Windows98, Me サポート終了

2006夏、Windows98, Me のサポートが終了した。
Windows98, Meは、今だ多くの利用者がいて、不安が募っている。

サポート終了によって、不具合等の修正が行ってもらえず、今後発生する問題に対応されないのがポイントだ。
が、ここでいくつかの論理矛盾がユーザー側に存在する。

確かに、WindowsのOSでは、不具合に対して、修正ソフトの対応などが行われている。
しかし、基本的には、その修正版の作成をしてくれているだけで、その修正版のパソコンへの反映は、各ユーザーが行わなくてはならない。
すなわち、自動的には更新されない。
もちろん、パソコンの設定で「自動」に設定して、これが完全に機能していれば別なのだが・・・。
従って、自分のパソコンのメンテナンスを、きめ細かくやっていない限り、実は影響はないのである。
すなわち、修正版が世の中に存在したとしても、それが自分のパソコンに入っていないとすれば、あってもなくても同じことだ。

そしてまた、Windows98, Meは、公開後、既に10年近く経過している。
一般に、ソフトウエアのバグ対応は、日を追って収束する。
公開後、一、二年は、利用者の拡大と、多種多様な利用法によって、設計者の想定外のトラブルも多く、修正の発生頻度は高い。
しかし、5年もたてば、新製品へ移行して利用者は減り、かつ、多くの問題が解決済みで、安定した状態となっている。
その意味では、逆に、サポートしてくれるとは言いつつも、モルモットのように実験台にされる新製品よりも、実は安定した利用ができるということである。

専門家の一部には、セキュリティホールをついてネットを通じて侵入してくるから、サポートの切れたパソコンは危険極まりなく、ネットにつながないこと以外に対策はないという。
あたかももっともだが・・・。
セキュリティホールとは、当初から用意して作られていたわけではなく、想定外に存在していた代物である。
侵入者側は、一生懸命このセキュリティホールを探し、侵入を試みる。
その意味では、当初から万全のシステムがありえない以上、全てのOSにセキュリティホールは潜在するわけで、侵入後対策を取ってもらえるかどうかの差があるだけで、問題発覚までの侵入そのものは防ぎようがないのが実情である。
そして、侵入者は、効率も考えている。
利用者が多いシステムのほうが、セキュリティホールを見つけた後の、侵入件数が多く見積もれる。
例えば、今時、Win3.1あたりのセキュリティホールを見つけたとして、侵入可能なパソコンを探すほうが難しい。
その意味では、最新のOSのほうが、実は狙われる確率が高いといえる。

表現が失礼だが、橋下の掘っ立て小屋で鍵もない部屋に押し入ったとこで、いくら盗めるだろうか。
頑丈な壁に囲まれた金融機関の金庫なら、今時数千万円の現金はあるだろう。

セキュリティに関して言えば、むしろ、専用ソフトによってガードするほうが間違いないだろう。
自宅で複数台を利用している場合、パソコン間でデータのやり取りが出来る以上、セキュリティは穴が開いている。
この穴を完全に塞ぐなら、自身であってもデータ交換が出来なくなるわけだ。
利用者間の認証システムの信頼性が求められるわけで、OS依存の範囲は超えている。

ウイルスのケースも同じだ。
ウイルスを作成する人たちは、被害が出ることが楽しいわけで、多くの悲鳴が快感である。
-この時間と能力を、もっと建設的なことに向ければよいと思うのだが・・・・-
その意味では、ユーザー数の多い種類に対応するウイルスを作ったほうが効率がよい。
ウイルスというものは、パソコンの中で動作するから、例えば、最新のウイルスであれば、Windows95あたりでは「プログラムエラー」となって、動くことが出来ない。
本来のウイルス対策から見れば論外なのだが、ウイルスに害されないという観点からは、実効的でもある。

製品には、一般に保障期間が定められており、電気製品であれば、通常一年である。
これを超えた後でも、修理はしてもらえるが、部品保存期限というものもある。
メーカーでは、補修部品の在庫を確保するのもなかなか大変であるから、一定期間後、打ち切られる。
互換性のある部品の場合はよいが、旧式製品専用部品が底をつけば、以降の修理は出来なくなる。
もちろん、金額に糸目をつけなければ、その部品を「製造」してもらうことは不可能ではないが、量産品の修理の観点からはありえないだろう。
その意味では、OSと言えども、サポート期間に期限があることはやむをえない部分もある。




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新規作成日:2006年7月13日/最終更新日:2006年7月13日