陸上自衛隊 94式水際地雷敷設装置

94式水際地雷敷設装置は、我が国に上陸してこようとする敵部隊を、水際で阻止するために水際地雷(実体は機雷のようなもの)を敷設するための車輌で、水上を航行して水際地雷を敷設することができるようになっている。
水際地雷というのは、舟艇や各種車両で上陸作戦を行う敵に対しての兵器の一つであり、敵の舟艇が接触したり付近を航行した場合に爆発、ダメージを与えるというものである。地雷という呼称は付いているものの、機能的には「機雷」である。
水際地雷は「ミズギワジライ」ではなく「スイサイジライ」と読む。

自動車としての登録の他に、船としての「船籍登録」も受けている。
タイヤも付いているが、車体の後部にはスクリューが二つ付いており、錨や航海灯などフネとしての装備も持っている。
さらに運転席には、ジャイロコンパスが装備されている他、救命具なども装備している。
車体には小型船舶登録番号が表示されている他、個別に「船名」もつけられている。
この船名は、小型船舶の登録上必要な物で、車体にも表示してあるが、部隊運用上使用されてはいないようだ。
陸上での走行には、自動車運転免許が必要だが、水上での運航の際には、小型船舶操縦士免許の資格者の搭乗が必要となる。

非常に変わった形状をしており、車輌としては陸上自衛隊でも一番大きい部類に入る。 荷台には水際地雷敷設装置と、水際地雷を搭載するようになっている。
海浜を走る都合からか、タイヤはかなり大型の物が使われている。
尚、道路交通法の制限や、日本の道路事情に鑑み、陸上移動時は、舷側のフロートをたたんで荷台に積載し、敷設装置と水際地雷は、別のトラックで搬送した上、現場海浜付近で展開する。

敷設作業の方式は、車両ごと海に入り海岸線とほぼ並行に走りながら、後部の敷設装置からから水際地雷を投下していくというもの。
この作業は自動化されており、車載のコンピューターに事前にセットしたプログラムによってコントロールされている。
その為、ドライバーは車内のディスプレイの指示通りに車両を進めるだけである。
外見は、水陸両用のため、車と舟のアイノコような形をしている。
因みにこの車輌は造船メーカーが造っている。

配備部隊は限られており、水上航行する姿はほとんど見られない

主な配備部隊
第301水際障害中隊(船岡駐屯地)
第302水際障害中隊(幌別駐屯地)
第303水際障害中隊(宇都宮駐屯地)
施設教導隊(勝田駐屯地)

主要諸元
全備重量 約16t
全長 約11.8m
全幅 陸上姿勢 2.8m
水上姿勢 4.0m
全高 約3.5m
最高速度
陸上車輪走行 約50km/h
水上プロペラ推進 6kt(約11km/h)
製造 日立造船
推定価格 約5億円


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新規作成日:2003年4月9日/最終更新日:2023年6月11日