映画 マスター・アンド・コマンダー

ナポレオンやネルソン提督の時代の、帆船軍艦をテーマとした海洋小説だ。
個々のパートは、当時の実話のエピソードをモチーフにしていると思われるが、全体としてはフィクションである。

ニューヨーク・タイムズ紙により「史上最高の歴史小説」と絶賛された、パトリック・オブライアンの世界的ベストセラー。
監督は、「いまを生きる」「トゥルーマン・ショー」の名匠、ピーター・ウィアー。
リアルな嵐のシーンや、迫力の戦闘シーンなどの醍醐味も大きな魅力。
本年度アカデミー賞最有力との呼び声も高い、話題作である。

1805年、ヨーロッパ征服を狙うナポレオンの前に、多くの兵士の尊い命が犠牲となり、イギリス軍はその兵力を補うために、幼い少年達までも戦場に送らざるをえなかった。
弱冠12歳の士官候補生ブレイクニー(マックス・パーキス)ら少年たちは、伝説的な名艦長として名を馳せるジャック・オーブリー(ラッセル・クロウ)率いるサプライズ号に乗り込む。
この艦の使命は、ナポレオン率いるフランス海軍の武装船アケロン号を拿捕するという、危険極まりない大追跡だった。
攻撃力で圧倒的な優位に立つアケロン号と、荒れ狂う大海原を相手に、戦う術も知らない幼い少年達はひたすらにジャック・オーブリー艦長を信じ、愛する家族に再び会える日を夢見て戦う。

サプライズ号は、19世紀の英国軍艦をモデルに、20世紀に建造されたアメリカの帆船「ローズ号」を20世紀フォックスが購入し、改装した。
また、60トンのタンク船である2隻目のサプライズ号を、4か月以上かけて建造し、「タイタニック」の撮影場所でもあるバハ(メキシコ)のフォックス・スタジオの巨大水槽に配備し、機械装置を駆使し、海上でのどのような動きも再現可能にした。
3隻目となる長さ約8メートルの縮小模型は、「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の特殊効果を共同で担当したウェタ・ワークショップ社(ニュージーランド)が製作している。

また、対する「アケロン号」には、アメリカ海軍の「コンスティチューション」が使用されている。

当時の英国軍艦には、名家の出身である若者が士官候補生として乗船し、艦長の監督の下、私立学校のように書物を使って勉学に励んだ。
対照的なのが、「パウダー(火薬)・モンキー」と呼ばれる少年たちで、小間使いとして、砲員に火薬を渡すために甲板をせわしなく動き回る彼らの多くは孤児であり、中にはわずか8歳の子供もいたという。
当時の孤児たちを取り巻く環境は劣悪であり、例え苛酷な戦闘に巻き込まれようとも、軍艦は地上生活よりはるかに良い人生を送れる機会を彼らに与えるものだったのだ。
一部の宣伝等では「少年をも戦場へ動員した」かの如き表現があるようだが、当時としてはごく一般的なもので、むしろ望んで船に乗ったケースが多い。

タイトルの「マスター・アンド・コマンダー」は、主人公の役職であり、航海長/Master 兼任の艦長/Commander である。

この作品は、ガラパゴス諸島で撮影された、史上初の劇場公開映画だ。

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平成16年2月28日 ロードショー

公式サイト
http://www.movies.co.jp/masterandcommander/


尚、東京・お台場にある船の科学館では、映画「マスター・アンド・コマンダー」の公開を記念して、19世紀の英仏海軍による航海の模様を解説するパネル、映画に登場する帆船の模型や撮影に使用された衣装、小道具などを展示する企画展「19世紀の英仏軍艦と海の男たち」を開催する。
期間: 2月20日(金)〜3月28日(日)
展示内容:
●映画を10倍楽しめる解説付きパネル
●撮影で使用された映画の衣装、小道具
●映画をモチーフにした巨大オブジェ
●19世紀の海で活躍した帆船の精密模型
●映画紹介パネル
●映画CM他 限定映像の上映


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新規作成日:2004年2月16日/最終更新日:2004年2月21日