原子力の雑学

用語

原子

核燃料

原子炉

英語では、Nuclear Reactor(核反応炉)あるいは、Nuclear Chain Reactor(核連鎖反応炉)と呼ばれている。原子力分野ではReactor(反応炉)で十分通用しているが、化学反応炉と間違われ可能性がある為、Nuclear Reactor(核反応炉)が一般に使われている。
原子炉の安全性

軽水炉の場合、冷却水(減速材)が失われれば、中性子の減速能力がなくなり、連鎖反応は弱まるか、あるいは、止まると考えられている。 すなわち、核爆発や暴走は起きないと考えてよく、軽水炉の持つ固有の安全性と呼ばれる。

原子炉(炉心)は、厚い原子炉容器に内装され、原子炉格納容器(厚いコンクリート:1メートル以上、放射線遮へいのため)内に格納されているので、普通の爆撃なら耐えられるという。
大型爆弾では破壊されるかも知れないが、そのときは放射性物質が飛散して、臨界事故そのものは起こりそうもないとされる。
なお、原子炉の安全設計では、全燃料の破損を想定して、環境へのリスクを法律(原 子炉等規制法)で定められている許容値内になるよう、原子炉格納容器等の設計を行っている。

原子炉が大型爆弾(非核兵器)により破壊された場合だが、原子炉が破壊されて燃料であるウラン235が分散すること、及び中性子の減速能力を持つ冷却水がなくなると考えれば、放射性物質が飛散し、その範囲は汚染されるものの、核爆発そのものは、発生しないと考えられる。

また、米国での評価結果によれば、原子炉格納容器、使用済み燃料プールにB747-400が衝突しても、原子炉および燃料への影響は無いらしい。


船舶の原子炉の安全性
原子力潜水艦、原子力空母などの原子力艦船で、原子力(原子炉)が推進用、電源用などに使用されている。
緊急時は、制御棒の挿入により停止し、炉停止後に発生する原子炉の崩壊熱は、海水で冷却され、炉心溶融などには至らず、放射性物質による海中の汚染は避けることができるとされている。
また、原子力艦船では、沈没した場合に備え、原子炉格納容器に圧力平衡弁が取り付けられており、ある程度以上の水圧になると、この弁が開いて海水を原子炉格納容器内に入れ、原子炉格納容器の圧壊を防ぐよう設計されている。
なお、減速材は低濃縮ウラン燃料でも核反応が継続できるよう中性子を減速させるためのもので、原子炉の冷却材を兼ねている。



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新規作成日:2002年11月19日/最終更新日:2003年1月24日