業浦賀艦船工場最終建造艦 護衛艦「たかなみ」引渡
神奈川県横須賀市浦賀町の「住友重機械工業浦賀艦船工場」(通称・浦賀ドック)において、2003年3月12日、最後の建造艦の引き渡し式が行われた。
式典には、日納義郎・住重社長や古庄幸一・海上幕僚長らが出席。
引き渡された「たかなみ」に自衛艦旗が授与され、午後に配属先の海上自衛隊横須賀基地に向けて出港した。
引き渡し式には、住友重機械工業や引き渡しを受ける海上自衛隊の関係者ら約1000人が出席し、最後の建造船となった護衛艦「たかなみ」(4600トン)を感慨深そうに見送った。護衛艦「たかなみ」も、浦賀の町に「帽振れ」で感謝を表していた。
その後、護衛艦「たかなみ」は、15時過ぎ、進水の地(追浜)沖を航行し、横須賀港へ入港、15:40海上自衛隊横須賀基地吉倉桟橋に着桟した。
尚、護衛艦「たかなみ」の建造は、追浜にある住友重機械工業横須賀製作所の大型船渠で平成13年7月26日に進水後、浦賀艦船工場へ曳航され、艤装工事が行われていた。
浦賀ドックがある神奈川県横須賀市浦賀町は、米艦隊ペリー司令官が浦賀沖に来航した1853年、幕府が浦賀造船所を設置した日本の造船の発祥地。
前身は1897年(明治30年)に創業した浦賀船渠(せんきょ)株式会社で、これまで駆逐艦や青函連絡船を含め1000隻以上を建造し、海に送り出してきた。
しかし、造船界の再編で昨年10月にIHI石川島播磨重工業との間で設立された船舶海洋事業会社の横浜工場(横浜市)に統合されるため、今月末で105年の歴史に幕を閉じることになる。
敷地内には、大型艦船を建造した滑り台式大型船台や、大型クレーンなど、貴重な施設が数多く残る。
跡地の利用を巡っては、こうした歴史遺産を引き継ぐ「野外博物館」にするよう求める「浦賀ドック野外船舶技術ミュージアム設立推進会議」(山本詔一議長)が設立され、ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊東大名誉教授や全国各地の大学長らが賛同者に名を連ねている。
しかし、住重側は「大型クレーンを放置するのは危険」として、今月末までに撤去する方針らしい。
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新規作成日:2003年3月12日/最終更新日:2003年3月12日