西村防衛政務次官が辞任
週刊プレイボーイ誌上で、「核武装したほうがいいか国会で検討されなければいけない」などと発言したらしい。
また、西村議員は、以前から、軍事問題に、独特の言動が有ったようだ。
19日発売の週刊プレイボーイでの対談で、インド、パキスタン両国が核兵器を保有したことに関連、「核を両方が持った以上、核戦争は起きません。核を持たないところが1番危険なんだ。日本が1番危ない。日本も核武装した方がええかもわからんということも、国会で検討せなあかんな。」と発言したらしい。
確かに相互確証破壊の法則によると、双方が一定量の核兵器で対峙した方が、抑止力という点では均衡を保つかもしれない。
しかし、その理論からいくと、全世界の各国が、核武装をしなければならず、全世界の望む核全廃に真っ向から反するような展開となってしまう。
また、現状のように核保有国が少数の場合は、危機管理能力も比較的高いのだが、世界中の国が核兵器を保有するということは、感覚的に通常兵器と何ら変わりがなくなり、現在世界各地で頻発している国境紛争での銃撃戦のように、わずかな衝突により簡単に使用されるリスクをはらんでいる。
そういう意味では、素人の私でもわかりそうなこの程度の(ドミノ的な)問題を、仮にも先進国の中心にいるとされるわが日本の政府、しかも防衛というこの問題の中核たる部署に、かくも思慮に欠ける、未熟な能力の人物が、閣僚として存在していたこと自体、恐ろしいことであるとともに、先進国日本の国民の1人として、世界に対して顔向けできないほど恥ずかしい思いがする。
「不適切だった」では済まされない。
世界の軍事情勢は、確かに地域紛争多発の様相をはらんでいる。
しかし、こと、核に付いては、印度を含め、廃止の方向に向いている上、我が国には、非核3原則がある。にもかかわらず、かくも軽はずみで見当違いの発言は、想像を絶する。
これは、先日の「飛行機を操縦したくてハイジャック」よりも、低次元の問題ではなかろうか。
核を持つ事はこのような軽い発想では許されない。
核抑止力と言うのは、もし、一方が使用した場合、必ず反撃する物で、そこの所をどう考えているのだろうか。核武装するが絶対に使用しないという事なのだろうか。
そんなまやかしは、世界に通用しないし、もし、そのとおりなら、核抑止力は効力を持っていない。
新規作成日:1999年10月21日/最終更新日:1999年10月22日