二式大艇が船の科学館から鹿屋へ
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船の科学館に展示されていた「二式大艇」が、海上自衛隊鹿屋航空基地史料館に移管されることとなり、2003年12月17日、譲渡式が行われた。
本機は、終戦後アメリカに接収、米本国で性能評価され、保管されていたもので、残存する唯一の機体。
1979.4.23、アメリカ海軍ノーフォーク基地において返還式が行われ、7月にはわが国に帰還した。
その後、復元作業の後、1980.7より船の科学館において、展示公開されていた。
今回の、海上自衛隊鹿屋航空基地史料館への移管は、機体の維持整備などに有利である点と、旧海軍機を多く展示してある点などから、本機の将来にとっては喜ばしいものである。
譲渡式
日時:平成15年12月17日(水)14:00〜14:30
場所:船の科学館 〒135-8587 東京都品川区東八潮3-1
内容
14:00 目録贈呈式
14:10 関係者挨拶
14:30 式典終了
移転作業の詳細は未定だが、1月中旬から解体が始まり、2月下旬に船で搬送、ゴールデンウイークを目途に公開が開始される見込みであった。
尚、これに伴う費用(解体、搬出、移送、現地基礎工事、組立)など約7750万円は、すべて日本財団より拠出される。
また、本日より2004.2.15までの期間、二式大艇正面のボートハウスにおいて、写真展「写真でつづる二式大型飛行艇」が開催された。
2004.2.20現在、作業継続中で、搬出は3月3日未明、同日船で鹿屋に向かった。
二式大型飛行艇
二式飛行艇は、旧日本海軍の軍用機で、爆弾や魚雷を搭載できる高性能の大型飛行艇として開発された。
主な任務は、偵察、輸送、索敵、哨戒など、長大な航続距離を生かした作戦や任務に用いられ、太平洋戦争においては、昭和17年(1942)3月の「第2次ハワイ攻撃」や昭和20年(1945)3月のウルシー泊地の米軍艦艇への特攻作戦「梓特別攻撃隊」の誘導任務などにも使われた。
二式大型飛行艇12型要目
全長:28.1m、全幅:38.0m、乗員:10名
発動機:1850馬力×4基
最大速度:453.2km/時(高度5000m)
最大航続距離:約7200km
離水距離:295m
十三試大型飛行艇として、昭和13年(1938)夏、海軍より川西航空機製作所(現在の新明和工業)に対して、九七式飛行艇に代るべき、近代的な4発高性能飛行艇の試作指示があり、開発された。「十三試」とは、昭和13年を意味している。
「二式」の名称は、十三試大型飛行艇として試作機が完成し、各種試験ののち昭和17年(皇紀2602年)2月、制式に採用され、皇紀2602年の末尾の「2」より「二式飛行艇」という制式名称が与えられた。
二式大型飛行艇、及び二式大艇は、本艇が巨大なことからつけられた愛称。
川西航空機製作所は、現在、新明和工業となっているが、海上自衛隊のPS1対潜哨戒機、US1救難飛行艇などの飛行艇を開発しており、この二式大艇の命脈は今も残されている。
譲渡式
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二式大艇 解体作業
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参考
新規作成日:2003年12月15日/最終更新日:2004年3月6日