戦艦大和VS護衛艦むらさめ
戦艦大和VS護衛艦むらさめ
ロシアの大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフに乗ってきた候補生が、三笠を見学に行ったおり、同行した日本の記者さんが「戦艦とは何か」と言う質疑が飛び交い「戦艦大和VS護衛艦むらさめ」ではむらさめが遥かに強い説明がなされました。
近代戦闘においては、まさにその通りで、言うまでもなく、戦艦の存在価値は有りません。
が、単艦での勝負を敢えて言う時、条件によれば、戦艦の勝利もありえます。
前提条件
・戦艦大和VS護衛艦むらさめ
・単艦での戦い
・補給はなし
・引き分けを認めず、最後まで戦う
戦闘の推移
- 先ずは遠方からの索敵
むらさめ はSH60J、大和は観測機を飛ばします。
- 対空迎撃
むらさめ はシースパロー、大和は対空射撃で打ち落とします。
大和の場合、相手はヘリですから、なんとかなるでしょう。
- 航空攻撃
むらさめ はSH60Jからハープンか、短魚雷、大和は観測機から爆撃が可能です。
ただし、迎撃からの残存が前提ですが。
ここでポイントですが。
大和にとってミサイル迎撃は困難です。
が、ハープンは上部構造物を破壊しますが、戦艦の装甲迄は破れませんから、撃沈は困難です。
また、短魚雷は、ほぼ確実に当たりますが、昔の魚雷に比べて火薬の量は少ないので、推進力を削減するに留まるでしょう。
- むらさめの攻撃
この場合、航空攻撃等でへりを失わずに温存しておいた方が有利です。
ヘリの支援の元に、ハープンでの攻撃。当然、大和の射程外から悠々と攻撃できます。
ただ、その威力に付いては、前述の通りです。
8発のハープンは、ほぼ確実に命中するでしょうが、主砲塔の破壊等は不可能です。
ここまでで、いったん区切りとなります。
近代戦闘では、いくらでも補給して攻撃が可能ですから、大和は射程に収める事無く、やられっぱなしになります。
また、むらさめ は射程に入らなければ被害を受けませんから、逃げ回っていれば負ける事は有りません。判定で優勢勝ちとなるでしょう。
しかし、前提として単艦での戦闘と決めていて、引き分けはなく、最後まで戦う必要が有るので、むらさめ は、大和に接近する必要が有ります。
- 接近
ここで、3吋砲の射程は2万メートル有りませんから、大和の射程42000メートルから、攻撃を受け始める事になります。
(42000m-20000m)/1852m=11.879浬
およそ12浬、大和の一方的な攻撃になります。
30ktで迫撃し、大和が移動しない場合、約25分あります。
(11.879浬/30kt*60分)
主砲射撃2分に1発、9門として、117発。命中率5%として、5.85発の命中弾です。
さて、大和の主砲はご存知世界最強の46cm砲。
むらさめは結局は駆逐艦ですから、砲撃戦闘で耐え切れる装甲はありません。
すなわち、この段階で、ほぼ確実に、撃沈となるでしょう。
また、撃沈に至らなくとも、戦艦の主砲弾を食った近代艦艇が、戦闘力を殆ど維持できない事は想像に堅く有りません。
- 砲撃戦
万が一、むらさめが被害を免れ、3吋砲の射程まで接近できたとします。
が、あくまで3吋砲ですから、戦艦の装甲を撃ちぬく事は不可能で、とても撃沈は出来ないでしょう。
しかし、戦艦は主砲、副砲など 大砲が戦力ですから、射程内にある以上、いずれは撃沈させる事は困難では有りません。
と、言う事で、条件を付けたシミュレーションとしては、大和に分が有るわけです。
もちろん、近代戦闘で、このような条件下の戦闘は望むべくも有りませんから、戦艦の存在意義はないわけです。
乗員数や、艦のコストを考えると、答えは明白です。
新規作成日:1999年9月20日/最終更新日:1999年9月20日